
いま非常用発電機が果たす、本当の役割とは
非常用発電機は、停電時に電気を供給するバックアップ設備ではなく、人命・事業・社会機能を守るための重要インフラです。ビルでは防災設備や避難安全を、マンションでは生活継続を、店舗では営業と信用を、工場では安全と生産を支えます。近年はBCP(事業継続計画)の中核として位置づけられ、初動対応の混乱抑制や復旧時間短縮に大きく貢献します。非常用発電機は「備え」ではなく、施設と事業を継続させるための責任ある選択と言えるでしょう。
**停電は「非常事態」ではなく「想定内」へ
―― いま非常用発電機が果たす、本当の役割とは**
地震・台風・豪雨・落雷・設備事故。
私たちの生活を支える電気は、想像以上に多くのリスクにさらされています。
かつて停電は「まれな非常事態」でした。しかし近年では、**停電はいつ起きてもおかしくない“想定すべき事態”**へと変わっています。
その中で改めて注目されているのが「非常用発電機」です。
非常用発電機は、単なるバックアップ設備ではありません。
**人命を守り、事業を守り、社会機能を止めないための“最後の砦”**です。
本コラムでは、非常用発電機の基本的な役割を整理した上で、
ビル・マンション・店舗・工場など施設別に、その重要性と具体的な役割をわかりやすく解説します。
非常用発電機とは何か? ―― 停電時に「電気を生み出す設備」
非常用発電機とは、商用電源(電力会社からの電気)が停止した際に、
自動または手動で起動し、電気を供給する発電設備です。
主に以下の構成で成り立っています。
発電機本体(ディーゼル・ガスなど)
燃料タンク
制御盤
切替装置(ATS)
排気・換気設備
多くの施設では、停電発生後数十秒以内に自動起動し、
非常照明・エレベーター・給水ポンプ・防災設備・通信設備などに電力を供給します。
つまり非常用発電機は、
「すべてを動かす設備」ではなく、
**「止めてはいけないものだけを確実に動かす設備」**なのです。
**ビルにおける非常用発電機の役割
―― 多くの人命と都市機能を支える**
オフィスビルや商業ビルでは、非常用発電機は建築基準法・消防法で設置が義務付けられているケースが多くあります。
● 停電時に守るもの
非常照明(避難経路の確保)
防災センター設備
エレベーター(閉じ込め防止)
火災報知・排煙設備
通信・警備設備
高層ビルでは、停電=即「避難困難」につながります。
暗闇の中での階段避難や、エレベーター停止は重大事故の原因となります。
非常用発電機は、
混乱を最小限に抑え、ビル機能を段階的に維持するための司令塔なのです。
**マンションにおける非常用発電機の役割
―― 住民の“生活の継続”を守る設備**
分譲・賃貸マンションにおいても、非常用発電機の重要性は年々高まっています。
● 停電時に守るもの
共用部の非常照明
エレベーター
給水ポンプ
オートロック・防犯設備
管理室・通信設備
特に高層マンションでは、
停電=水が出ない、外に出られない、連絡が取れないという深刻な状況が発生します。
高齢者や小さな子どもがいる世帯にとっては、
停電がそのまま命のリスクになることもあります。
非常用発電機は、
「便利さ」ではなく安心して住み続けられる環境を支えるインフラなのです。
**店舗・商業施設における非常用発電機の役割
―― 営業継続と信頼を守る**
店舗や商業施設では、非常用発電機は売上と信用を守る設備です。
● 停電時に守るもの
レジ・POSシステム
冷蔵・冷凍設備
非常照明・誘導灯
防犯カメラ
一部空調・通信設備
停電が数時間続くだけで、
食品の廃棄
営業停止
顧客離れ
クレーム増加
といった経営リスクが一気に表面化します。
非常用発電機があれば、
安全確保
限定営業
計画的な閉店対応
が可能となり、
**「混乱の中でも冷静に対応できる店舗」**という評価につながります。
**工場における非常用発電機の役割
―― 生産・品質・安全を守る生命線**
工場では、非常用発電機は単なる非常設備ではなく、生産設備の一部と考えられています。
● 停電時に守るもの
制御装置(PLC)
安全装置・非常停止系
冷却・換気設備
データ・サーバー
一部生産ライン
突然の停電は、
製品不良
機械破損
データ消失
労災事故
といった大きな損失を引き起こします。
非常用発電機があることで、
安全停止
データ保全
最小限の生産継続
が可能となり、
BCP(事業継続計画)の中核設備として機能します。
非常用発電機は「設置して終わり」ではない
非常用発電機は、
動いてこそ意味がある設備です。
定期点検
負荷試験
燃料管理
法定点検・報告
これらが適切に行われていなければ、
「いざという時に動かない」という最悪の事態を招きます。
実際、災害時に
非常用発電機が起動しなかった事例は少なくありません。
非常用発電機とBCP(事業継続計画)の関係
近年、多くの企業で策定が進むBCP(事業継続計画)において、非常用発電機は中核設備として位置づけられています。
BCPでは、「災害発生後、どの業務をどのレベルで、どれくらいの時間維持するか」を具体的に定めますが、ここで必ず問題になるのが電源の確保です。
非常用発電機があれば、
初動対応の混乱を抑制
従業員・顧客の安全確保
最低限の業務継続
復旧までの時間短縮
といった効果が期待できます。
特に工場・物流・商業施設では、非常用発電機の有無が、取引先からの評価や信頼に直結するケースも増えています。
もはや非常用発電機は、「あれば良い設備」ではなく、
まとめ:非常用発電機は“備え”ではなく“責任”
非常用発電機は、
ビルでは「人命と都市機能」を
マンションでは「暮らしの継続」を
店舗では「信用と事業」を
工場では「安全と生産」を
守るための設備です。
それは単なる設備投資ではなく、
社会的責任を果たすためのインフラと言えるでしょう。
停電は、必ず起こります。
問題は「その時、どう備えているか」です。
非常用発電機は、
その問いに対する、最も確実な答えの一つなのです。
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前田 恭宏
前田です
