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電磁接触器とサーマルリレーで「電磁開閉器」になる!

電磁接触器とサーマルリレーで「電磁開閉器」になる!

2026年10月5日

電磁接触器は電磁石の力で大電流回路を遠隔操作・自動で開閉するスイッチです。一方、サーマルリレーは過電流による熱を検知し、過負荷からモーターの焼損を防ぐ安全装置です。 この2つを組み合わせた「電磁開閉器(マグネットスイッチ)」は、日常的な電源のON/OFF制御に加え、異常時には自動で給電を遮断して設備を安全に保護します。 電磁開閉器や各種電材のご購入・商品のご相談は、豊富な品揃えと確かな品質でサポートする電材ゼウスへぜひお任せください。

電磁接触器とサーマルリレーで「電磁開閉器」になる!
仕組みと役割、選定ポイントをわかりやすく解説

工場や機械設備、ビル管理の現場などでよく耳にする「電磁接触器(電磁コンタクタ)」「サーマルリレー(熱動継電器)」「電磁開閉器(マグネットスイッチ)」という電気部品。名前がよく似ているため、「何が違って、それぞれどんな役割を持っているのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、「電磁接触器」に「サーマルリレー」を組み合わせた(ドッキングさせた)機器こそが「電磁開閉器」です。

両者がタッグを組むことで、「スイッチの遠隔・自動開閉」と「モーターなどの設備を焼け焦げから守る保護機能」の両立が可能になります。

この記事では、電気設備・産業機械の初心者の方向けに、電磁接触器とサーマルリレーのそれぞれの役割、合体して電磁開閉器となった際の強力な働きや仕組み、さらには選定時の注意点までわかりやすく解説します。

1. 電磁接触器(電磁コンタクタ)とは?【開閉のプロ】

電磁接触器(略称:MC = Magnetic Contactor)は、電気回路(主にモーターなどの大電流が流れる主回路)を遠隔操作や自動で「オン(通電)/ オフ(遮断)」するためのスイッチです。

電磁接触器

電磁接触器の主な仕組みと原理

一般的にお部屋の照明スイッチは人が手で操作しますが、工場の大型モーターなどを手動スイッチで直接ON/OFFするのは危険であり、自動制御もできません。そこで使われるのが電磁接触器です。

  • 電磁石(コイル)の力で動く
    操作回路(制御回路)から電磁接触器内部のコイルに小さな電気信号を流すと、電磁石が作動します。

  • 主接点を引き寄せる
    電磁石の磁力によって内部の鉄心(可動鉄心)が引っ張られ、太い主接点が接触して回路が閉じ、モーターへ電力が供給されます。

  • 信号が切れるとバネで戻る
    コイルへの通電を止めると電磁石の磁力が消え、戻りバネの力によって接点が離れ、回路が遮断されます。

一般的な「制御用リレー」との違い

電気回路の信号を中継する部品に「リレー(電磁継電器)」がありますが、電磁接触器も基本構造は同じです。違いは「扱う電流の大きさ」にあります。

  • 制御用リレー:数アンペア以下の小電流(信号・制御用)

  • 電磁接触器:数十~数百アンペアの大電流(主回路の駆動用)

電磁接触器は、大電流を遮断するときに発生する強い火花(アーク)を消す仕組み(消弧構造)を備えており、頻繁な開閉動作に耐えられるよう頑丈に設計されています。

2. サーマルリレー(熱動継電器)とは?【過負荷保護のプロ】

サーマルリレー(略称:TH / TR = Thermal Relay)は、過電流(過負荷状態)を検知して、機器(主にモーター)の焼損を防ぐ安全装置です。

サーマルリレー単体では主回路の電流を直接遮断することはできません。あくまで「異常を熱でキャッチし、危険信号を出す」役割を担います。

サーマルリレー

サーマルリレーの主な仕組みと原理

  • バイメタルの屈曲
    膨張率の異なる2種類の金属を貼り合わせた「バイメタル」という部品に、モーターへ流れる電流を通します。

  • 過電流による発熱
    モーターに過度な負荷がかかると(例:機械の噛み込みや軸受けの摩耗など)、通常よりも大きい電流が流れ続けます。するとバイメタルが熱を持ち、大きく湾曲します。

  • 接点の反転(トリップ)
    湾曲したバイメタルが内部の機構を押し、サーマルリレーのb接点(常時閉接点)を開きます。この信号によって後述する電磁接触器のコイル電源を切り、回路を停止させます。

ブレーカー(配線用遮断器)との違い

機器

保護対象

主な保護の目的

配線用遮断器(MCCB)

建物や電線(配線)

ショート(短絡)事故時の大電流による電線発火防止

サーマルリレー

モーター(負荷機器)

じわじわと流れる過負荷電流によるモーター焼き付き防止

ブレーカーは配線全体を守るための「大枠の安全装置」、サーマルリレーはデリケートなモーター本体を守るための「ピンポイントの安全装置」です。

3. 合体して「電磁開閉器(マグネットスイッチ)」になるとどうなる?

