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メタルモール(金属製配線モール)の施工手順・プラモールとの使い分け・アース工事の注意点

メタルモール(金属製配線モール)の施工手順・プラモールとの使い分け・アース工事の注意点

2026年10月27日 (最終更新 2026年10月27日)

現場で「ここはプラモールじゃなくてメタルモールで通して」と言われた際、施工の手順や注意点がパッと頭に浮かびますか? メタルモール(金属製配線モール)は、工場や店舗などの露出配線で頻繁に使われる重要資材です。 プラモールに比べて衝撃に強く、ノイズを防ぐメリットがある一方で、「切断時のバリ取り不足による電線損傷」や「D種接地工事(アース)の施工忘れによる感電リスク」など、施工者が絶対に犯してはならない注意点が存在します。 この記事では、電気工事士が現場でスムーズに施工できるよう、メタルモールの基本知識から樹脂製モールとの使い分け、施工の流れと具体的な注意点までご紹介します。 事故を防ぎ、施工品質を高めるための知識をマスターしましょう!

1. メタルモールとは?基本構造と特徴

メタルモールとは、薄鋼板などの金属で作られた露出配線用の保護カバー(ダクト)です。

主に建築物の壁面や天井に電線を露出して配線する際、電線を外部の衝撃から保護し、見栄え良く施工するために使用します。

基本的な構造

メタルモールは主に以下のパーツと付属品(フィッティング)で構成されています。

  • ベース(本体): 壁面や構造体に直接ネジ留めして固定する土台。

  • カバー(蓋): 電線を収容した後、ベースの上に嵌め込む蓋。

  • フィッティング(継手類): コーナー部(L形)、T分岐、クロス分岐、ボックス接続部など、施工箇所の形状に合わせて接続する部材。

固定したベースに電線を引き込み、カバーを上から固定することで、配線全体を強固な金属で包み込む構造になっています。

2. メタルモールと樹脂製モール(プラモール等)の比較・使い分け

配線保護用モールには、塩化ビニル樹脂などを原料とした「プラモール」などの樹脂製モールもあります。新人のうちに押さえておきたい違いを比較表で確認しましょう。

項目

メタルモール(金属製)

樹脂製モール(プラモール等)

材質

鋼板(メッキ処理・メラミン焼付塗装)

PVC(塩化ビニル樹脂)

機械的強度

極めて高い(衝撃・荷重に強い)

低〜中(強い衝撃で割れる)

耐熱性・防火性

高い(不燃材料として扱いやすい)

低い(熱で変形・溶融する)

ノイズシールド

あり(金属による遮蔽効果)

なし

施工性・加工

金ノコ等での切断+丁寧なバリ取りが必要

カッターやモールカッターで切断可能

接地工事

原則必要(アース処理)

不要(絶縁体のため)

現場での使い分け基準

  • メタルモールを選ぶべき現場:台車や機器の衝突リスクがある工場・倉庫、火災対策が重視される公共施設、スケルトン天井などの店舗・オフィス、精密機器周辺のノイズ対策回路。

  • プラモールを選ぶ現場:衝撃リスクが少なく、短時間での施工が求められる住宅内や小規模オフィスの簡易配線。

3. 新人が絶対に知っておくべき施工時の4つの注意点

メタルモール施工は、樹脂製モールと異なり「金属を扱う施工」特有の危険と注意点があります。

①【最重要】切断後のバリ取りを徹底する

メタルモールを金ノコや切断機でカットすると、切断面に「バリ(鋭利な金属のひっかかり)」が残ります。

このバリを残したまま電線を引き通すと、電線の絶線被覆が傷つき、漏電やショート(短絡火災)の原因になります。

切断後は必ずリーマーやヤスリを使い、手で触れても滑らかな状態になるまでバリ取りを行ってください。

② D種接地工事(アース)の忘れに注意する

金属製のメタルモールは導電性があります。万が一、内部で電線が傷ついて漏電した場合、モール全体に電圧がかかり、触れた人が感電する恐れがあります。

そのため、使用電圧が300V以下の場合はD種接地工事(アース)の施工が法令・技術基準で定められています。モールの末端や専用のアース端子部から確実にアース線を施工してください。

③ 許容電線数(占有率)を守る

メタルモール内に電線を詰め込みすぎると、施工時に被覆を傷つけるだけでなく、電線から発生する熱がこもって許容電流が低下します。

内線規程等に定められた収容本数の制限(断面積の制限)を守り、余裕を持った配線を行いましょう。

④ 施工に必要な工具を揃えておく

プラモールのようにモールカッター1本で切れるわけではありません。現場には以下の工具を用意して臨みましょう。

  • 金ノコ(ハックソー)または配線モール用金属カッター

  • 金属用ヤスリ(または丸ヤスリ・リーマー)

  • インパクトドライバー(ベース固定用)

  • 保護メガネ・作業手袋(金属粉やバリによる怪我防止)

4. メタルモール施工の基本的な手順

  1. 墨出し・採寸:配線ルートを確認し、壁面や天井に墨出しを行います。必要なモールの長さを測定します。

  2. 切断とバリ取り:モールを必要な長さに切断し、切断面の内側・外側のバリを徹底的に除去します。

  3. ベースの固定:ビスやプラグを用いて、ベースを構造体にしっかり固定します。

  4. フィッティングの設置:コーナー部や分岐部に各種フィッティングを取り付けます。

  5. 通線・アース施工:ベース内に電線を通し、定められた箇所にD種接地線を施工します。

  6. カバーの取り付け:カバーをベースに嵌め込み、隙間や浮きがないか確認して完了です。

5. まとめ

メタルモールは、高い強度と安全性を備えた優れた配線資材ですが、「正確なカット」「丁寧なバリ取り」「確実な接地工事」という基本を怠ると、一転して重大な事故を引き起こす原因になります。

新人のうちは、施工のスピード以上に「バリが残っていないか」「アースは確実に落ちているか」といった安全・品質のチェックポイントを意識することが大切です。

正しく確実な施工手順を身につけ、現場で信頼される電気工事士を目指しましょう。

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