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VE管(電気)とVP管(給排水)の決定的な違い

VE管(電気)とVP管(給排水)の決定的な違い

26/03/04 11:50

塩ビ管の代表格であるVE管とVP管は、用途が根本的に異なります。 VE管は「電気配線保護用」の電線管です。絶縁性に優れ、衝撃に強いのが特徴で、建物の外壁や地中の電線保護に使われます。一方、VP管は「給排水用」の水道管です。肉厚で耐圧性が高く、水圧がかかる配管に適しています。 両者はサイズ規格も異なり、外径が近くても内径や継手が違うため互換性はありません。また、VE管は熱で曲げ加工が可能ですが、VP管は継手で接続します。「電気を守るならVE、水を流すならVP」と使い分けるのが鉄則です。

1. そもそも「VE管」と「VP管」とは何か?

まず最初に、それぞれの正式名称と役割を整理しましょう。

VE管(硬質塩化ビニル電線管)

  • 役割: 電気配線を保護するための「電線管」です。

  • 特徴: 絶縁性に優れ、錆びないため、屋外の露出配管や地中埋設によく使われます。

  • 規格: JIS C 8430

VP管(硬質塩化ビニル管)

  • 役割: 水や液体を運ぶための「水道・排水管」です。

  • 特徴: 肉厚で耐圧性に優れており、主に給水や排水、通気などに使われます。

  • 規格: JIS K 6741

【ワンポイントアドバイス】
見た目はどちらもグレーですが、VE管は「電気(Electric)」のE、VP管は「圧力(Pressure)」あるいは「パイプ(Pipe)」のPと覚えると間違いありません。


2. 構造と物理的な違い

同じ塩化ビニル製ですが、設計思想が異なるため、肉厚や内径に違いがあります。

肉厚と強度の違い

  • VP管は内部を流れる水の「圧力」に耐える必要があるため、非常に肉厚に作られています。

  • VE管は、中に通すのは空気と電線だけなので、VP管ほどの耐圧強度は求められません。その代わり、衝撃に対する強さ(耐衝撃性)を重視した「HIVE(耐衝撃性VE管)」という種類が一般的になっています。

色と表面の仕上げ

  • VE管: 一般的にはライトグレーですが、メーカーによってはチョコ(茶色)やベージュ、ブラックなど、建物の外壁に合わせたカラーバリエーションが豊富です。

  • VP管: 基本的には濃いグレー(JIS規格色)のみです。


3. サイズ(呼び径)の比較

ここが最も間違いやすいポイントです。VE管とVP管では、サイズの呼び方や外径が微妙に異なります。

VE管のサイズ展開

VE管は「内径に近い数値」で呼ばれます。

  • 14, 16, 22, 28, 36, 42, 54, 70, 82, 100(mm)
    ※電気工事でよく使われるのは「22」や「28」です。

VP管のサイズ展開

VP管も「呼び径」で表されますが、ラインナップが異なります。

  • 13, 16, 20, 25, 30, 40, 50, 65, 75, 100, 125, 150...(mm)

比較項目

VE管 (22の場合)

VP管 (20の場合)

外径

26.0mm

26.0mm

近似内径

22.0mm

20.0mm

注意: 上記の通り、VE22とVP20は「外径」が同じ26mmです。しかし、VP管の方が肉厚な分、内径が狭くなっています。これを知らずに「外径が同じだから」と継手(ソケット)を流用しようとすると、規格が違うため適合しません。


4. 使用用途の違い:なぜ使い分けるのか?

VE管の使用シーン(電気設備)

  1. 建物の外壁露出配線: 太陽光パネルからパワーコンディショナーへの配線など。

  2. 地中埋設配線: 庭の外灯やインターホンへの配線。

  3. 工場・倉庫: 薬品に強いため、腐食しやすい環境での電線保護。

VP管の使用シーン(管工機材)

  1. 戸建・マンションの給水: 高い水圧がかかる本管から蛇口までのルート。

  2. 雑排水・汚水排: キッチンやトイレからの排水(VP50以上が多用される)。

  3. 簡易的なDIY: 構造材としての強度が強いため、棚やラックの自作。


5. 施工方法と付属品(継手)の違い

ここが現場での大きな分かれ道です。

接着剤の違い

  • VE管: 「電線管用接着剤」を使用します。速乾性で、隙間に染み込んで固まるタイプです。

  • VP管: 「塩ビ管用接着剤(タフダインなど)」を使用します。表面を溶かして一体化させる「溶着」に近い硬化をします。

曲げ加工

  • VE管: ガストーチや専用のヒーターで炙ることで、現場で自由に曲げることができます(ノーマルベンドという既製品もあります)。

  • VP管: 肉厚なため、熱で曲げるのは非常に困難です。基本的には「エルボ」というL字型の継手を使って角度を変えます。


6. 販売ルートと業界の垣根

「どこで買えるか」という点でも、この2つは明確に分かれています。

  • VE管:電気卸・電材ルート
    電気工事士が通う「電材屋(電設資材卸売業)」の主力商品です。パナソニック、未来工業、日動電工といったメーカーが有名です。ホームセンターでは「電気資材コーナー」に置かれています。

  • VP管:管材卸・住宅設備ルート
    水道業者が通う「管材屋(住宅設備卸売業)」の主力商品です。積水化学工業(エスロン)やクボタケミックスなどが大手です。ホームセンターでは「資材館の配管・水回りコーナー」に置かれています。


7. 間違えて使ったらどうなる?(リスク管理)

VP管に電線を通した場合

物理的には可能ですが、電気工事上の「JIS規格外施工」となります。また、VE管には火災時に燃え広がりにくい「自己消火性」があるものが多いですが、VP管にはその特性がないため、火災リスクが高まります。

VE管に水を流した場合

絶対にNGです。 VE管は圧力を受ける設計になっていません。水道の圧力がかかれば、継手部分から漏水したり、管自体が破裂したりする恐れがあります。


8. まとめ:選定チェックリスト

最後に、どちらを選ぶべきか迷った時のための比較表をまとめました。

比較ポイント

VE管(電気工事用)

VP管(水道工事用)

主な目的

電線の保護、絶縁

液体(水・排水)の輸送

最大の強み

錆びない、曲げ加工ができる

高い耐圧性と耐久性

色の種類

ライトグレー、ベージュ、黒、茶

濃いグレー(基本1色)

接続方法

差込接着(差し込みが浅い)

受口接着(深く差し込む)

主なメーカー

未来工業、パナソニック

積水化学、クボタケミックス

結論

  • 「ケーブルを守りたい」ならVE管

  • 「水を流したい」ならVP管

この原則さえ押さえておけば、資材選びで失敗することはありません。現場の状況や法規に合わせて、正しい資材を選択しましょう。

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前田 恭宏
前田です

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