
接地抵抗測定の方法と測定器の使い方|正確な測定で安全を確保する
接地工事(アース工事)を行ったあと、必ず実施しなければならない作業が「接地抵抗測定」です。 アースを施工していても、接地抵抗値が基準を満たしていなければ、感電防止・漏電遮断器の動作・設備保護といった本来の役割を果たせません。 本記事では、接地抵抗測定の基本原理から、測定器の使い方・正しい測定手順・注意点までを、初心者にも分かりやすく解説します。
接地抵抗測定とは?
接地抵抗測定は、アース(接地)と大地の間で電気がどれだけ流れやすいかをΩ(オーム)で測定し、その値が小さいほど異常電圧や漏電電流を安全に地面へ逃せることを示します。
接地抵抗の基準値(代表例)
接地種別 | 基準値 |
|---|---|
D種接地工事 | 100Ω以下 |
C種接地工事 | 10Ω以下 |
B種接地工事 | 規定計算による |
A種接地工事 | 10Ω以下 |
一般住宅・家電ではD種接地(100Ω以下)が基本です。
接地抵抗測定の原理(3極法)
もっとも一般的な測定方法は3極法(3ポイント法)です。
接地極(測定対象)
補助接地極P(電圧測定用)
補助接地極C(電流供給用)
人工的に電流を流し、この3点で抵抗値を算出します。
必要な測定器と道具
接地抵抗計(本体/表示部)
測定コード(E・P・C)
補助接地棒 2本
ハンマー(打設用)
デジタル式が主流で、簡単&確実に測定できます。
接地抵抗測定の手順
電源と安全の確認
測定対象の電源OFF
漏電がないことを確認
雨天・雷時の作業は避ける
補助接地棒の打ち込み
接地極から直線状に設置。C極は約10~20m先
P極は接地極とC極の中間
湿った土壌が適しています
測定コードの接続
端子
接続先
E
接地極(測定対象)
P
補助接地棒P
C
補助接地棒C
接触不良は測定誤差の原因になるため注意してください。
測定の実施
レンジを設定してボタンを押す
数秒で数値を確認
基準値を超えていないか確認
数値の安定性をチェック
P極を前後させて変化を確認。大きく変動する場合は補助棒の位置や地盤条件を見直しましょう。
よくあるミスと注意点
補助接地棒の距離不足
距離が足りないと正確な測定ができません。乾燥地・砂利での測定
乾燥していると高い数値が出たり、測定不能となる場合があります。
必要に応じて散水を行いましょう。接地線を外さず測定
機器につながったままでは正確な値が出ません。測定時は単独接地にします。
基準値超過時の対策例
接地棒の本数追加
打設位置の変更
接地極の長尺化
土壌改良材の活用
妥協せず基準値を必ず守りましょう。
接地抵抗測定は「安全の証明」。
測って初めて安全です。
まとめ
正しい手順・測定器で確実に実施
数値の確認と記録を丁寧に
感電・火災・設備故障予防に直結
電気工事や設備保守現場では、接地抵抗測定を忘れず「安全」を証明しましょう。
小原 一馬
経営企画室
