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銅・鋼板の価格高騰が与える影響と今後の見通し

銅・鋼板の価格高騰が与える影響と今後の見通し

26/05/08 09:12

はじめに:今、何が起きているのか? 2026年に入り、電気工事や設備工事の現場では「見積もりの有効期限が短すぎる」「資材が届かない」といった声がこれまで以上に深刻化しています。 特に、電設資材の主役である「銅」と、分電盤や盤筐体、ケーブルラックに不可欠な「鋼板」の価格高騰は、企業の利益率を直撃する死活問題です。 本記事では、最新の市場データに基づき、なぜ価格が上がっているのか、そして今後どのような対策が必要なのかを徹底的に解説します。

銅価格の歴史的高騰:LMEと国内建値の現状

電線(CVケーブルやVVFケーブル)の価格を左右する最大の要因は、ロンドン金属取引所(LME)の銅相場と為替です。

銅相場が13,000ドルを突破した背景

2026年5月現在、LME銅価格は1トンあたり13,000ドルを超える水準で推移しています。これにはいくつかの複合的な要因があります。

  • 脱炭素(EV・再生可能エネルギー)需要の爆発: 電気自動車や太陽光発電設備には、従来のガソリン車や火力発電の数倍の銅が必要です。

  • 供給網の不安定化: 主要産出国である南米での鉱山ストライキや、中東情勢による物流コストの増大が供給を絞っています。

国内銅建値への影響

国内の銅建値は、LME価格にドル円相場を加味して決定されます。
2026年に入り、円安傾向が継続していることから、国内建値は2,100円/kgを超える異常事態となっています。これは、数年前と比較すると約2倍近い水準です。

鋼板・建材薄板の値上げラッシュとその理由

銅だけでなく、盤メーカーやダクト、ラック関連に欠かせない「鋼板」も値上げの波が押し寄せています。

日鉄鋼板などの主要メーカーによる値上げ

2026年5月、日鉄鋼板を含む国内大手メーカーは、建材用薄板全品種に対して10〜15%の値上げを発表しました。

  • 原材料費の転嫁: 鉄鉱石や石炭の価格高騰。

  • 物流「2024年問題」の余波: 物流コストの増大が2026年現在、より顕著に製品価格に転嫁され始めています。

これにより、現場で多用される「電線管」「ケーブルラック」「プルボックス」などの二次加工品の価格も、今後一段のスライド値上げが予想されます。

電設資材への具体的影響:品薄と納期遅延

価格高騰以上に現場を悩ませるのが、資材の「確保」です。

ケーブル類の納期問題

特に高圧ケーブルや太物(大サイズ)のCVTケーブルにおいて、メーカーの生産調整や材料不足による納期回答の遅延が発生しています。

  • 駆け込み需要: さらなる値上げを恐れた先行発注が、在庫をさらに逼迫させる悪循環を生んでいます。

  • 受注制限: 一部のメーカーでは、新規顧客の受注を制限し、既存ルートのみの供給に絞る動きも見られます。

工事会社・担当者が取るべき「3つの対策」

この不安定な市況を乗り切るために、電設現場で今すぐ実行すべき対策を提案します。

① 見積書の「スライド条項」と「有効期限」の徹底


発注時の価格を固定できないリスクを顧客に丁寧に説明し、契約書に物価変動に伴う価格改定を盛り込むことが不可欠です。

② 設計変更・代替品への柔軟な対応

特定のメーカーや材質にこだわると、工期に間に合わないリスクが高まります。

  • アルミ導体ケーブルの検討: 銅価格高騰対策として、アルミ導体への切り替えを検討する。

  • 樹脂製ボックスの活用: 鋼板不足への対策として、強度を確認した上でプラスチック・樹脂製品へ変更する。

③ デジタル管理による在庫の可視化

「足りないから多めに頼む」という勘に頼った発注は、キャッシュフローを悪化させます。
クラウド型の在庫管理システムなどを活用し、必要な時に必要な分だけを確保できる協力会社との連携を強める時期です。

まとめ:2026年後半の見通し

銅・鋼板ともに、2026年内は高値圏で推移し、大幅な下落は見込みにくいというのが市場の共通見解。

電設資材を扱う私たちにとって、今は「安く売る」ことよりも「確実に届ける」こと、そして「正しい情報を顧客へ伝える」ことの価値が高まっています。
市場の動向を注視し、変化に対して先手を打つことが、厳しい市況を生き抜く唯一の鍵となるでしょう。


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