
ELBとMCBの違いをわかりやすく解説|漏電遮断器と配線用遮断器の役割・使い分け
電気設備に欠かせない保護機器がブレーカーです。住宅の分電盤や工場の配電盤にはさまざまな種類のブレーカーが設置されていますが、その中でも特に重要なのが**ELB(漏電遮断器)とMCB(配線用遮断器)**です。 この2つはどちらも回路を保護する装置ですが、守る対象や動作する原因が大きく異なります。電気工事や設備管理を行ううえで、この違いを理解しておくことは非常に重要です。 この記事では、 • ELBとMCBの違い • それぞれの仕組み • 用途と設置場所 • 選び方と注意点
ブレーカーとは何か
ブレーカーは、電気回路で異常が発生した際に自動的に電気を遮断する安全装置です。主な役割は以下の3点です。
過電流から電線を守る
短絡(ショート)事故を防ぐ
漏電による感電・火災を防ぐ
目的に応じて複数種類のブレーカーが使われ、代表的なのがMCB(配線用遮断器)とELB(漏電遮断器)です。
MCB(配線用遮断器)
MCB(Molded Case Circuit Breaker:配線用遮断器)は、以下2つの異常を検知し回路を遮断します。
過電流保護
容量以上の電流が流れると電線が過熱し火災になる危険があります。MCBは設定電流(例:20A)を超えると自動で遮断します。短絡(ショート)保護
電線同士の接触などで発生する大量の短絡電流を瞬時に検知し遮断します。
主な用途
コンセント・照明・エアコン回路
動力回路
工場設備、住宅分電盤
ELB(漏電遮断器)
ELB(Earth Leakage Breaker:漏電遮断器)は漏電を検知して回路を遮断します。
漏電とは
電線の絶縁劣化
水濡れ
機器の故障・電線被覆破損
これらが原因で電気が本来の回路外(地面)へ流れ、感電や火災の危険性が高まります。
ELBの仕組み
ELBは電流の差(不平衡電流)を監視し、設定値(例:30mA)を超えると遮断します。
主な用途
住宅の主幹ブレーカー
分電盤の漏電保護
屋外・水回り機器
工場設備
ELBとMCBの違い(比較表)
項目 | ELB(漏電遮断器) | MCB(配線用遮断器) |
|---|---|---|
主な役割 | 漏電保護 | 過電流保護 |
検知する異常 | 漏電 | 過電流・短絡 |
感電防止 | 可能 | 不可 |
火災防止 | 可能 | 可能 |
設置場所 | 主幹・漏電保護回路 | 各回路 |
動作電流 | 15mA~100mA程度 | 10A~100A以上 |
なぜELBとMCBを両方使うのか
MCBは電線や設備、ELBは人や火災を守ります。安全確保のため両方必要です。
MCB:過電流・短絡から電線・設備を保護
ELB:漏電から人・火災を防止
よって、住宅の分電盤などでは次の構成が基本です。
主幹:ELB
分岐:MCB
ELBとMCBが一体になったブレーカー
近年では漏電遮断器付きブレーカー(漏電遮断器<過電流保護付>)が普及しており、1台で漏電と過電流両方を保護できます。
ブレーカー選定のポイント(電気工事用)
定格電流
回路容量に合わせて選ぶ照明回路:15A
コンセント:20A
動力:30A以上
漏電感度電流
主な種類:15mA(感電保護)、30mA(一般)、100mA(設備)
住宅は30mAが多いです。遮断容量
短絡電流に耐える能力(2.5kA, 5kA, 10kAなど)。大型施設は高容量が必要。
まとめ
MCB:過電流・短絡から電線を保護
ELB:漏電を検知し感電・火災を防ぐ
適切なブレーカーの組み合わせで電気設備の安全を確保
電気工事や設備管理では、それぞれの役割を把握し適切なブレーカーを選ぶことが重要です。
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