
キュービクル新設・交換の概算価格は、標準仕様であれば内部にある変圧器の合計容量(kVA)で大体決まります。容量を把握する際は「電灯」と「動力」に分けるのがポイントです。 一般的に使われる「kW」は実際に消費される電気量ですが、キュービクルではロスを含めた全体の器の大きさである「kVA」という単位を使います。ロスが少ない電灯は「1kW≒1kVA」ですが、モーター等を動かす動力はロスが大きいため「1kW≒1.2〜1.4kVA」で計算します。この合計kVAに見合った適切な容量選びが、費用を抑える第一歩です。
街中のビルや工場の敷地内で、緑色やグレーの大きな金属製の箱を見かけたことはありませんか?あれは「キュービクルの寿命や交換」、あるいは新設の際によく話題に上る「キュービクルの高圧受電設備」です。
キュービクルを新設・交換する際、最も重要になるのが「容量(kVA)」という指標です。特殊な仕様を除けば、標準的なキュービクルの概算価格は、この容量がどれくらいかで大体決まります。
しかし、いざ専門業者に見積もりを依頼しようとしても、「kW(キロワット)とkVA(キロボルトアンペア)の違いが分からない」「電灯と動力って何?」という疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一般の方にも分かりやすいよう、電気の単位の違いから、電灯・動力それぞれの考え方、そして容量から導き出すキュービクルの概算価格の掴み方まで、丁寧に解説します!
キュービクル(正式名称:キュービクル式高圧受電設備)は、発電所から送られてくる6,600Vという高い電圧の電気を、施設内で使える100Vや200Vに変圧する装置です。
このキュービクルの中には、電気を変圧するための「変圧器(トランス)」という心臓部が入っています。この変圧器が「どれだけの電気を一度に処理できるか」を表した規模の大きさを「容量」と呼びます。
キュービクルの価格や規模を知るためには、この容量を「電灯(100V/200V)」と「動力(200V)」の2つの系統に分けて把握することが最大のポイントになります。
電気の単位といえば、家電製品などでよく目にする「kW(キロワット)」がお馴染みですが、キュービクルの容量を話すときは「kVA(キロボルトアンペア)」という単位が使われます。この違いを、一般の方にもイメージしやすいように解説します。
「kW」は実際に消費される「中身の電気」
kW(キロワット)は、「実際に機器が消費して仕事をした電気の量」です。 例えば、1,000W(1kW)のドライヤーを動かすには、1kWの電力が必要です。これは日常生活で最もイメージしやすい「電気の消費量」そのものです。
「kVA」は送り出される「全体の電気(器の大きさ)」
kVA(キロボルトアンペア)は、「変圧器や電線が送り出すことができる、電気全体のボリューム(総量)」を指します。 電気の流れる回路(特にモーターなどを動かす交流回路)では、送り出された電気のすべてが100%効率よく仕事に使われるわけではありません。途中で「ロス(無駄)」が生じます。
コップに注がれたビールで例えると…
液体(実際に飲める部分) = kW(実際に使われた有効な電気)
泡(どうしても出てしまう部分) = 無効電力(ロスした電気)
コップ全体の容積(液体+泡) = kVA(キュービクルが用意すべき全体の容量)
キュービクル(変圧器)は、ロスする分も含めて電気を供給しなければならないため、kWではなく、余裕を持ったコップ全体の大きさである「kVA」という単位で容量が表されるのです。
キュービクルの容量を計算するときは、必ず「電灯」と「動力」に分けて考えます。これらは電気の性質や使う目的が全く異なるからです。
主に一般的な照明、オフィスのコンセント、パソコン、テレビ、家庭用冷蔵庫などで使われる電気
電気の特徴: 比較的スムーズに流れるためロスの割合が非常に少ない
kWとkVAの関係: ロスがほとんどないため、「1kW ≒ 1kVA」と考えて差し支えなし
容量の把握: 「照明やコンセントを使う機器の合計ワット数(kW)」がそのまま必要な変圧器の容量(kVA)に直結
主に工場の大型機械、ビルや店舗の業務用エアコン、エレベーター、大きなポンプなどを動かすための電気
電気の特徴: モーターを力強く回転させるため、起動時や運転時に大きなロスや磁力の影響が発生
kWとkVAの関係: ロスが大きいので「1kW = 1kVA」にならず、一般的には機器に表記されているkW数に対し1.2倍〜1.4倍のkVA容量が必要
(力率:動力はおおむね80%前後)
容量の把握: 例)「総出力50kWの機械群を動かす」なら、動力の変圧器は50kVAでは足りず、60kVA〜75kVAクラスの容量が必要
キュービクルの見積もりを取る際、寒冷地仕様や塩害対策、特殊な遮断器の設置といった「特殊仕様」を除いた「標準仕様」であれば、変圧器の合計容量(kVA)が分かれば、おおよその本体価格(概算価格)を推測することが可能です。
キュービクルの内部には、「電灯用」と「動力用」の変圧器がそれぞれ別々に(あるいは一体型として)組み込まれています。
現在の契約や機器からkVAを算出する
例えば既存のキュービクルの更新なら、変圧器の銘板や電気選任技術者による点検報告書から「電灯:50kVA、動力:105kVA」といった数値が分かります。
電灯と動力のkVAを合算する
例:オフィスビルの場合
電灯用変圧器: 30kVA (照明やオフィスフロアのコンセント用)
動力用変圧器: 75kVA (業務用パッケージエアコンやエレベーター用)
合計容量: 30+75=105kVA
合計kVAの「価格帯」に当てはめる
小規模(〜50kVA程度):個人商店、小さなクリニック、小規模オフィスなど
中規模(50kVA〜200kVA程度):中堅オフィスビル、一般的なスーパー、小規模工場など
大規模(200kVA〜):大型商業施設、本格的な製造工場、病院など
標準仕様のキュービクルであれば、メーカー(パナソニック、河村電器産業、日東工業など)の価格設定も「合計kVA」ベースなので、容量が分かれば本体代金の目安が業者に詳細図面を渡す前でもある程度把握できるようになります。
キュービクルの容量(kVA)は、大きすぎると本体価格や設置費用が高くなるだけでなく、毎月の電気料金の基本料金(契約電力)まで高くなってしまいます。逆に、容量を小さくしすぎると、夏場にエアコンを一斉にかけた瞬間に容量オーバーでブレーカーが落ちたり、変圧器が過熱して寿命を縮めるリスクも。
だからこそ、
「電灯(1kW≒1kVA)」と「動力(1kW≒1.2〜1.4kVA)」を別々に正しく把握すること
足し算した「合計kVA」をベースに概算価格の当たりをつけること
この2点を押さえておくだけで、専門業者との打ち合わせや見積もりの比較がスムーズになり、失敗のないキュービクル選びができます。まずは現在の使用状況や導入予定機器リストを確認することから始めましょう。
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キュービクルの詳細や選び方に関する情報は、下記特設サイトでもご紹介しています。あわせてご覧ください。
https://www.reformhiyo.com/cubicle/
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