
PAS取付柱の選定方法まとめ|早見表付きでわかりやすく解説【高圧受電設備】
高圧受電設備に欠かせないPAS(気中負荷開閉器)は、需要家設備と電力会社設備の境界に設置される重要機器です。そのPASを安全に支持するために必要なのがPAS取付柱の適切な選定です。 PAS取付柱の選定を誤ると、 • 強度不足による傾斜・倒壊 • 高圧充電部の地上高不足 • 電力会社からの是正指摘 といった重大なトラブルにつながります。本記事では、PAS取付柱の選定基準を表で整理し、初心者から実務者まで理解できるよう解説します。
PAS取付柱選定で重要なポイント
PAS取付柱を選定する際は、必ず以下の主要ポイントを確認しましょう。特にPASは重量があり、風圧や引込線張力の影響を受けやすいため、余裕ある柱選定が不可欠です。
柱の高さ(m)
柱の強度(kg表示)
搭載機器の構成
設置環境・地域条件
PAS取付柱 選定早見表【標準構成】
小規模・最小構成向け
設備構成 | 推奨柱高 | 推奨柱種 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
PASのみ | 10m | 10m-190kg | 小規模倉庫 |
PAS+LA | 10m | 10m-190kg | 最小受電設備 |
PAS+LA+VT | 12m | 12m-190kg | 一般住宅併設設備 |
標準的な高圧受電設備(最多)
設備構成 | 推奨柱高 | 推奨柱種 | 備考 |
|---|---|---|---|
PAS+LA+VT | 12m | 12m-190kg | 標準構成 |
PAS+LA+VT+操作器 | 12m | 12m-230kg | 操作性・重量考慮 |
PAS+LA+VT+CT | 12m | 12m-230kg | 機器増設時 |
機器点数が多い・将来増設想定
設備構成 | 推奨柱高 | 推奨柱種 | 想定条件 |
|---|---|---|---|
PAS+LA+VT+CT | 14m | 14m-230kg | 高圧機器集中 |
通信・遠隔監視機器追加 | 14m | 14m-300kg | IoT対応 |
複数引込線 | 14m | 14m-300kg | 張力大 |
環境条件別 PAS取付柱補正目安
設置条件 | 推奨対応 |
|---|---|
強風地域・沿岸部 | 柱種を1ランク上 |
積雪地域 | 柱高+2m または強度増 |
引込線張力が大 | 230kg以上を選定 |
道路沿い・狭小地 | 高さ優先で12〜14m |
柱高・強度選定の基本ルール
PAS用途の最低強度は190kg以上
LA・VT・CT追加ごとに強度アップを検討
将来増設が見込まれる場合は最初から14m柱
電力会社の内線規程・技術要件を最優先
設計段階で将来性を考慮していないと、後から柱の建替えが必要になる場合があります。
実務でよく使われる定番柱種
用途 | 柱種 |
|---|---|
最小構成 | 10m-190kg |
標準構成 | 12m-190kg(最も多い) |
安全余裕型 | 12m-230kg |
大型・拡張 | 14m-230〜300kg |
PAS取付柱選定でよくある失敗
強度不足による柱の傾斜
高圧充電部の地上高不足
将来増設を考慮せず再工事
これらはすべて初期の柱選定ミスが原因です。
まとめ|PAS取付柱選定は「余裕」が重要
PAS取付柱の選定は、高さ・強度・環境・将来性を総合的に判断することがポイントです。迷った場合は12m-230kgを選定しておくことで、多くの現場で安全側となります。
本記事の早見表を活用し、設計品質向上や是正工事の防止に役立ててください。
小原 一馬
経営企画室
