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【キュービクル内蔵機器コラム #04】波及事故を防ぐ最後の砦!PAS・UGSの役割と交換が必要な理由

【キュービクル内蔵機器コラム #04】波及事故を防ぐ最後の砦!PAS・UGSの役割と交換が必要な理由

2026年8月27日 (最終更新 2026年8月27日)

前回のコラムでは、中小型キュービクルのメインスイッチとして活躍する「LBS(高圧交流負荷開閉器)」について解説しました。 LBSは施設内部のトラブルから機器を守る存在ですが、もし施設内でLBSでも防ぎきれないほどの激しい事故(高圧ケーブルのショートや地絡など)が発生した場合、どうなってしまうでしょうか? 最悪の場合、事故の影響が電力会社の電線を通じて近隣のオフィス、工場、病院、住宅地一帯にまで広がり、地域全体を停電させてしまう「波及事故」に発展します。 この最悪のシナリオを物理的に阻止し、敷地外への被害拡大を防ぐ「最後の守護神」こそが、今回ご紹介する「PAS(柱上用エア開閉器)」および「UGS(地中線用予備開閉器)」です。

1. PAS / UGSとは?敷地と電力会社の「境界線」を守る機器

PASやUGSは、敷地内にあるキュービクルの中ではなく、電力会社からの引き込み点(敷地の境界付近)に設置されている特殊な開閉器です。

設置される場所の環境(電柱か地中か)によって名称が異なります。

  • PAS(柱上用エア開閉器 / 気中開閉器) 電柱(第一号柱)の上部に設置されるタイプ。架空線(電線)で引き込んでいる施設で使用されます。

  • UGS(地中線用予備開閉器) 地中のハンドホールやキャビネット内に設置されるタイプ。

    電柱がなく、地中から高圧ケーブルを引き込んでいる施設(再開発エリアや都市部のビルなど)で使用されます。

どちらも役割は同じで、「自社の電気トラブルを、電力会社の送電網へ流し出さないように切り離す」という極めて重要な責務を担っています。

2. 波及事故を防ぐ「SOG制御装置」との連携

PASやUGSは、単体で動作するわけではありません。「SOG制御装置」と呼ばれる頭脳パーツとセットで設置されています。

SOG(Sensored Over-current and Ground-fault)とは、異常な電流(過電流)や漏電(地絡)を瞬時に感知するセンサーのことです。

  1. 構内のケーブル劣化などで地絡事故(漏電)が発生する

  2. SOG制御装置が事故を検知し、瞬時にPAS/UGSへ遮断命令を出す

  3. PAS/UGSが作動し、自社の受電回路だけを高速で遮断する

この連動システムがあるおかげで、自社の事故が外の電線へ漏れ出すのを防ぎ、近隣地域を巻き込む大停電を未然に回避することができます。

3. PAS / UGSの寿命(耐用年数)と放置するリスク

雨風や直射日光、または地中の湿気に常に晒されているPAS / UGSは、キュービクル内部の機器よりも厳しい環境に置かれています。

更新推奨時期の目安:10年〜15年

日本電機工業会(JEMA)などのガイドラインでは、PAS / UGSおよびSOG制御装置の更新推奨時期は10年〜15年とされています。

外見上は問題なさそうに見えても、内部の密閉性が低下して錆びが発生したり、SOG制御装置の電子部品(基板やバッテリー)が劣化したりしています。

交換を怠った場合のリスク

  • リスク①:いざという時に作動せず「波及事故」が発生 老朽化によりPASの可動部が固着していたり、SOG制御装置が故障していたりすると、事故発生時に正常に遮断できません。

    その結果、近隣一帯を停電させる波及事故を起こし、電力会社や近隣企業からの多額の損害賠償請求や社会的信用の失墜につながります。


  • リスク②:雨水侵入や雷による「自損事故・不要遮断」 経年劣化で本体の防水性が落ちると、内部に雨水が侵入してPAS自体がショートします。

    事故が起きていないのに勝手に全館停電してしまったり、復旧できなくなったりするトラブルが多発します。

4. 更新時は「SOG制御装置」とのセット交換が基本

PASやUGSの更新工事を行う際、非常に重要なポイントがあります。それは「PAS/UGS本体」と「SOG制御装置(制御箱)」を必ずセットで交換することです。

本体だけを新しくしても、指示を出すSOG制御装置が古いままだと誤作動を起こすリスクが残ります。

また、高所作業車や高圧手配が必要になるため、工事を別々に分けるよりも一度にセット交換した方が、足場代や工事費用を大幅に抑えることができます。

停電を伴う半日〜1日程度の工事で交換が可能ですので、設置から10年以上が経過している場合は早めの計画改修をおすすめします。

5. まとめ&次回予告

PASおよびUGSは、自社の施設だけでなく地域社会の電力を守る「責任重大な最後の砦」です。

「敷地の外にある電柱の機器だから」と後回しにせず、電気主任技術者の点検で交換を推奨された場合は、最優先で更新を検討しましょう。

👉 次回のコラム(#05)では、昭和〜平成初期の古い設備に潜む重大な法令リスク、「PCB(ポリ塩化ビフェニル)問題」についてわかりやすく解説します!お楽しみに!

【自社のキュービクルは大丈夫?まずはご相談から】

「敷地内の電柱についているPASがいつ設置されたか分からない」

「点検報告書に『PAS/UGSの更新』と書かれていたが費用感を知りたい」

「万が一の波及事故を防ぐため、受電設備の安全診断をしてほしい」


キュービクルの新設・更新・部分改修でお悩みの方は、ぜひ小川電機にご相談ください。

弊社では、経験豊富な専門スタッフがお客様のご予算・ご都合に合わせた最適なプランをご提案いたします。

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