戸建て住宅の各部屋の照明器具の選び方

戸建て住宅の各部屋の照明器具の選び方

25/08/26 10:03

照明は単なる明るさの確保ではなく、暮らしの快適性や雰囲気を左右する重要な要素です。リビングやダイニング、寝室など各部屋の役割に応じた照明を選び、調光・調色機能や間接照明を活用することで、シーンに合わせた空間演出が可能に。安全性・省エネ・メンテナンス性も考慮し、「どんな暮らしをしたいか」を基準に照明計画を立てることが、理想の住まいづくりの鍵となります。

戸建て住宅の各部屋に最適な照明器具の選び方

家づくりにおいて意外と見落とされがちなのが「照明計画」です。家具や内装にはこだわっても、照明は「とりあえず明るければOK」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、照明は単なる「明るさを確保するための道具」ではありません。暮らしの雰囲気を決定づけ、快適性や機能性にも大きな影響を与える重要な要素です。

本コラムでは、戸建て住宅の各部屋に適した照明器具の選び方を、部屋ごとの役割やライフスタイルに合わせて詳しく解説していきます。

1. リビング:多目的空間には「調光・調色機能」+間接照明がカギ

リビングは、家族が集まる団らんの場であり、テレビを見たり、読書をしたり、お客様を迎えたりと、さまざまな使い方をする多目的空間です。そのため、「ひとつの照明ですべてをカバーしよう」とするのではなく、シーンに合わせた照明の使い分けが重要です。

おすすめの照明スタイル

  • 主照明(シーリングライトまたはダウンライト)
     明るさを確保するベース照明。最近は調光・調色が可能なLEDシーリングライトが主流です。昼は白色、夜は電球色など、時間帯や気分に応じて色温度を変えることで、より快適な空間に。

  • 間接照明(フロアスタンドやコーブ照明)
     天井や壁を照らすことで、柔らかく包み込むような光を演出します。テレビ鑑賞時など、目にやさしく落ち着いた雰囲気に。

  • スポットライトやペンダントライト
     アート作品や観葉植物などを引き立てる演出照明として活用。インテリア性も高まります。

ポイント

  • シーンに応じて明るさ・色味を調整できる「スマート照明」の導入もおすすめ。

  • 調光機能付きスイッチにすることで、気分や時間帯に合わせて自在に雰囲気を変えられます。

2. ダイニング:食事を引き立てる「暖色系のペンダントライト」

ダイニングは食事をする空間であると同時に、家族との会話が生まれる場所でもあります。ここで重視すべきは、**料理を美味しそうに見せる「色温度」と明るさ」**です。

おすすめの照明スタイル

  • ペンダントライト(ダイニングテーブルの真上)
     テーブルの上に吊るすタイプの照明は、空間を引き締め、食事シーンにフォーカスを当てられます。電球色(2700〜3000K)を選ぶと、料理が美しく見え、温かみのある雰囲気を演出できます。

  • 補助照明(壁面ブラケットや間接照明)
     必要に応じて空間の明るさを補う役割。特にオープンダイニングなど、リビングと一体化した空間では、ゾーニングの演出にも効果的です。

ポイント

  • ペンダントライトの高さは、テーブルから60〜80cmが理想。高すぎず、低すぎず、視界を邪魔しない高さを意識。

  • 光が直接目に入らないように、シェード付きや拡散タイプを選ぶと快適です。

3. キッチン:作業効率を高める「手元灯+ベース照明」

キッチンは日常的に使用頻度の高い作業空間。調理や片付けなど、手元をしっかり照らす必要があるため、「明るさ重視」の照明計画が求められます。

おすすめの照明スタイル

  • ダウンライト(全体照明)
     天井に埋め込まれたダウンライトで空間全体を明るく。LEDで高照度のものを選ぶと省エネにもつながります。

  • 手元灯(キッチンカウンター下や吊戸棚下)
     調理スペースやシンクの真上に設置し、影ができないようにするのがポイント。LEDバーライトなどスリムなタイプが主流です。

ポイント

  • 昼白色(5000K程度)で、自然光に近い見え方を確保。

  • 作業中に手元が暗くならないよう、照明の配置や角度に注意しましょう。

4. 寝室:リラックスできる「間接照明」+「読書灯」

寝室は一日の疲れを癒す場所です。ここでの照明は「明るさ」よりも「落ち着き」と「目にやさしい光」を重視すべきです。

おすすめの照明スタイル

  • 間接照明(コーブ照明・ベッド下LEDなど)
     光源が直接見えないように設置することで、柔らかく優しい光が空間を包みます。

  • ベッドサイドランプや読書灯
     寝る前の読書やスマホ操作などに便利。可動式や調光機能付きのものがベスト。

  • 主照明(シーリングライトまたはダウンライト)
     必要最低限の明るさでOK。常時使用するものではないため、控えめな光でも十分です。

ポイント

  • 電球色のやわらかい光(2700K)を基本とし、落ち着きのある空間に。

  • 寝る前にブルーライトを避ける意味でも、色温度が低めの照明を。

5. 子供部屋:成長に合わせた「多機能照明」を選ぶ

子供部屋は年齢によって使い方が変化するため、照明も成長に合わせて見直す必要があります。幼児期は遊び中心、小学生以降は勉強スペースも加わります。

おすすめの照明スタイル

  • 主照明(明るく均一に照らすシーリングライト)
     遊ぶ・勉強する・寝るという複数の活動に対応するため、明るくて目にやさしい拡散型照明が基本。

  • 学習机用のスタンドライト
     光源が目に入らず、手元をしっかり照らすタイプ。昼白色(5000K程度)が集中力を高めます。

  • ナイトライト(常夜灯)
     夜間のトイレや、暗さを怖がる子供のための補助照明として有効。

ポイント

  • ブルーライトを抑えた「目に優しいLED」も選択肢に。

  • 将来の模様替えを見越して、照明の増設・変更がしやすい配線計画を。

6. トイレ・洗面所・玄関:機能性とセンサー機能を重視

これらの空間は短時間の利用が中心ですが、使い勝手や衛生面、安全性を考慮した照明選びが求められます。

トイレ

  • 明るさは控えめ(電球色)で落ち着いた雰囲気に。

  • 人感センサー付き照明でスイッチ操作を省略、清潔さをキープ。

洗面所

  • 鏡の左右または上部に照明を設置し、顔全体を均一に照らせるように。

  • 防湿仕様や防水性能もチェック。

玄関

  • 外から帰ってきた時の第一印象を左右する場所。明るさとデザイン性の両立がポイント。

  • 人感センサーやタイマー機能付きの照明が便利。

まとめ:照明計画は「光の演出」と「暮らしやすさ」のバランスが鍵

照明は「住まいの雰囲気を決める演出家」であり、「日常の動作を快適にするサポーター」でもあります。ただ明るければよい、という発想から一歩進んで、「どんな時間を、どんな空間で過ごしたいか」を軸に照明を選ぶことで、より豊かな暮らしを実現できます。

以下の3つを意識すると、後悔の少ない照明選びができるはずです。

  1. 部屋の目的に合わせて光の種類を選ぶ(作業・くつろぎ・演出)

  2. 時間帯やシーンごとの使い分けを想定する(調光・調色機能)

  3. 安全性・省エネ・メンテナンス性にも注目する

戸建て住宅ならではの自由な設計が可能だからこそ、照明計画もじっくり考えて、理想の住まいにぴったりな「光のカタチ」を見つけてください。

Admin
前田 恭宏
練習

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