
電線の「銅ベース」とは?1トン当たりの銅価格・LME・銅建値を第二種電気工事士向けに解説
電線やケーブルの価格を調べていると、「銅ベース」という言葉を目にすることがあります。 「銅ベースとは何?」 「銅の価格はどこで決まるの?」 「なぜ銅の価格が上がると電線も高くなるの?」 このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 電線は電気工事に欠かせない材料ですが、その価格には銅の価格が大きく関係しています。 特に電材業界では、銅の価格を「1トン当たりいくら」という形で考えることがあり、これが電線価格を理解するうえで重要なポイントになります。 この記事では、第二種電気工事士を目指す方にも分かりやすいように、電線の銅ベース、LME、銅建値、為替、電線価格の関係について解説します。
電線の「銅ベース」とは?
電線の「銅ベース」とは、簡単にいうと、
電線の主な材料である銅の価格を基準として、電線・ケーブルの価格を考えるための指標
です。
電線の内部には、電気を流すための導体があります。
一般的な電線では、この導体に銅が使用されています。
そのため、銅の価格が変動すると、電線やケーブルの材料費にも影響します。
つまり、
銅価格が上がる
↓
電線に使用する銅の材料費が上がる
↓
電線価格にも影響する
という関係があります。
銅ベースは「1トン当たりの価格」で考える
銅の価格を考えるときには、重量が重要になります。
銅の価格は、
○○円/t
のように、1トン当たりの価格で表されることがあります。
ここで覚えておきたいのが、
1トン=1,000kg
ということです。
例えば、銅価格が、
1,800,000円/t
だった場合、
1kg当たりの価格は、
1,800,000円 ÷ 1,000kg = 1,800円/kg
となります。
このように、銅ベースを理解するには、
「1トン=1,000kg」
を覚えておくと便利です。
銅の価格はどこの国で決まる?
「銅価格は日本が決めているの?」
と思う方もいるかもしれません。
世界的な銅価格の代表的な基準となっているのが、イギリス・ロンドンにあるLME(ロンドン金属取引所)です。
LMEは、
London Metal Exchange
の略称です。
銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケルなどの非鉄金属が取引されている世界的な金属取引所です。
LMEの銅公式価格は、世界の銅取引における重要な基準価格として広く利用されています。
ここで注意したいのは、
「イギリス政府が銅の価格を決めている」という意味ではない
ということです。
LMEで世界中の市場参加者が売買を行い、需要と供給などを反映して価格が形成されています。
したがって、
世界的な銅価格の基準
=ロンドンのLMEが重要
と覚えると分かりやすいでしょう。
LMEの銅価格は「米ドル/トン」
LMEでの銅価格は、一般的に、
米ドル/トン(US$/t)
という単位で表示されます。
例えば、
10,000ドル/t
という銅価格なら、
「銅1トンの価格が10,000米ドル」
という意味です。
ここから日本国内の銅価格を考える場合には、もう一つ重要な要素があります。
それが、
為替レート
です。
銅価格には「為替」も関係する
LMEの銅価格は米ドルで表示されるため、日本国内の銅価格を考える場合には、ドルと円の為替相場も重要になります。
例えば、LMEの銅価格が同じ10,000ドル/tだったとしても、
1ドル=100円の場合
10,000ドル × 100円
=
1,000,000円/t
となります。
一方、
1ドル=150円の場合
10,000ドル × 150円
=
1,500,000円/t
となります。
つまり、LMEの銅価格が変わらなくても、円安になると日本円に換算した銅価格が高くなることがあります。
そのため、日本の電線価格を考えるときには、
銅価格+為替
が重要なポイントになります。
「LME価格」と「日本の銅建値」は同じではない
ここは電線価格を理解するうえで非常に重要です。
LMEの銅価格と、日本国内で使われる「銅建値」は同じものではありません。
LMEは世界的な銅価格の基準となる市場です。
一方、日本国内では、LME価格や為替などを考慮しながら、国内の銅価格が形成されています。
そのため、
LME価格
=日本の銅建値
と単純に考えることはできません。
日本国内の銅価格には、LME価格だけでなく、
為替相場
国内の需給
輸送費
市場環境
その他の価格要因
などが関係します。
電線価格は銅価格だけで決まるわけではない
銅は電線の主要な材料ですが、電線価格は銅価格だけで決まるわけではありません。
電線には銅導体のほかにも、
絶縁材料
シース材料
製造コスト
人件費
電力などのエネルギー費
輸送費
為替
その他の原材料費
などが関係します。
そのため、
銅ベースが10%上昇したから、電線価格も必ず10%上昇する
とは限りません。
しかし、銅を大量に使用する電線・ケーブルでは、銅価格の変動が製品価格に大きな影響を与える重要な要素になります。
なぜ太い電線ほど銅価格の影響を受けやすいの?
