
キュービクルの最適な設置場所とは?
キュービクル設置場所の選定は、初期費用と将来のメンテナンス・更新コストを左右する重要事項です。 理想は**「1階屋外かつ電力会社の引込み口に近い場所」**です。配線距離を短縮して工事費と故障リスクを抑え、大型車両を横付け可能にすることで、数十年に一度の更新時のレッカー費用を削減できます。逆に建屋裏や屋上、搬入口の狭い屋内への設置は、作業困難による追加コストを招くため避けるべきです。将来の入れ替えまで見据えた、アクセス性の高い場所選びが建物の資産価値を守ります。 【ご相談】 小川電機株式会社 担当:前田(1級電気施工管理技士) フリーダイヤル:0120-855-086(平日9:00〜17:00)
【電気の心臓部】キュービクルの最適な設置場所とは?
〜コスト・安全性・将来のメンテナンスを左右する配置の鉄則〜
私たちの生活や事業活動を支える大きなエネルギー、それが電気です。ビルや工場、大規模な店舗など、大量の電気を使用する施設には、電力会社から届く高い電圧(6,600Vなど)を施設内で使える電圧(100Vや200V)に変換する「受変電設備」が必要不可欠です。この設備を収めた金属製の箱を「キュービクル(キュービクル式高圧受変電設備)」と呼びます。
キュービクルはいわば建物の「心臓」です。一度設置すると数十年単位で使用し続けるものであり、その設置場所の選択は、初期の建築・設備コストだけでなく、稼働後の安全性や将来の更新(入れ替え)コストにまで多大な影響を及ぼします。
本コラムでは、キュービクルを設置する際に絶対に押さえておきたい「最適な場所」の選び方について、現場のプロの視点から詳しく解説します。
1. 電力会社の幹線と「引込み口」の距離を最短に
まず第一の鉄則は、**「電力会社の幹線(電柱など)が通っている場所から、敷地内の受電地点までの距離を短くすること」**です。
キュービクルは、電力会社の電柱から高圧ケーブルを引き込んで接続します。この「引込み口」からキュービクルまでの距離が長くなればなるほど、以下のようなリスクとデメリットが生じます。
工事費用の増大: 高圧ケーブルは非常に高価であり、敷設距離が伸びれば材料費だけでなく、それを守るための配管工事や土木工事の費用も跳ね上がります。
電圧降下の影響: 距離が長すぎると電気のロスが生じ、効率が悪くなる可能性があります。
トラブルのリスク: ケーブルの総延長が長いほど、経年劣化による漏電や事故の発生ポイントが増えることになります。
理想は、敷地の入り口付近や、道路に面した電力会社の電柱から最短距離で結べる位置に設置することです。
2. 「1階屋外」かつ「車両が横付けできる場所」が理想
設置場所の「階層」と「アクセス性」は、運用面で極めて重要です。結論から言えば、**「1階の屋外で、大型車両がすぐ横に停車できる場所」**がベストです。
なぜ「車両の横付け」が重要なのでしょうか。 キュービクルは非常に重量のある精密機械です。設置時にはユニック車(クレーン付きトラック)などで吊り上げて据え付けます。また、数年に一度の精密点検や、20年前後で訪れる機器の更新(リプレース)作業では、大きな部品や筐体そのものを運び出す必要があります。
1階屋外のメリット:
特殊な揚重機を使わずに搬入・搬出ができる。
換気が自然に行えるため、機器の過熱を防ぎやすい。
火災発生時などの消防活動や、緊急時のメンテナンスが容易。
「とりあえず空いているスペースに」という安易な理由で場所を決めてしまうと、将来の自分たちに大きなツケを回すことになります。
3. 「建屋の裏手」や「屋上」は避けるべき理由
設計上の都合で、キュービクルを屋上や建物の裏手の狭いスペースに配置するケースが見受けられますが、これは可能な限り避けるべきです。
■ レッカー作業によるコスト増
建物の裏手や奥まった場所に設置してしまうと、通常のトラックでは進入できず、道路から建物越しに吊り上げるための「大型レッカー車」の手配が必要になります。 このレッカー費用は決して安くありません。1回の作業で数十万円の追加費用がかかることも珍しくなく、更新作業のたびにこのコストが重くのしかかります。
■ 屋上設置の落とし穴
屋上設置は、土地を有効活用できるというメリットがある反面、以下のデメリットがあります。
塩害や風雨の影響: 遮蔽物がないため、錆や腐食が進みやすい。
防水リスク: ケーブル貫通部からの雨漏りリスク。
更新時の難易度: 道路から届くクレーンの能力に限界がある場合、分解して運ぶなどの特殊な工法が必要になり、工期もコストも膨らみます。
4. 室内設置(電気室)の場合の絶対条件
都市部のビルなどで、どうしても屋外にスペースが確保できず、室内に設置する「屋内型」を選択する場合もあります。この時に最も注意すべきは**「搬入口のサイズ」**です。
■ 完成品が通れるルートの確保
最も理想的なのは、**「キュービクルが完成品のまま通過できるサイズの入口が、外部と直結していること」**です。
もし入口が小さく、完成品の出し入れができない場合は、以下のような事態を招きます。
現地組立て・分解: キュービクルをバラバラにして運び込み、室内で組み立てる必要があります。これには高度な技術と膨大な工数がかかり、工賃が跳ね上がります。
メンテナンス性の低下: 内部が狭いと、点検作業に支障をきたし、万が一の事故の際に迅速な対応が難しくなります。
更新時の絶望的なコスト: 数十年後の更新時に、「壁を壊さないと出せない」という事態に陥っているケースが実際にあります。
室内設置を検討する際は、必ず「将来この箱を丸ごと入れ替えることができるか?」というシチュエーションを想定し、十分な搬入動線と開口部を確保してください。
5. まとめ:将来を見据えた「場所選び」を
キュービクルの設置場所を選ぶ際の優先順位をまとめると、以下のようになります。
【最適】1階屋外・道路沿い: 工事費が安く、メンテナンス・更新もスムーズ。
【良好】1階屋外・車両横付け可: 将来のコストを抑えられる現実的な選択肢。
【注意】室内(広口): 搬入ルートさえ確保されていれば運用可能。
【回避推奨】屋上・建屋裏・狭い室内: 初期費用だけでなく、将来の維持・更新費用が数倍に膨らむリスクがある。
電気設備は「置いて終わり」ではありません。設置したその日から、次の更新に向けたカウントダウンが始まっています。20年後、30年後の担当者が頭を抱えることのないよう、長期的な視点で最適な場所を選定しましょう。
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前田 恭宏
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