
押釦スイッチの操作用と直入れがあるが、何が違うの?
押釦スイッチには、モーターを直接駆動する**「直入れ用」と、信号を送るだけの「操作用」**があります。 直入れ用は主回路の大きな電流を直接遮断するため、接点が頑丈ですが、高電圧による危険や接点の消耗が課題です。 一方、操作用は**電磁接触器(マグネットスイッチ)**に指令を出す「司令塔」の役割を担います。これにより、低電圧での安全な操作や「自己保持回路」による遠隔制御が可能になります。 両者を間違えると、接点の溶着による事故や接触不良を招くため、用途に応じた適切な選定が不可欠です。
押釦スイッチ「操作用」と「直入れ」—何が違うの?
制御盤や機械でよく見かける押釦(おしぼたん)スイッチには、「操作用」と「直入れ用」があります。一見すると同じボタンのように見えますが、設計や役割には大きな違いがあります。この違いを理解しないと、故障や事故の原因になることもあります。
1. 結論:根本的な違い
「直接モーターなどを動かすのか」
「別の機器へ指令を出すだけか」が大きな違いです。
直入れ用スイッチ:自ら主回路の大きな電流をON/OFFする
操作用スイッチ:小さな信号だけを流し、実際の動作は電磁接触器(マグネットスイッチ)に任せる
2. 電磁接触器(マグネットスイッチ)とは
操作用スイッチで必須になるのが電磁接触器です。大電流を小さなスイッチで安全に制御するための「強力な電気スイッチ」です。
操作用スイッチを押す
電磁接触器のコイルに電気が流れる
主回路の接点が閉じ、大きな電流を流す
モーターが動作
このように、人が触れる部位と大電力を切り離し、安全制御を実現します。
3. 直入れ用スイッチの特徴と結線
大きな電流に耐える堅牢な接点
3極構成が多く、三相電源を直接制御
本体サイズが大きめ
結線例:
[電源] ―― [直入れスイッチ] ―― [モーター]
高電圧・大電流が常に流れるため、感電や短絡リスクが高いです。
4. 操作用スイッチの特徴と結線
微弱な信号電流のみ、接点が小さく精密
多彩な接点構成が選べる
24Vなど低圧で安全に操作可能
結線例:
[電源] ―― [操作用スイッチ] ―― [電磁接触器コイル]
※主電力は別に電磁接触器を通じてモーターへ
5. 使い分ける理由(3つのポイント)
遠隔操作&安全性
細い配線・低電圧で安全に遠隔制御が可能自己保持回路(自動制御)
ボタンを一度押すと自動で回り続ける設計が可能寿命・メンテナンス
頻繁なON/OFFに強い接触器を採用、長寿命化
6. よくある誤用・トラブル事例
操作用スイッチで直接モーター駆動
許容電流超過で接点が溶け、重大事故の原因に直入れ用スイッチで微弱信号制御
接点不良が発生し「押しても反応しない」トラブルが多発
7. 比較表:チェックリスト
項目 | 直入れスイッチ | 操作用スイッチ |
|---|---|---|
主な用途 | モーター直接駆動 | 電磁接触器/PLC操作 |
流れる電流 | 大 | 小 |
主な配線 | モーターへ直結 | 接触器コイル |
メリット | シンプル | 安全・多機能 |
リスク | 安全性低い | 設計が複雑 |
「スイッチのその先に何が繋がっているか」を必ず意識しましょう。
押釦スイッチ1つでも、用途や回路設計によって選定を誤ると重大なトラブルにつながります。スイッチの型式を確認して、その役割を理解し、現場での安全・確実な操作に役立てましょう。
前田 恭宏
前田です