電線にはさまざまな太さがあります。
例えば、
1.6mm
2.0mm
2.6mm
5.5mm²
8mm²
14mm²
22mm²
38mm²
など、用途によって導体のサイズが異なります。
一般的に導体が太くなるほど、使用される銅の量も増えます。
そのため、
銅の使用量が多い電線ほど、銅価格の変動による影響を受けやすい
と考えることができます。
第二種電気工事士と「銅」の関係
第二種電気工事士の学科試験では、電線や電気工事用材料について学習します。
まず覚えておきたいのが、
銅=導体
という基本的な関係です。
導体とは、電気を流しやすい材料のことです。
電線では、銅が電気を流すための導体として使用されています。
一方、導体の周囲には電気を絶縁するための材料があります。
例えば、
銅線=電気を流す
ビニルなど=電気を絶縁する
という役割分担になっています。
「銅ベース」と「電気工事士の試験」はどう関係する?
「銅ベース」という言葉そのものを、第二種電気工事士の試験で直接計算することは基本的な試験対策ではありません。
しかし、電線について勉強するとき、
なぜ電線に銅が使われているのか?
を理解しておくことは重要です。
そして電気工事の仕事をするようになると、電線の価格を見る機会も増えてきます。
そのとき、
銅価格
↓
銅ベース・銅建値
↓
電線の材料コスト
↓
電線価格
という仕組みを知っていると、電材価格の変動を理解しやすくなります。
銅ベースを簡単に覚える方法
第二種電気工事士を目指す方は、次のように覚えておきましょう。
銅ベース
電線価格に関係する銅の価格を基準にした考え方
1トン
1,000kg
LME
ロンドン金属取引所
LME銅価格
世界的な銅価格の重要な基準
日本の電線価格
銅価格・為替・材料費・製造費・物流費など、さまざまな要素で決まる
【図解】銅ベースから電線価格までの流れ
電線価格の仕組みを簡単にすると、次のようになります。
世界の銅市場
↓
LME(ロンドン金属取引所)
↓
銅の国際価格(米ドル/t)
↓
為替レートなどを反映
↓
日本国内の銅価格・銅建値
↓
電線メーカーの材料コスト
↓
電線・ケーブル価格
この流れを覚えておくと、「なぜ電線価格が変わるのか」が理解しやすくなります。
まとめ|電線の銅ベースを知れば電材価格の仕組みが分かる
電線の「銅ベース」とは、電線やケーブルに使用される銅の価格を基準として、電線価格を考えるための重要な考え方です。
銅価格は重量を基準に、
円/トン
などで表されることがあります。
そして、
1トン=1,000kg
です。
世界的な銅価格の代表的な基準となっているのが、イギリス・ロンドンの**LME(ロンドン金属取引所)です。
LMEでは銅が米ドル/トンで取引され、その価格は世界の銅取引における重要な指標となっています。
日本国内では、LME価格だけでなく、
LME価格+為替+国内の市場環境など
さまざまな要素が国内の銅価格に影響します。
そして銅は電線の導体として使用されているため、
銅価格が変動
↓
電線の材料コストが変動
↓
電線価格にも影響
という関係があります。
第二種電気工事士を目指す方は、まず、
「銅は電線の導体に使われる」
という基本を覚え、そのうえで、
「銅価格は電線価格にも影響する」
と理解しておくとよいでしょう。
電気工事士として仕事を始めた後も、電線・ケーブルなどの電材価格を見る機会は多くあります。
「電線の値段は、なぜ変わるのか?」
その背景を理解するためにも、「銅ベース」「LME」「銅建値」という言葉を知っておくと役立ちます。
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