
非常用発電機の寿命はいつ?耐用年数と「6年に1度の負荷試験」免除の条件を徹底解説
非常用発電機の法定耐用年数は15年ですが、適切な管理で実用寿命は20~30年に伸びます。運用負担の大きい「負荷試験」は、消耗品交換などの予防保全を行うことで「6年に1回」へ周期延長が可能。また、試験困難な現場では「内部観察」による代替も認められています。 いざという時に動かないリスクを防ぐため、正しい点検と部品供給状況を見据えた更新計画が重要です。負荷試験の免除規定やメンテナンス、更新のご相談は、小川電機株式会社(担当:前田/0120-855-086)までお気軽にご連絡ください。
非常用発電機の寿命はいつ?耐用年数と「6年に1度の負荷試験」免除の条件を徹底解説
災害大国・日本において、ビルや商業施設、病院などに設置が義務付けられている「非常用発電機」。 「設置はしているけれど、実際に動くかどうか不安」「古くなってきたけれど、いつ交換すべきかわからない」といったお悩みをお持ちの施設管理者様は少なくありません。
いざという時に動かなければ、人命に関わる大きなリスクとなります。しかし、高額な設備であるため、頻繁に買い替えることも現実的ではありません。
今回は、非常用発電機の**「耐用年数(寿命)」について、法的な定義と実際の寿命の両面から解説します。また、運用の大きな負担となる「負荷試験」のルールや、免除(代替)方法**についても詳しく掘り下げていきます。
1. 「法定耐用年数」と「実用耐用年数」の決定的な違い
非常用発電機の寿命を考える際、2つの異なる「寿命」を理解する必要があります。それは**「法定耐用年数」と「実用耐用年数」**です。
① 法定耐用年数(税法上の寿命)
これは国税庁が定めた減価償却期間のことです。あくまで税務処理上の基準であり、機械としての限界を示すものではありません。
一般的な非常用発電機:15年
多くの企業では、この「15年」を一つの目安として更新計画を立てますが、15年経過した瞬間に壊れるわけではありません。
② 実用耐用年数(物理的な寿命)
実際に機械として稼働できる期間です。設置環境やメンテナンス状況に大きく左右されますが、一般的には以下の期間が目安とされています。
適切なメンテナンスが行われている場合:20年~30年
実は、非常用発電機は一般的なエンジン機器(自動車など)に比べて稼働時間が極端に短いため、摩耗による劣化は少ないのが特徴です。しかし、**「動かさないことによる劣化(固着や腐食)」**が最大の敵となります。適切なメンテナンスさえ行っていれば、法定耐用年数の倍近く稼働させることも技術的には十分可能です。
2. 寿命を縮める原因と必須メンテナンス
「30年もつはずが、10年で動かなくなった」 こうしたケースの殆どは、メンテナンス不足が原因です。非常用発電機は「設置して終わり」ではありません。
放置すると起きるトラブル
バッテリー上がり・劣化: いざという時にセルが回らない(始動不能No.1の原因)。
燃料(軽油・重油)の酸化・腐敗: 燃料噴射ポンプの目詰まりを引き起こす。
冷却水漏れ・ゴム類の硬化: オーバーヒートの原因。
潤滑油(オイル)の劣化: エンジン内部のサビや焼き付き。
必要な点検サイクル
消防法では、半年に1回の「機器点検」と、1年に1回の「総合点検」が義務付けられています。これに加え、消耗品(オイル、冷却水、バッテリー、フィルター類)をメーカー推奨時期に合わせて交換することが、寿命を延ばす唯一の方法です。
3. 頭を悩ませる「負荷試験」とは? 2018年の法改正を整理
非常用発電機の維持管理で最もコストと手間がかかるのが、消防法で定められた**「負荷試験」**です。
そもそも負荷試験とは?
