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非常用発電機の疑問第2弾

非常用発電機の疑問第2弾

26/05/14 08:08

非常用発電機は、燃料によりメリットや消防法上の「防災認定」が大きく異なります。 液体方式(軽油・重油): 最も一般的で高出力。導入費は抑えられますが、燃料の劣化対策が必要です。(防災認定:〇) ガス方式(都市ガス等): 燃料が劣化せず排気もクリーン。ただし都市ガス単体は供給途絶のリスクから認定不可となる点に注意が必要です。(防災認定:△〜×) デュアル方式: ガスと液体を併用。高コストですが、BCP対策と消防認定を両立できる最強の選択肢です。(防災認定:〇) 施設の用途や予算に合わせ、最適な機種を選びましょう。

非常用発電機の疑問第2弾
種類と選び方 — 燃料別のメリット・デメリットを徹底解説

前回のコラムでは「なぜ非常用発電機が必要なのか」という設置義務について解説しました。今回はその第2弾として、「いざ導入するとなると、結局どのタイプを選べばいいの?」という疑問にお答えします。

非常用発電機は、使用する燃料によって「液体方式」「ガス方式」「デュアルフューエル方式」の大きく3つに分けられます。それぞれコストやメンテナンス性、そして何より「消防法上の防災認定」に大きな違いがあります。施設の特性やBCP(事業継続計画)の目的に合わせて最適な一台を選ぶためのガイドラインとしてご活用ください。


1. 液体燃料方式(軽油・重油)

現在、非常用発電機の中で最も普及している王道のスタイルです。

特徴

ディーゼルエンジンを駆動させ、軽油(またはA重油)を燃料として発電します。特に中〜大規模施設や、高い信頼性を求められる現場で選ばれています。

メリット

  • 高出力・高レスポンス:大きな始動電流が必要なエレベーターや大型ポンプも安定して動かせます。

  • 燃料の入手性:ガソリンスタンドなどで比較的容易に調達でき、備蓄も可能です。

  • 導入コスト:市場に広く流通しているため、製品価格が比較的抑えられています。

デメリット

  • 燃料の劣化:軽油や重油は長期間放置すると酸化・劣化します。定期的な燃料の入れ替えや、劣化防止剤の投入が必要です。

  • メンテナンスの負担:オイルフィルターの交換や、燃料漏れのチェックなど、維持管理に手間がかかります。

消防防災認定について

【認定:○(適合)】
消防法における「自家発電設備」として最も一般的であり、全く問題なく認定を取得できます。


2. ガス燃料方式(LPガス・都市ガス)

近年、環境性能やメンテナンスのしやすさから注目を集めている方式です。

特徴

プロパンガス(LPガス)ボンベや、道路下のガス管(都市ガス)から供給される燃料を使用します。

メリット

  • 燃料が劣化しない:液体燃料と異なり、数年間保存しても燃料自体が変質することがありません。これにより「いざという時に燃料が腐っていて動かない」というリスクを回避できます。

  • 排気がクリーン:窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出が少なく、環境に優しい設計です。

  • 静粛性:ディーゼル車のような独特の振動や騒音が比較的少ない傾向にあります。

デメリット

  • 供給安定性の懸念:都市ガスの場合、地震などの災害時にガス管が破断すると供給が止まってしまいます。

  • 出力の限界:液体燃料方式に比べると、超大型の出力には不向きな場合があります。

消防防災認定について

【認定:△(条件付き、または単体では不可)】
ここが非常に重要なポイントです。「都市ガス単体」の発電機は、消防法上の防災用(スプリンクラー等の動力用)としては原則認められません。なぜなら、災害時にガス供給が止まるリスクがあるからです。
※LPガスボンベを現地に設置するタイプであれば、認定を取得できるケースが多いですが、貯蔵量の制限や法規制を確認する必要があります。


3. デュアルフューエル方式(液体・ガスの併用)

「いいとこ取り」を目指した次世代のハイブリッド方式です。

特徴

通常時は都市ガスなどのガス燃料をメインに使用し、ガス供給が止まった際や始動時には液体燃料(軽油など)に切り替える、あるいは両方を混合して燃焼させる方式です。

メリット

  • 最強のBCP対策:都市ガスが止まっても備蓄している軽油で動かせるため、冗長性が極めて高いです。

  • 長時間運転が可能:ガス供給がある限り運転し続けられるため、長期間の停電にも対応可能です。

デメリット

  • 製品価格が高い:2系統の燃料供給システムを持つため、構造が複雑で初期投資(イニシャルコスト)が高額になります。

  • 設置スペース:ガス設備と燃料タンクの両方が必要なため、広い設置面積を要します。

消防防災認定について

【認定:○(適合)】
液体燃料(軽油等)の備蓄を併設しているため、消防の防災認定を取得することが可能です。都市ガスの利便性と、消防法の厳格な基準を両立できる唯一の選択肢と言えます。


4. 費用と特性の比較一覧表

項目

液体燃料(軽油)

ガス燃料(都市ガス/LP)

デュアルフューエル

導入費用

安価〜普通

普通

高価

メンテナンス

燃料劣化対策が必要

比較的容易

複雑(両方のメンテが必要)

燃料供給

タンク備蓄(配送が必要)

配管供給 / ボンベ

配管 + タンク

非常時の信頼性

高い

ガス管寸断のリスクあり

最高に高い

消防防災認定

OK

NG(都市ガス単体)

OK


5. 失敗しない機種選定のポイント

非常用発電機を選ぶ際、単に「価格」だけで決めてしまうのは危険です。以下の3つのステップで検討することをお勧めします。

  1. 目的を明確にする

    • 「消防法をクリアするためだけ」であれば、最も安価な軽油タイプが第一候補になります。

    • 「データセンターや病院など、絶対に数日間は止められない」というBCP(事業継続)重視であれば、デュアルフューエルタイプが推奨されます。

  2. 維持管理体制を考える

    • 施設に管理人が常駐していない場合、燃料の劣化リスクがある液体燃料タイプは、数年後のトラブルの元になります。その場合は、メンテナンス頻度を下げられるガス系(LPガス等)の検討も有効です。

  3. 設置場所の制約

    • 地下に設置するのか、屋上に設置するのかによって、燃料の搬入経路や防油堤の設置可否が変わります。特に都市部は騒音規制も厳しいため、周囲への配慮も欠かせません。


結論:どれを選ぶべきか?

現在の日本の市場において、最も確実な選択は依然として「液体燃料(軽油)方式」です。コスト・認定・パワーのバランスが取れているからです。しかし、近年では「燃料の入れ替えメンテナンスが面倒」「よりクリーンなエネルギーを使いたい」というニーズから、「LPガス方式」や、高い信頼性を誇る「デュアルフューエル方式」への移行が進んでいます。

特に「消防検査を通さなければならないが、都市ガスを使いたい」という場合は、必ずデュアル方式、あるいは消防認定を受けた特定のLPガスパッケージ機を選ぶ必要があります。この判別を誤ると、建物が完成した後に「消防の検査が通らない」という最悪の事態になりかねません。


専門家への相談が近道です

非常用発電機は、一度設置すれば20年、30年と付き合っていく設備です。また、電気事業法や消防法、建築基準法など、複雑な法律が絡み合っています。

「自社の施設にはどの燃料が最適なのか?」「今の設計で消防認定は取れるのか?」といった疑問がございましたら、ぜひ専門家にご相談ください。


小川電機株式会社
担当:前田(1級電気施工管理技士)
フリーダイヤル:0120-855-086(まずはお気軽にご連絡ください)


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