
マンションの「非常用発電機」完全ガイド
マンションの非常用発電機:災害から命と生活を守る備え 近年、大規模停電(ブラックアウト)対策として、マンション管理組合による非常用発電機の導入・更新が増えています。国の指針では**「72時間の待機」**が推奨されていますが、従来の消防法準拠(30〜60分稼働)だけでは生活維持が困難です。 そこで、給水ポンプやエレベーター、オートロックの稼働に加え、集会所でのスマホ充電など、各マンションのニーズに合わせた**「生活優先型」**の設備選定が重要です。燃料の選定や突入電流の計算など、専門的な設計が防災力の鍵となります。 詳しいお問い合わせは下記「電気設備ドットコム」まで https://www.reformhiyo.com/ 担当:前田(1級電気工事施工管理技士・2級建築施工管理技士)が対応いたします。
備えあれば憂いなし!マンションの「非常用発電機」完全ガイド
——大停電(ブラックアウト)から住民の命と生活を守るために
近年、毎年のように発生する巨大台風や線状降水帯による水害、そしていつ起きてもおかしくないと言われる首都直下地震や南海トラフ巨大地震。私たちの暮らしを支える「電気」というインフラが、ある日突然途絶えるリスクはかつてないほど高まっています。
かつて、マンションの非常用発電機といえば「消防法で決まっているから設置する」という、いわば受動的な設備でした。しかし今、多くの管理組合が「自分たちの生活を維持するための防災設備」として、その在り方を再定義し始めています。
本稿では、国の指針や法規制、そしてマンションごとのニーズに合わせた非常用発電機の選び方について、1級電気工事施工管理技士の視点を交えて詳しく解説します。
1. 「72時間の壁」をどう乗り越えるか? 国の指針と現状
現在、国(内閣府や経済産業省)は、大規模災害時における企業の事業継続計画(BCP)や居住施設の維持において、「最低3日間(72時間)の自力生存」を推奨しています。
なぜ「72時間」なのでしょうか。
それは、人命救助のタイムリミットと言われる時間であると同時に、公的な支援や電力会社の復旧作業が本格化するまでに最低限必要な時間だからです。
従来のマンション | これからのマンション |
|---|---|
消防法に基づき、スプリンクラーや屋内消火栓を動かすための「非常用電源」を確保。しかし、その稼働時間はわずか30分〜60分程度が一般的です。 | 消防設備だけでなく、生活維持のための「防災用電源」として、72時間以上の稼働を見越した燃料貯蔵やスペック選定が求められています。 |
2. マンションによって異なる「守りたいもの」の優先順位
「非常用発電機を入れる」と言っても、すべての電力を賄うのはコスト的にもスペース的にも現実的ではありません。管理組合で議論すべきは、「停電時に何が使えないと困るか」という優先順位の整理です。
主なケースを3つのパターンで見ていきましょう。
【最低限】法令遵守・消防設備特化型
対象:スプリンクラー、屋内消火栓、非常用照明、排煙設備。
メリット:導入コストが最も低い。
デメリット:停電が長引いた際、生活インフラ(水・移動)は完全にストップする。
【生活維持】インフラ継続重視型(主流の選択肢)
給水ポンプ:断水は衛生環境の悪化に直結。トイレが流せる、水が出ることは最優先事項。
エレベーター:高層階の住民にとっては停止が「自室への閉じ込め」を意味。少なくとも1基は動かせるよう計画。
オートロック・玄関開錠:停電でリスク発生。セキュリティとスムーズな避難を両立。
【コミュニティ維持】防災拠点化型
集会所・管理人室:防災本部とし、充電・情報収集・暖房などを確保。
共用部コンセント:住民が交代で家電を利用できる。
3. 非常用発電機の種類と燃料の選択
非常用発電機を導入・更新する際、最も重要なのが「燃料」の選定です。
燃料の種類 | 特徴 | メンテナンス |
|---|---|---|
軽油(ディーゼル) | 最も一般的。高出力で大型マンション向き。 | 燃料の劣化(酸化)注意。定期的な入れ替え推奨。 |
ガス(都市ガス/LPガス) | 備蓄スペース不要。排気がクリーン。 | 都市ガスは地震時供給停止リスク。LPガスは長期保存に強い。 |
ガソリン | 小型・ポータブルに多い。 | 保管量制限が厳しく、マンション全体用には不向き。 |
最近では、都市ガスが遮断されてもLPガスに切り替えられる「ハイブリッドタイプ」や、太陽光発電・蓄電池と組み合わせるシステムも注目されています。
4. 専門家が教える「失敗しない導入・更新」のポイント
管理組合の理事会でよくある失敗が、「安さだけで選んでしまい、いざという時に容量不足で動かなかった」というケースです。
突入電流を計算に入れているか:
モーター(ポンプやエレベーター)は、動き出す瞬間に定格の数倍の電気(突入電流)を必要とします。この計算を誤ると、発電機が過負荷で止まってしまいます。設置場所の選定:
近年の水害を教訓に、発電機を地下や1階に置かず、屋上や上層階に設置する「浸水対策」が必須となっています。負荷試験の実施:
消防法でも義務付けられていますが、実際に電気を流して動くかを確認する「負荷試験」を定期的に行わなければ、いざという時に「ただの鉄の塊」になってしまいます。
5. 補助金の活用と資産価値への影響
非常用発電機の設置は、マンションの「資産価値」を大きく高めます。中古マンション市場でも「防災力の高いマンション」は選ばれる基準となっており、将来の売却や賃貸においても有利に働きます。
また、自治体によっては、防災機能を強化するマンションに対して補助金制度を設けている場合があります。これらを活用することで、管理組合の修繕積立金の負担を軽減しながら、最新の設備を導入することが可能です。
結びに:今、管理組合としてできること
非常用発電機は、一度導入すれば20年、30年と付き合っていく設備です。だからこそ、単なる機械の設置として捉えるのではなく、「自分たちのマンションで、災害時にどのような暮らしを守りたいか」というビジョンを共有することが大切です。
「何を選べばいいか分からない」「今の設備で72時間持たせることができるのか?」といった疑問や不安は、専門的な知識を持つプロフェッショナルにご相談ください。
詳しいお問い合わせは「電気設備ドットコム」へ
マンションの非常用発電機に関する新設、更新、負荷試験、メンテナンスのご相談は、下記までお気軽にお問い合わせください。
電気設備ドットコム(https://www.reformhiyo.com/)
当サイトでは、以下の有資格者がプロの視点から最適なプランをご提案いたします。
担当:前田(1級電気工事施工管理技士・2級建築施工管理技士)
「法適合の確認」から「生活維持のための最適な容量計算」まで、マンション管理組合様の立場に立って丁寧に対応させていただきます。
前田 恭宏
前田です