電磁接触器(スイッチ機能)の下部にサーマルリレー(過負荷保護機能)を取り付け、電気的に連動させたものが「電磁開閉器(略称:MS = Magnetic Switch)」です。

マグネットスイッチ画像
【 電磁開閉器(マグネットスイッチ) 】
 ┌────────────────────────────────┐
 │ 電磁接触器 (スイッチ・遠隔制御) │
 ├────────────────────────────────┤
 │ サーマルリレー (過負荷保護・安全装置)│
 └────────────────────────────────┘

組み合わせて使用することで実現する「安全な自動運転」のフロー

  1. 起動(通常動作)
    操作盤の「運転ボタン」を押すと、制御回路を通じて電磁接触器のコイルに通電されます。電磁接触器の主接点が閉じ、モーターへ電力が送られて回転を始めます。

  2. 監視(通常運転)
    モーターが回っている間、電流はサーマルリレーの内部を通過します。規定通りの電流であればバイメタルは大きく曲がらず、運転が継続します。

  3. 過負荷の発生(異常時)
    搬送コンベアに物が詰まるなどしてモーターに過剰な負荷がかかると、電流値が上昇します。

  4. 自動遮断とモーター保護(発動)
    サーマルリレーが熱を検知してバイメタルが変形し、トリップ(作動)します。サーマルリレーの信号接点が開き、電磁接触器のコイルへの給電を即座にストップします。

  5. 安全に停止
    コイルの磁力が消えた電磁接触器の接点が開かれ、モーターへの電源供給が遮断されます。これにより、モーターが焼け焦げる前に安全に保護されます。

電磁開閉器を使うメリット

  • 省スペース&配線簡略化
    本来であれば別々の機器を個別に配線・設置するところ、最初から一体化されたユニットとして制御盤内にコンパクトに収まります。

  • モーター焼損リスクの激減
    モーター事故の多くは過負荷による発熱・焼き付きです。電磁開閉器を導入することで、設備の予期せぬ故障による生産ライン停止のリスクを大幅に削減できます。

4. 電磁開閉器・電磁接触器・サーマルリレーの比較まとめ

各機器の違いをひと目で理解できるよう、表にまとめました。

項目

電磁接触器 (MC)

サーマルリレー (TR)

電磁開閉器 (MS)

構成

単体製品

単体製品(MC接続用)

電磁接触器 + サーマルリレー

主な役割

電路の開閉(スイッチング)

過負荷(過電流)の検知

電路の開閉 + モーター過負荷保護

自動遮断機能

なし(指示に従い動くだけ)

なし(接点出力のみ)

あり(過電流時に自己遮断)

主な用途

ヒーター制御、照明制御、単体スイッチ

モーター保護用の検知器

各種産業用モーターの駆動・制御

※ヒーター制御など「過負荷保護が不要で、純粋に電源のオン/オフだけを行いたい場合」は電磁接触器単体で使用されます。一方、モーターのように「負荷変動があり過熱・焼損リスクがある場合」は電磁開閉器を使用するのが一般的です。

5. 選定時に押さえておきたい3つのチェックポイント

電磁開閉器や電磁接触器を新設・交換(型番選定)する際は、以下のポイントを必ず確認しましょう。

  1. 接続する機器(モーター等)の容量と電圧
    モーターの出力(kW)や定格電流(A)、主回路の電圧(AC200V、AC400Vなど)に合ったフレームサイズ(容量区分)を選定する必要があります。容量が不足していると、接点の溶着や早期破損の原因になります。

  2. 操作コイルの電圧(制御電圧)
    電磁接触器を動かすためのコイル電圧の指定が必要です。主回路が3相200Vであっても、制御回路(コイル)が「AC100V」「AC200V」「DC24V」など異なるケースが多くあります。誤った電圧を印加するとコイルの焼損や動作不良を引き起こします。

  3. サーマルリレーのヒータ呼び(設定電流値)
    サーマルリレーには、保護したいモーターの定格電流値に合わせて電流調整ダイヤル(つまみ)が備わっています。適用するモーターの定格電流が、サーマルリレーの調整範囲内に収まっているかを必ず確認してください。

6. まとめ:正しく選定して設備を安全に運用しよう

電磁接触器とサーマルリレーは、それぞれ単体でも重要な役割を持っていますが、これらが組み合わさって「電磁開閉器」となることで、初めてモーターなどの産業設備を安全かつ円滑に遠隔制御できるようになります。

  • 電磁接触器 = 遠隔で電源をON/OFFする「スイッチ」

  • サーマルリレー = 熱を監視して過電流を防ぐ「ガードマン」

  • 電磁開閉器 = スイッチとガードマンが一つになった「安心制御ユニット」

制御盤のメンテナンスや交換作業、新規設備の立ち上げ時には、それぞれの役割を正しく理解した上で最適な型番を選ぶことが大切です。

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