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非常用発電機の「火災停電時」と「一般停電時」て何?をわかりやすく説明します!

非常用発電機の「火災停電時」と「一般停電時」て何?をわかりやすく説明します!

26/04/23 16:52

非常用発電機には「火災停電時(消防用設備)」と「一般停電時(生活・業務設備)」の2つの役割があり、これらを切り分けることが重要です。 理由は、消防法により火災時の消火活動を最優先させる義務があることと、全設備の一斉稼働を防ぎコストを最適化するためです。地震等の自然災害は「一般停電」に該当し、設計次第では照明等が使えない事態も起こります。安全とBCP対策の両立には、現場に即した適切な回路設計と点検が不可欠です。

非常用発電機の「火災停電時」と「一般停電時」とは?分かりやすい解説

ビルや工場の管理運営において、電気はまさに「生命線」です。しかし、地震や台風といった自然災害、あるいは予期せぬ火災によって電気が途絶えたとき、建物の安全を守るのは「非常用発電機」の役割です。

多くのオーナー様や管理担当者様から「非常用発電機なら、停電すれば何でも動かせるのではないか?」という質問をいただきます。しかし、実は非常用発電機の設計において「火災停電時」と「一般停電時」の負荷(使う電気の設備)を明確に分けて考えることは、法律的にも安全面でも極めて重要なポイントなのです。

今回は、1級電気施工管理技士の視点から、この「負荷の使い分け」の必要性について詳しく解説します。


1. 「火災停電時」と「一般停電時」の違いとは?

まず、それぞれの言葉が指す状況を整理しましょう。

① 火災停電時(非常用負荷)

建物内で火災が発生し、それによって商用電源(電力会社からの電気)が遮断された状態です。この時に動かさなければならないのは、「消防用設備」です。

  • 主な負荷:消火ポンプ、スプリンクラー、排煙機、非常用エレベーター、自動火災報知設備など

  • 目的:消防隊の活動を助け、入居者の避難時間を稼ぎ、被害を最小限に食い止めること

② 一般停電時(保安負荷・業務負荷)

火災ではなく、台風、雷、地震、あるいは電力会社の送電網トラブルなどで電気が止まった状態です。

  • 主な負荷:照明(一部)、コンセント、冷蔵庫、サーバー、給水ポンプ、空調(一部)など

  • 目的:停電中も最低限の生活や業務を継続させること(BCP対策)


2. なぜ、この2つを明確に分ける必要があるのか

「どちらも停電なのだから、一つの大きな発電機で全部まとめて動かせばいい」と考えがちですが、そこには「消防法」と「物理的な容量」という2つの大きな壁があります。

  • 理由①:消防法による厳格なルール
    消防法では、火災が発生した際に消火ポンプなどの消防用設備が「確実に」動くことを求めています。もし、一般停電用の設備(エアコンや事務用PCなど)と同じ回路で動かしていた場合、一般設備側のショートや過負荷でブレーカーが落ち、肝心の消火ポンプが動かないという事態が起こり得ます。
    消防法上の「非常電源」として認められるためには、火災時に消防負荷へ最優先で電力を供給できる仕組みが必要なのです。

  • 理由②:発電機容量(サイズ)とコストの問題
    すべての設備を一度に動かそうとすると、発電機のサイズは非常に巨大なものになり、設置スペースもコストも膨大になります。

    • 火災時:生活用の設備を止めてでも、消防設備を動かす。

    • 一般停電時:消防設備は動かさず(火災ではないため)、生活・業務用の設備を動かす。

    このように「モード」を切り替える設計にすることで、発電機のサイズを適正化し、経済的な運用が可能になります。


3. 消防法から見た「非常用発電機」の役割

消防法において、特定防火対象物(不特定多数の人が出入りする建物など)には、消防用設備を動かすための非常電源の設置が義務付けられています。

重要:「消防法上の非常電源」は、火災時に確実に動作し、かつ一定時間(30分〜60分以上など)供給し続けなければならない

一方で、自然災害による停電への備えは、主に「建築基準法」や、事業者独自の「BCP(事業継続計画)」の領域になります。消防法はあくまで「火災から命を守る」ことに特化しているため、一般停電用の負荷については言及していません。つまり、「法律で守らなければならない範囲(消防負荷)」と「事業を守るために必要な範囲(一般負荷)」を混同してはいけないのです。


4. 「自然災害の停電」は、実は「一般停電」扱い

ここが誤解されやすいポイントですが、地震や台風による停電は、建物内で火災が起きていない限り、システム上は「一般停電」として処理されます。

近年の大型台風やゲリラ豪雨による長時間の停電では、「非常用発電機があるから安心だ」と思っていたのに、実際は「消火ポンプ用の電源しか確保されておらず、照明やトイレのポンプ(給水)が使えなかった」というトラブルが多発しました。

現代のニーズ:防災とBCPの両立
現代の建物管理では、以下の2段構えの設計が主流となっています。

  1. 火災時モード:消防設備を100%稼働

  2. 停電時モード:給水ポンプや一部の照明、通信設備を稼働させ、避難生活を支える

これらを実現するには、制御盤の設計段階で「どの状況でどのブレーカーを活かすか」という高度な電気設計が必要になります。


5. 非常用発電機を運用する上での注意点

せっかく火災時と一般時を分けた設計にしていても、メンテナンスを怠れば意味がありません。

  • 燃料の備蓄:消防法では30分〜60分程度の運転を想定していますが、震災対策(一般停電)としては72時間(3日間)分の燃料が必要と言われています。

  • 負荷試験の実施:2018年の消防法改正により、負荷試験や内部観察点検の基準が変わりました。いざという時に「黒煙を吹いて止まる」「電圧が安定しない」といったことがないよう、プロによる点検が不可欠です。


6. まとめ:安心安全な建物づくりのために

非常用発電機は、普段は静かに眠っている機械ですが、その「中身」は非常に複雑です。

  • 火災停電:命を守るための消防活動(消防法)

  • 一般停電:暮らしと事業を守るための事業継続(BCP)

この両方の視点を持ち、適切に負荷を切り分けた設計・運用を行うことが、これからの建物管理に求められる「本物の防災」です。

「うちの発電機は、停電したときにどこまで動く設定になっているんだろう?」「消防点検で指摘を受けたが、どう改善すればいいか分からない」といった疑問はありませんか?
電気設備は、目に見えない部分にこそリスクが潜んでいます。


非常用発電機・電気設備のご相談は、プロにお任せください

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