
キュービクル選定の要:CB形とPF・S形の違いを徹底解説
キュービクルの主遮断方式には「CB形」と「PF・S形」があり、受電容量や用途で使い分けます。 CB形は真空遮断器(VCB)を用い、主に300kVA超の大規模施設に最適です。初期費用は高いですが、事故後の復旧が容易で精密な保護が可能です。一方、PF・S形は負荷開閉器(LBS)とヒューズを組み合わせた方式で、300kVA以下の小規模施設に多く、安価でコンパクトなのが利点ですが、復旧にはヒューズ交換が必要です。 施設規模や予算、重要度に応じた最適な選定が求められます。 詳細は:https://www.reformhiyo.com/cubicle/
1. はじめに:なぜ「方式の選定」が重要なのか
高圧受電設備は、電力会社から供給される6,600Vの電圧を、施設内で使用できる100Vや200Vに変換する装置です。万が一、内部で事故(短絡や地絡)が発生した場合、その影響が電力会社の系統(配電線)に波及し、近隣一帯を停電させる「波及事故」を防ぐ役割も担っています。
この「事故遮断」をどのように行うかによって、CB形とPF・S形に分かれます。この選択を誤ると、初期投資が無駄に膨らんだり、逆に将来の増設時に設備全体を入れ替える手間が発生したりするため、業者様による的確な提案が求められます。
2. CB形(遮断器形)とは
CBとは「Circuit Breaker(真空遮断器:VCB)」を主遮断装置として使用する方式です。JIS C 4620(鋼製キュービクル式高圧受電設備)にて定義され、主に比較的大規模な設備(受電容量が300kVA超)で採用されます。
【構造と仕組み】
検知: 変流器(CT)や零相変流器(ZCT)が過電流や地絡を検知します。
判断: 保護継電器(OCRやDGR)が異常を判断し、トリップ信号を送ります。
遮断: 真空遮断器(VCB)が物理的に接点を切り離し、電流を遮断します。
CB形のメリット
復旧が容易: 事故原因を取り除けば、スイッチ一つで再投入が可能。ヒューズのように部品交換の必要がありません。
高度な保護: 継電器の設定により、過負荷、短絡、地絡など、きめ細やかな保護調整が可能。
大容量に対応: 数千kVA規模でも対応できます。
長寿命: 適切なメンテナンスで高い信頼性が維持できます。
CB形のデメリット
コストが高い(VCB、CT、ZCT、継電器、制御電源等が必要)
構造が複雑で、盤内配線や点検項目が多い
サイズが大きくなる傾向
3. PF・S形(パワーヒューズ・負荷開閉器形)とは
PF・Sは「Power Fuse(高圧電力ヒューズ)」と「Switch(高圧交流負荷開閉器:LBS)」を組み合わせて使用する方式です。受電容量300kVA以下の小規模~中規模設備で広く採用されています。
【構造と仕組み】
負荷開閉: 通常時はLBS(負荷開閉器)で送電・停止。
事故遮断: 短絡事故時にはPF(電力ヒューズ)が溶断し物理的に回路を切断。
ストライカ連動: ヒューズが切れた際、ストライカがLBSを叩き3相共に遮断(欠相防止)。
PF・S形のメリット
低コスト・シンプルな構成
省スペースでコンパクト
短絡事故への高い遮断能力(限流作用)
メンテナンスが容易
PF・S形のデメリット
ヒューズが切れると復旧に交換作業が必要
過負荷保護に弱い(細かな調整ができない)
微小地絡保護精度がCB形に劣る
4. CB形とPF・S形の比較表
比較項目 | CB形(遮断器形) | PF・S形(ヒューズ形) |
|---|---|---|
主遮断装置 | 真空遮断器(VCB) | LBS+電力ヒューズ(PF) |
適用容量(目安) | 300kVA超(必須は4000kVA以上) | 300kVA以下(実務上は500kVA以下) |
初期費用 | 高い | 安い |
復旧性 | スイッチ操作のみ(容易) | ヒューズ交換が必要(手間) |
保護機能 | 非常に高い(継電器による詳細設定) | 高い(短絡保護に特化) |
寿命・メンテナンス | 長寿命だが点検項目が多い | シンプル・ヒューズの劣化管理が必要 |
省スペース性 | 劣る(大型化しやすい) | 優れる(コンパクト) |
5. 現場での選定基準:どちらを提案すべきか?
設置業者として推奨方式は、単に容量だけでは決まりません。次の点を重視してください。
受電容量による法的・技術的制約:
多くの指針で300kVA以下はPF・S形が標準。500kVA以下ならPF・S形も可能ですが、将来的な増設予定があればCB形を初期提案するのが賢明です。施設の重要度と復旧スピード:
データセンター・病院・工場など停電時間が許されない施設ではCB形推奨。ヒューズ在庫切れや交換作業の遅れによるリスク低減が重要です。設置スペースの制約:
搬入経路や設置面積が限られた現場では、PF・S形のコンパクト性が有利。予算とランニングコスト:
小規模店舗など安価な導入にはPF・S形が適しますが、過負荷頻発が想定される場合はCB形の方が最終的なコストが下がる場合も。
6. 施工・メンテナンス時の注意点
PF・S形のヒューズ劣化: 長期運用や熱サイクルで劣化。外見変化がなくても10〜15年毎の交換を顧客に勧めることが大切です。
CB形の蓄電池管理: トリップ用蓄電池が劣化していると遮断器が動作せず波及事故のリスク。定期点検時の電圧チェックが必須です。
VCBの注油・動作確認: 可動部分が多いため、長期未稼働だとグリス固着で動作不良リスク。定期点検時の空打ち試験は欠かせません。
7. まとめ
CB形とPF・S形、どちらが優れているかではなく、「その施設にとってどちらが最適か」を見極めるのがプロの仕事です。
CB形: 高機能・高信頼・大容量向き
PF・S形: 経済的・コンパクト・小容量向き
顧客のライフサイクルコストや事業継続性を考慮した提案で、業者様への信頼はより強固なものとなります。キュービクルの更新や新設のご不明点、見積比較などは、専門知識のあるパートナーと連携し対応しましょう。
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