
照度計算のやり方(ルーメン法・逐点法)完全解説【照明設計の基本】
照明設計では、「どれくらいの照明を設置すれば適切な明るさになるのか」を計算する必要があります。その際に使われる代表的な方法がルーメン法(光束法)と逐点法です。 これらの計算方法を理解することで、オフィス・工場・店舗・住宅など、用途に合わせた適切な照明設計が可能になります。本記事では、照度計算の基本からルーメン法と逐点法の計算手順、実務での使い分けまで詳しく解説します。
照度計算とは
照度計算とは、照明器具の配置や数量を決めるために、空間の明るさ(照度)を計算することを指します。照度はルクス(lx)という単位で表されます。
主な空間と推奨照度
空間 | 推奨照度 |
|---|---|
廊下 | 50〜100lx |
住宅リビング | 100〜300lx |
オフィス | 約500lx |
精密作業 | 1000lx以上 |
照度計算は、これらの基準を満たす照明設計を行うための重要なプロセスです。
ルーメン法(光束法)
ルーメン法は、室内の平均照度を簡易的に求める代表的な方法です。建築・電気設備設計で広く使われます。
ルーメン法の特徴
室内照明の基本計算
平均照度を求める
照明器具数の目安を出す
設計の初期段階で使用
ルーメン法の計算式
E = (F × N × UF × MF) / A記号 | 意味 |
|---|---|
E | 平均照度(lx) |
F | ランプ光束(lm) |
N | 照明器具数 |
UF | 利用率 |
MF | 保守率 |
A | 面積(㎡) |
計算例: オフィス照明台数を求める場合
部屋の面積:10m × 8m = 80㎡
必要照度:500lx
照明器具の光束:4000lm(LED)
利用率:0.6 / 保守率:0.8
必要台数(式を変形):
N = (E × A) / (F × UF × MF)
計算:500 × 80 ÷ (4000 × 0.6 × 0.8) ≒ 21台
この部屋には約21台の照明器具が必要です。
逐点法(ポイント計算法)
逐点法は、空間内の特定の点の照度を計算する方法です。スポットライトや屋外照明など、局所的な明るさが求められる場合に使います。
逐点法の特徴
局所照度の計算
スポットライト設計や屋外・スタジアム照明にも利用
逐点法の計算式
E = (I × cos³θ) / h²記号 | 意味 |
|---|---|
E | 照度(lx) |
I | 光度(cd) |
θ | 照射角 |
h | 高さ |
スポットライトの場合は、照射地点が離れるほど暗くなる傾向にあります。
ルーメン法と逐点法の違い
項目 | ルーメン法 | 逐点法 |
|---|---|---|
計算対象 | 平均照度 | 特定点の照度 |
難易度 | 簡単 | やや複雑 |
用途 | 室内照明 | スポット・屋外照明 |
設計段階 | 初期設計 | 詳細設計 |
実務での照度計算の流れ
必要照度を決める(JIS照明基準等を参考)
ルーメン法でおおよその照明台数を計算
照明器具の配置を決定(均等配置など)
逐点法で照度にムラがないか確認
照明設計ソフトの活用例
DIALux
Relux
AutoCAD照明計算
各メーカー照明シミュレーション
これらのソフトを使うことで、照度分布図やグレア評価なども効率的に実施可能です。
照度計算で注意するポイント
照度ムラ:均一でない明るさは作業効率に影響
まぶしさ(グレア):特にLED照明での注意が必要
影の発生:器具の配置で防止
エネルギー効率:過剰照明は電力コスト増加
まとめ
照度計算は主にルーメン法(平均照度)と逐点法(局所照度)に大別
ルーメン法で全体の明るさと照明数量を、逐点法でムラや局所照度を確認
これらを理解し適用することで、快適かつ省エネルギーな照明設計が可能













