
「工場の電気代を削減したいけれど、LED化や空調更新など大きな投資は一通りやり尽くしてしまった……」 そんな悩みを抱える施設管理者や設備担当者の方におすすめしたいのが、受電設備(キュービクル)内の「変圧器(トランス)」に着目した省エネ対策です。 実は、変圧器は「電気を使っていない時間帯」であっても、電源がつながっているだけで電力を消費し続けています。 この無駄な電力をカットし、安全かつスマートに省エネを実現する設備が三菱電機の「エネセーバ」です。 本記事では、変圧器の待機電力の仕組みから、エネセーバが注目される理由、導入によるメリットや導入事例までを分かりやすく解説します。
工場やビルで日常的に使われている変圧器(トランス)。高圧で受電した電気を、100Vや200Vといった家庭・事業所で使える電圧に下げるための重要な設備です。
しかし、この変圧器には「電源がつながっているだけで電力を消費し続ける」という特性があります。
変圧器の電力損失は、大きく分けて以下の2つに分類されます。
負荷損(銅損): 電源を使用している(電流が流れている)時に発生する損失
無負荷損(鉄損): 電源が使用されているかどうかに関わらず、電圧がかかっているだけで常時発生する損失
特に「無負荷損」は、夜間や休日など工場やオフィスが完全に稼働を停止している時間帯であっても、24時間365日休まずに電気を消費し続けています。
例えば、土日休みの工場や、夜間使われないビルなどでは、年間数千時間もの「電気を使っていないのに電力を捨てている時間」が存在することになります。
「待機電力がかかっているなら、休日や夜間は変圧器の電源を切ればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、従来の設備では簡単に電源をON/OFFすることができませんでした。
その最大の理由が「励磁突入電流(れいじとつにゅうでんりゅう)」です。
変圧器の電源をOFF状態から一気にON(投入)にすると、一瞬(数ミリ秒〜数秒)だけ定格電流の数倍〜十数倍という極めて大きな電流が流れ込みます。
これが「励磁突入電流」です。
この突入電流が発生すると、以下のような深刻なトラブルを引き起こすリスクがありました。
過電流継電器(OCR)の誤作動・停電:保護装置が危険なショート(短絡)と誤認識してブレーカーを落としてしまう。
瞬時電圧低下(瞬低)の発生:近隣の施設や自社内の繊細な精密機械に電圧低下の影響を与え、機械を停止させてしまう。
機器へのストレス:大電流による物理的な力や熱で、変圧器自体の寿命を縮めてしまう。
このようにリスクが大きすぎたため、「変圧器は一度電源を入れたら、年1回の法定点検時などを除き、24時間入れっぱなしにしておく」のが長年の常識とされていたのです。
この「変圧器を安全にON/OFFできない」という課題を劇的に解決したのが、三菱電機が開発した高圧交流負荷開閉器(LBS)「エネセーバ」です。
エネセーバの最大の特徴は、回路を閉じるときに「抵抗投入方式」という仕組みを採用している点です。
電源を入れる際、いきなり本線をつなぐのではなく、一瞬だけ抑制用抵抗器を挟んで電気を流します。
これにより、怒涛のように流れ込もうとする励磁突入電流を安全なレベルまで小さく抑え、その直後に本線へとスムーズに切り替えます。
この技術により、以下のメリットが生まれます。
励磁突入電流を通常時の数分の一以下に激減させる
周辺設備への影響(瞬時電圧低下)を防ぐ
ブレーカーの誤作動による不要な停電を防止する
結果として、「必要なときだけ電源を入れ、不要なときは安全に電源を切る」という、変圧器の「こまめなスイッチOFF」が可能になったのです。
エネセーバを導入することで、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。代表的な3つのメリットをご紹介します。
不稼働時間帯の無負荷損をゼロにできるため、年間を通じた消費電力量(kWh)を確実に削減できます。
また、デマンド値(最大電力)の管理を行っている施設では、使用電力のベースロードを引き下げる効果もあり、電気代の削減とCO2排出量削減(脱炭素化・GX推進)を同時に実現できます。
エネセーバは電動操作に対応しているタイプが主流です。
タイムスイッチ(タイマー)やビル管理システム(BMS)と連動させることで、「金曜の夜22時に自動で変圧器をOFFにし、月曜の朝6時に自動でONにする」といった運用が手動の手間なく行えます。
稼働させる必要がない時間帯に電源を切ることで、変圧器の発熱や経年劣化を抑え、設備全体の長寿命化にも貢献します。
エネセーバは、特に以下のような電力利用パターンを持つ施設で極めて高い費用対効果(ROI)を発揮します。
施設タイプ | 活用シーン・導入効果 |
土日休業の製造工場 | 週末の48時間+平日の夜間時間帯の無負荷損をカット |
学校・教育施設 | 夜間・土日祝日に加え、夏休み・冬休みなどの長期休業期間に絶大な効果 |
オフィスビル | テナントが不在となる夜間・休日の空調用・照明用変圧器の停止 |
イベント会場・各種ホール | イベント開催時のみ大容量電力を使い、非開催時は完全停止 |
これまで「つけっぱなしが当たり前」と諦められていた変圧器の待機電力(無負荷損)。
三菱電機の「エネセーバ」を活用すれば、トラブルのリスクなく安全に電気のON/OFFを行い、確実な省エネとコスト削減を実現できます。
電気代の削減ネタを探している
設備の老朽化に伴いキュービクルの改修を計画している
企業のSBT・CDPなどの環境目標に向けて具体的な手立てが欲しい
このような課題をお持ちの設備管理者・エネルギー管理者の方は、ぜひキュービクル更新や省エネ改修の機会に「エネセーバ」の検討を進めてみてはいかがでしょうか。
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キーワード:変圧器 省エネ エネセーバ キュービクル 待機電力 削減
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