発電機に模擬負荷装置(ヒーターなど)を接続し、定格出力の30%以上の負荷をかけて30分間連続運転させる試験です。これにより、「エンジンの中にカーボン(煤)が溜まっていないか」「実際の負荷に耐えられるか」を確認します。
以前は「1年に1回」の実施が義務付けられていましたが、コストや手間の問題から実施率が低迷していました。そこで、平成30年(2018年)6月に消防庁より法改正(公布)が行われ、要件が緩和されました。
現在の基本ルール
原則: 1年に1回の負荷試験が必要。
緩和措置: 「予防的な保全策」が講じられている場合、負荷試験の周期を「6年に1回」に延長できる。
この「予防的な保全策」とは、以下のような消耗品部品を定期的に交換・点検確認することを指します。
予熱栓(グロープラグ等)
点火栓(スパークプラグ)
冷却水(不凍液等)
潤滑油(エンジンオイル)
燃料フィルター
潤滑油フィルター
ファンベルト
冷却水用等のゴムホース
燃料タンク(サビや水の混入確認)
始動用蓄電池(バッテリー)
つまり、しっかり消耗品交換(メンテナンス)を行っている施設であれば、高額な負荷試験は毎年行う必要はなく、6年に1回で済むようになったのです。
4. 「6年に1回の負荷試験」を免除(代替)する方法
ここからが重要なポイントです。「6年に1回すらも負荷試験を行いたくない(または実施が困難)」というケースがあります。例えば、屋上に設置されていて模擬負荷装置の搬入ができない場合や、騒音の問題で長時間運転ができない場合です。
この場合、負荷試験の代わりに**「内部観察(内部点検)」**を行うことで、義務を果たすことが可能です。
内部観察等とは?
エンジンを分解、またはファイバースコープ等を使用して、シリンダー内部や過給機、燃料噴射弁などの状態を直接目視確認する方法です。
【負荷試験免除(代替)のスキーム】 本来、負荷試験の目的は「未燃焼ガスによって堆積したカーボンの除去・確認」にあります。 したがって、以下のいずれかの方法を取れば、負荷試験は免除(代替)されます。
分解点検・内部観察を行う 専門技術者がシリンダーヘッド等を外し、内部のピストンやバルブの状態を確認します。カーボンが堆積していなければ「健全」とみなされます。
運転性能の維持に係る予防的な保全策(消耗品交換等)の徹底 先述した消耗品の交換に加え、インジェクター等の重要部品のメンテナンス記録が厳格に管理され、メーカーが指定する推奨交換時期通りに部品交換が行われている場合、内部観察と同等の措置として認められる場合があります(※所轄消防署への確認が必要です)。
結論として: 負荷試験装置の搬入が物理的に不可能な現場や、近隣環境により実負荷運転ができない現場では、この**「内部観察」**を選択することで、法令順守が可能となります。
5. 本当の「交換時期」を見極めるには
法的寿命と物理的寿命、そして点検のルールを見てきましたが、最終的に「いつ新品に入れ替えるべきか」の判断基準はどこにあるのでしょうか。
最大の目安は**「部品供給の終了(生産中止)」**です。
エンジンや発電機メーカーは、製品の生産終了(ディスコン)から一定期間(通常10年〜15年程度)で補修部品の供給を停止します。 どれだけエンジン本体が丈夫でも、たった一つの電子基板やパッキンが手に入らなければ、修理不能となります。
設置から20年を超えている。
メーカーから部品供給終了のアナウンスが出ている。
修理見積もりを取ったら、新品購入の半額近い金額になった。
これらに該当する場合は、延命措置よりも更新(リニューアル)を検討すべきタイミングと言えます。
まとめ:安心できる運用は「正しい点検」から
非常用発電機は、火災発生時にスプリンクラーや排煙設備を動かすための「最後の砦」です。 法定耐用年数(15年)を過ぎても使用することは可能ですが、それはあくまで「適切なメンテナンス」と「法令に基づいた点検(負荷試験または内部観察)」が行われていることが前提です。
現在の発電機の状態がわからない。
負荷試験をずっとやっていない気がする。
6年に1回の負荷試験の時期だが、コストを抑えたい。
内部観察で済ませたいが、やり方がわからない。
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ専門家にご相談ください。 法令改正に対応した最適なメンテナンスプランや、更新のタイミングについて、プロの視点からアドバイスさせていただきます。
非常用発電機の点検・負荷試験・更新工事ならお任せください
小川電機株式会社 担当:前田(1級電気施工管理技士) フリーダイヤル:0120-855-086 (まずはお気軽にご連絡ください)

前田 恭宏
前田です
