ブレーカーの種類とそれぞれの意味・用途を徹底解説

ブレーカーの種類とそれぞれの意味・用途を徹底解説

25/09/02 16:04

ブレーカーは電気回路の異常(過電流・漏電・短絡など)を検知し、自動で電気を遮断する安全装置です。主な種類には、配線用遮断器、漏電遮断器、安全ブレーカー、主幹ブレーカー、ノーヒューズブレーカー、高圧遮断器、電子ブレーカー、オートブレーカー、モーターブレーカーがあり、それぞれ用途や特徴が異なります。特にモーターブレーカーは工場設備のモーター保護に重要です。正しい選定と理解が電気設備の安全・効率に直結します。

【保存版】ブレーカーの種類とそれぞれの意味・用途を徹底解説

現代社会において電気は生活や産業活動に欠かせない存在です。しかし、電気は便利である一方で、漏電や過電流、短絡(ショート)などのトラブルが発生すると、火災や感電といった重大な事故に繋がる恐れがあります。そうした事故を未然に防ぐために欠かせないのが「ブレーカー」です。

本記事では、私たちの生活や産業で使用されるブレーカーの種類・役割・用途について詳しく解説します。家庭用から産業用まで、幅広い種類のブレーカーを網羅してご紹介。特に**「モーターブレーカー」**も含め、電気設備の安全を守る多様なブレーカーの知識を深めていきましょう。

ブレーカーとは?

ブレーカー(Circuit Breaker)は、電気回路に異常(過電流・短絡・漏電など)が発生した際に、自動的に回路を遮断する保護装置です。家庭では「ブレーカーが落ちた」という表現で馴染みがありますが、その仕組みは非常に重要かつ精密です。

ブレーカーの主な役割は以下の通りです:

  • 過電流保護:許容量以上の電流が流れた場合に遮断。

  • 短絡保護:回路内でショートが起こったときの遮断。

  • 漏電保護:絶縁不良などで電流が外部へ漏れた際の遮断。

  • 機器保護:設備やモーターなどの電気機器の故障を防ぐ。

では、ブレーカーの種類ごとの特徴や用途について詳しく見ていきましょう。

主なブレーカーの種類と用途

1. 配線用遮断器(MCCB:Molded Case Circuit Breaker)

特徴:

  • 樹脂製ケースに収納された構造で、安全性と堅牢性が高い。

  • 過電流・短絡に対して動作。

用途:

  • 家庭や商業施設の分電盤。

  • 空調・照明・コンセント回路などの保護に使用。


2. 漏電遮断器(ELCB/RCD:Earth Leakage Circuit Breaker)

特徴:

  • 漏電(地絡)を検知して電流を遮断。

  • 感電防止や火災予防に効果的。

用途:

  • 台所・洗面所・浴室など水回りの電気回路。

  • 漏電リスクの高い工場設備や仮設電源にも活用。


3. 安全ブレーカー(安全遮断器)

特徴:

  • 各回路(部屋ごとや機器ごと)に設けられる小型ブレーカー。

  • 落ちた回路だけを個別に遮断可能。

用途:

  • 家庭の分電盤やビルの配線。

  • テレビ・電子レンジ・冷蔵庫などの個別回路に使用。


4. 主幹ブレーカー(メインブレーカー)

特徴:

  • 家全体の電力を一括管理。

  • 契約アンペアを超えると自動遮断。

用途:

  • 一戸建てやマンションの電気供給元に設置。

  • 建物全体の過負荷対策。


5. ノーヒューズブレーカー(NFB:No Fuse Breaker)

特徴:

  • 名前の通りヒューズ不要。

  • 過電流時に電磁・熱機構で遮断し、復旧もスイッチ操作のみで可能。

用途:

  • ヒューズ交換が困難な工場や機械設備。

  • メンテナンス性重視の施設。


6. 高圧遮断器(VCB/GCB)

特徴:

  • 高電圧(6600V以上)に対応。

  • 真空(VCB)やガス(GCB)による絶縁・遮断機構。

用途:

  • 発電所・変電所・大規模プラント。

  • 電力会社のインフラ設備。


7. 電子ブレーカー(デジタルブレーカー)

特徴:

  • 電子回路・マイコンで制御され、高精度な動作が可能。

  • 電流使用状況に応じて最適制御。

用途:

  • 商業施設や飲食店など、契約電力を抑えて効率よく電気を使いたい場合。

  • 電気代削減、契約容量の見直しなど。


8. オートブレーカー(自動復帰型ブレーカー)

特徴:

  • 遮断後、自動的に復旧可能な機構を備える。

  • 遠隔監視や無人施設での利用が可能。

用途:

  • 通信機器、基地局、無人監視設備など。

  • 停電リスクを最小化したい場所。


9. モーターブレーカー(モーター保護用遮断器)

特徴:

  • モーター専用に設計されたブレーカー。

  • 過電流、拘束(ロックローター)、過負荷、短絡を検出してモーターを保護。

  • 電磁接触器やサーマルリレーと組み合わせて使用されることが多い。

用途:

  • コンベア、ポンプ、ファン、加工機械などのモーター保護。

  • 工場設備やビルの機械室など、モーターの多い現場で重宝。

メリット:

  • モーターの故障による生産停止を防止。

  • モーター寿命を延ばし、保守コストを削減。

    ブレーカー選定時の注意点

    ブレーカーを選ぶ際には、以下の点をしっかり確認する必要があります:

    1. 定格電流:回路に流れる最大電流に見合った容量か。

    2. 遮断容量:想定される短絡電流を安全に遮断できるか。

    3. 用途:家庭用なのか、産業機器用なのか。

    4. 設置場所:屋外や湿度の高い環境では防塵・防水仕様が求められる。

    5. 復旧方法:遠隔操作が必要か、手動での操作か。

    6. 法令・規格:PSEマーク、JIS、IECなどの認証取得品か確認。

    まとめ

    ブレーカーは、私たちの生活や産業の「電気の安全」を守る最後の砦です。その種類によって、保護対象や遮断の仕組み、用途が大きく異なります。特にモーターブレーカーは、産業分野で多用される電動機を守るための専門的な装置であり、現場の安定稼働に欠かせません。

    ▼本記事で紹介したブレーカーの種類(再確認):

    種類

    主な用途

    配線用遮断器

    一般回路の過電流・短絡保護

    漏電遮断器

    漏電・感電防止

    安全ブレーカー

    各回路ごとの保護

    主幹ブレーカー

    建物全体の電力制御

    ノーヒューズブレーカー

    工場・設備での高い安全性とメンテ性

    高圧遮断器

    発電所・変電所などの高圧設備

    電子ブレーカー

    精密制御と電力効率化

    オートブレーカー

    無人設備・遠隔操作用

    モーターブレーカー

    モーター専用の保護と故障防止

    安全で効率的な電気利用のためには、ブレーカーの知識をしっかり持ち、目的や環境に合った選定が欠かせません。いざというときに備え、今一度ご自宅や職場のブレーカーを点検してみてはいかがでしょうか。


Admin
前田 恭宏
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