
建物にある非常用発電機の本体をふと見ると、「NEGA」と書かれたステッカー(銘板)が貼られているのを目にすることがあります。 「このNEGAって一体何のマークだろう?」「これがないと何か問題があるの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。 結論から言うと、このマークはその発電機が国の厳しい安全基準をクリアしているという「信頼の証」であり、設置する上で非常に重要な役割を持っています。 本記事では、非常用発電機に貼ってある「NEGAマーク」の正体や、これがあることで得られる大きなメリットについて、初心者にも分かりやすく解説します。
1. 「NEGA」の正体は?
非常用発電機に貼ってあるマークに書かれた「NEGA(ネガ)」とは、一般社団法人 日本内燃力発電設備協会という団体の略称です。
英語表記である「Japan Naenryoku Engine Generating Set Association」の頭文字を取って「NEGA」と呼ばれています。
この協会は、1954年に設立された歴史ある組織で、経済産業省や消防庁などの官公庁と連携しながら、日本国内の非常用発電機(自家発電設備)の安全基準を作ったり、技術者の育成を行ったりしている「発電機の専門機関」です。
つまり、NEGAのマークが貼ってあるということは、「この専門機関が厳しく審査して、国が認める基準に合格したと証明した製品」という意味になります。
ビルや工場の電気設備担当者や、建築設計に携わるプロが「発電機を選ぶなら絶対NEGAのマーク付き(認定品)にすべき」と言うのには、実務上の大きな理由があります。
それは、消防署への手続きが劇的にラクになるからです。
通常、スプリンクラーや消火栓を動かすための防災用発電機を建物に設置する場合、所轄の消防署に対して「この発電機は万が一の災害時にも確実に動く、安全なものです」ということを膨大な書類(仕様書や試験成績書など)を添えて個別に証明しなければなりません。
しかし、NEGAのマークが貼られた発電機であれば、消防庁から「あらかじめ国の基準に適合している製品」として認められます。
これを専門用語で「みなし適合」と言います。
NEGAマークがある場合: 消防署への申請書にマークの写しを添えるだけで、面倒な書類審査や現地での検査がスムーズにパスできます。
NEGAマークがない場合: メーカーから大量の図面や計算書を取り寄せ、消防署の担当者に一つひとつ適合しているかを自力で説明・証明しなければならず、多大な時間と手間(コスト)がかかります。
実務において、特別な事情がない限りNEGAマーク付きの発電機が選ばれるのは、この申請業務を円滑に進めるためなのです。
非常用発電機に貼られているNEGAのマークには、実は大きく分けて「登録認定マーク」と「適合マーク」の2種類があります。実務での誤認が多いため注意が必要です。
マークの種類 | 主な対象 | 特徴・役割 |
登録認定マーク | 定置形(建物に固定するタイプ) | 主にビルや病院の防災・非常用。消防法の基準に適合していることを示す、「みなし適合」に直結する超重要マーク。 |
適合マーク | 可搬形(キャスター付き等で移動できるタイプ) | 工事現場やイベント、災害時の仮設電源用。NEGAの技術基準に適合していることを示すマーク。 |
建物の防災用に設置する定置形の発電機には、必ず「登録認定マーク」が必要になります。「NEGAのマークなら何でもいい」というわけではないため、選定時には必ず確認しましょう。
非常用発電機に貼ってある「NEGA」のマークは、ただのデザインやメーカーのロゴではなく、消防法をクリアし、災害時に確実に作動することを保証された「信頼のマーク」です。
新しく非常用発電機を導入する際や、古くなった設備を入れ替える(リプレイスする)際は、必ずこのNEGAマーク(登録認定マーク)がついている製品を選び、安心・確実な設備運用につなげてください。
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