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**キュービクルの選定方法と容量の決め方**

**キュービクルの選定方法と容量の決め方**

2026年8月19日

キュービクルは、高圧で受電した電気を低圧に変え、建物内へ安全に配電する受電設備です。選定には低圧側の設備容量把握が重要で、単相100Vの照明・コンセント、三相100V/200Vの空調・機械などを確認します。既設更新では年次点検報告書を基に現状維持か増減設かを判断し、必要に応じてトランス容量を見直します。さらに省エネ化を踏まえ、電力会社の1年分の使用実績確認も有効です。新設では全設備容量を整理し、設計に基づき容量と大きさを決定します。

キュービクルの選定方法と容量の決め方

工場、店舗、事務所、集合施設などで高圧受電を行う建物では、「キュービクル」の選定が非常に重要です。キュービクルは、単なる電気受け箱ではなく、建物全体へ安全・安定して電気を供給する中核設備です。そのため、更新でも新設でも、現場条件に合わない容量を選んでしまうと、無駄なコストや将来の増設対応不足、あるいは運用上の不具合につながるおそれがあります。

本記事では、まずキュービクルとは何かを整理し、キュービクル選定の基本となる「低圧側の設備容量」の考え方を解説します。さらに、既設更新と新設の選定ポイントの違いも説明します。

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キュービクルとは何か

キュービクル(正式名称:キュービクル式高圧受電設備)は、電力会社からの高圧電力を受け、必要な低圧へ変圧し照明・コンセント・空調・動力機器等へ配電する設備です。

  • 高圧受電機器

  • 遮断器

  • 変圧器(トランス)

  • 保護継電器

  • 計器類

  • 低圧配電設備

これらが金属製の箱体にまとめて収容されているのがキュービクルです。主に屋外設置・省スペース・管理しやすく安全性も高い設備として利用されます。

高圧受電は、一定規模以上の建物や設備において低圧受電よりも効率的なため採用され、そのままでは使用できない高圧電力をトランスで適切な電圧に変換して供給します。

キュービクル選定で重要なのは低圧側の設備容量

キュービクル選定の基本は、低圧側の設備容量の把握です。どれだけの電気を使うか分からなければ、トランス容量も、仕様も決められません。

  • 1φ(単相)100V:照明、コンセント、事務機器、小型機器など

  • 3φ(三相)100V/200V:空調設備、ポンプ、送風機、工作機械、各種動力設備など

設備の現状と将来の増減も見据え、必要なトランス容量を決定することが重要です。つまり、「箱選び」よりも、まず使う電気の中身を整理することが第一歩となります。

既設更新の場合の選定方法

既設キュービクル更新では、現場で稼働中の設備を正確に把握することが重要です。実務上は主任技術者からの年次点検報告書に基づき確認を進めます。

  1. 現状と同じ設備内容で更新する場合
    設備構成が変わらない場合、基本的に既設通りに選定可能です。現使用トランス容量や受電方式を確認し、それに合わせて計画します。
    ただし、年次点検報告書などで過負荷・絶縁劣化・余裕容量も必ず確認してください。

  2. 設備の増設・減設を伴う場合
    設備容量が増減する場合は、増減後の容量に基づきトランス容量を見直します。例えば空調や製造機械の追加・変更など三相負荷の変化には特に注意が必要です。また、設備銘板だけで判断せず、実際の電気使用実績の確認が重要です。

既設更新では電気使用量の確認が重要

20~30年前の機器より現在の機器は省エネ化が進んでいる場合が多く、実負荷は下がっている可能性もあります。以下のような要因で消費電力が減少していることがあります。

  • 照明のLED化

  • 空調機の高効率化

  • モーター設備の省エネ化

  • 制御機器の更新

  • 待機電力の低減

このため、設備一覧だけでなく電力会社からの1年分の請求書や最大需要電力の傾向も確認し、現状のトランス容量が本当に適正かを見直すべきです。容量が大きすぎれば非効率、小さすぎれば余裕がなくなります。

  • 「既設図面を見る」

  • 「年次点検報告書を見る」

  • 「1年間の電気使用実績を見る」

この3点を合わせて判断することが、適正な選定につながります。

新設の場合の選定方法

新設時は過去実績がないため、建物で使う全設備容量の把握から始まります。単相負荷・三相負荷に分け、照明、コンセント、空調、ポンプ、機械、厨房機器、昇降機など全使用予定設備を漏れなくピックアップします。

担当設計者に依頼し、負荷計算とトランス容量決定を進めてもらいます。
単なる合計だけでなく、使用率・需要率・将来増設・回路構成・受電方式まで考慮しましょう。必要なトランス容量が決まれば、それに応じてキュービクルの大きさ・機器構成・面数・設置条件なども決定します。

新設と既設更新の違い

既設更新

新設

年次点検報告書などから現状設備を確認する

使用する全設備容量を一から把握する

現状維持か、増設・減設かを判断する

単相・三相それぞれの負荷を整理する

既設容量を参考にしつつ、実際の電気使用量も確認する

設計者による負荷計算をもとにトランス容量を決める

省エネ化による負荷低減も考慮する

その容量に応じてキュービクルの大きさや仕様を決定する

まとめると、既設更新は「現状把握と見直し」、新設は「必要容量の積み上げと設計」が中心となります。

まとめ

キュービクルは、高圧で受電した電気を安全に受け、保護し、必要な電圧に変換して建物内へ配電する重要な設備です。選定の基本となるのは「低圧側の設備容量」を正しく把握することです。

既設更新では、主任技術者の点検報告書をもとに現状維持か増減設かを判断し、必要に応じて既設通り、または見直し後の容量で選定します。この際、省エネ化と電力会社の請求書で実際の使用量をチェックしましょう。

新設では、電気を使う全設備容量を把握した上で設計を進め、適切なトランス容量とキュービクルサイズを決めます。

キュービクルの選定は、単に既設に合わせる、大きめを選ぶものではありません。
現場の実態と将来計画に合った適正容量を見極めることが、安全かつ無駄のない受電設備への第一歩です。

必要な資料を丁寧に確認し、更新か新設かに応じた選定方法をとることが失敗しないキュービクル選定のポイントです。


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