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電気屋さんの学び の記事

DALIで実現するスマートな店舗・オフィスづくり

25/07/30 16:29
DALIで実現するスマートな店舗・オフィスづくり

店舗やオフィスに求められる照明は、快適性や演出性、省エネ性など多様化しています。DALI制御は、デジタルで照明を柔軟かつ効率的に管理できる次世代の照明制御方式として注目されています。本稿では、その特長と導入メリットを紹介します。

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空間価値を高める照明制御 〜DALIで実現するスマートな店舗・オフィスづくり〜

現代の店舗・オフィスでは、照明に「明るさ」だけでなく、「演出性」「快適性」「省エネ性」「柔軟な運用性」が求められています。日々変化するレイアウトや用途、そして働き方の多様化に応えるため、照明制御の進化は不可欠です。

その中で注目を集めているのがDALI(Digital Addressable Lighting Interface)制御です。これまでのアナログ制御や単純なON/OFFの制御と一線を画す、高度で柔軟なデジタル制御システムとして、国内外の多くの商業施設・オフィスで導入が進んでいます。

本稿では、DALIの基本から、店舗・オフィスにおける具体的な導入メリット、他方式との比較、活用事例などをわかりやすく解説します。


■ DALIとは?

DALIとは、照明機器を個別にアドレス指定し、デジタル通信で制御する国際標準規格(IEC 62386)です。1系統で最大64台の照明器具を制御可能で、個別・グループ・一斉といった柔軟な操作ができます。

主な特徴は以下の通り:

  • デジタル通信による高精度な調光・点灯制御

  • 器具ごとの状態を取得できる双方向通信

  • ソフトウェア上で設定可能なグループ分け・シーン設定

  • レイアウト変更にも対応できる高い拡張性

    ■ 店舗・オフィスにDALIを導入するメリット

    1. シーン制御で空間演出と効率を両立

    店舗では、時間帯や季節、商品構成に合わせた照明演出が求められます。一方、オフィスでは、会議、集中作業、リラックスなど用途ごとに最適な照明環境が必要です。

    DALIなら、次のような多様なシーン切り替えが可能です。

    • 【店舗】午前は明るく爽やかに、午後は落ち着いたトーンへ。

    • 【オフィス】会議中は全体照明+ホワイトボード照明、昼休みは抑えめなリラックス照明。

    • 【共通】「来客対応モード」や「節電モード」などもワンタッチ切替可能。

    このように、利用者の行動に合わせた照明環境の最適化が、空間の印象と業務効率の両方を高めます。

    2. レイアウト変更や機能追加がしやすい

    DALI制御では、照明器具の物理的な配置に関係なく、ソフトウェア上で自由に制御単位(アドレス)やグループを再設定できます。つまり、配線を変えずに、制御内容だけを変更可能です。

    • 新しい什器や机の配置に合わせたグルーピング

    • 退去・入居時のゾーニング再構成

    • センサーやスイッチの追加にも柔軟に対応

    これにより、頻繁なレイアウト変更が発生する店舗・オフィスでも、将来の改修コストや工期を大幅に削減できます。

    3. 消費電力の最適化と見える化

    DALI対応の照明器具は、個別に状態や消費電力のフィードバックが可能です。これにより、エリアごとの照明負荷を数値で可視化でき、省エネ施策の立案・検証がしやすくなります。

    さらに、人感センサーや照度センサーと組み合わせることで、

    • 人のいないエリアは自動で減光または消灯

    • 外光が十分な場所では照度を自動調整

    • ビルやテナント単位の使用状況ログも取得

    といったインテリジェントな自動制御を実現できます。

    4. 維持管理の効率化とトラブル対応の迅速化

    DALIでは、照明器具や電源ユニットの故障・不具合情報をシステム側から取得できます。これにより、定期点検に頼らずトラブルの早期発見と対応が可能になります。

    • どの器具が、いつから、どのように異常か

    • メンテナンス前に該当器具だけを把握

    これらが分かることで、管理コストの削減と作業の効率化が図れます。

    ■ 他方式との比較

    制御方式

    特徴

    課題

    0-10Vアナログ

    シンプルで安価、基本的な調光が可能

    双方向通信不可、個別制御困難

    DMX

    高速かつ多チャンネル制御に対応(演出用途)

    高度な設定が必要、店舗には過剰

    無線(BLE/Zigbee)

    工事不要で導入しやすい

    通信の安定性や制限が課題

    DALI

    個別制御・双方向通信・柔軟な設定が可能

    初期費用がやや高いが高機能

    DALIは、「制御性」「拡張性」「省エネ性」「保守性」のバランスに優れ、中規模以上の店舗・オフィスで最も汎用性の高い方式といえます。

    ■ 活用事例

    ◉ 商業テナント(セレクトショップ)

    • 商品エリア、試着室、バックヤードを別々に制御

    • イベント時の特別照明シーンを設定

    • スタッフがタブレットからシーンを選択可能

    ◉ シェアオフィス・コワーキングスペース

    • 時間帯によって照明レベルを自動調整

    • 会議室利用時は予約システムと連携して照明ON

    • 未使用スペースは自動で減光し省エネに

    ◉ 大型オフィスビル(複数フロア)

    • テナントごとにDALI制御を分割

    • 中央監視システムから状態確認・一括制御

    • 非常時の避難誘導照明と連携可能

      ■ 今後の展開 〜DALI-2とIoT化〜

      近年では、より高度な相互運用性とセンサー連携を可能にするDALI-2が主流になりつつあります。DALI-2では、照明器具だけでなく、スイッチやセンサー、ゲートウェイなど周辺機器もDALI規格内で統一管理可能です。

      さらに、BACnetやKNXなどのビル統合管理システムとの連携や、クラウドと接続したIoT対応プラットフォームとの組み合わせにより、建物全体の最適制御が可能となります。

      ■ まとめ:店舗とオフィスの価値を高める照明投資

      DALIは、単なる照明制御の手段ではなく、空間そのものの価値を高めるインフラです。演出性と快適性、そして運用効率や省エネ性を同時に実現できるため、今後の店舗・オフィス設計における“標準技術”となる可能性を秘めています。

      初期導入に多少のコストがかかったとしても、中長期的には、

      • 空間の柔軟な使い方

      • 人件費や管理工数の削減

      • テナントや従業員の満足度向上

      といった総合的な利益をもたらす選択肢として、DALI制御は十分な価値を持っています。

Admin
前田 恭宏
練習
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