
災害時に公衆電話が無料化される仕組みとは?停電時の具体的な使い方や171の体験利用日
大規模な地震や台風、集中豪雨といった自然災害が発生した際、私たちの生活に欠かせないスマートフォンは、通信障害や回線規制、停電によるバッテリー切れなどによって一時的に使えなくなるリスクがあります。 そのような非常事態において、命をつなぐ重要な連絡手段として再評価されているのが「公衆電話」です。 「公衆電話は災害時に無料化されると聞いたことがあるけれど、どんな仕組みなの?」「停電している時でも本当に使えるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 本記事では、災害発生時に公衆電話が無料化される仕組みをはじめ、停電時の具体的な使い方、電話機のタイプ別の操作手順、さらに平時に試せる「災害用伝言ダイヤル(171)」の体験利用日や注意点まで、分かりやすく徹底解説します。
1. 災害発生時に公衆電話が無料化される仕組み
大きな災害が起きた際、被災地での連絡手段を確保するために公衆電話が「無料化」されることがあります。まずはその仕組みと、なぜ災害時に強いのかを解説します。
NTTによる遠隔操作で一斉に無料化
広域な災害が発生し、被災地での通信確保が必要であるとNTT(東日本・西日本)が判断した場合、災害対策基本法や電気通信事業法に基づき、公衆電話の無料化措置が実施されます。
この切り替えは、NTTの電話交換局側でプログラムを遠隔操作することによって行われます。
現地で特別な操作をしなくても、対象エリア内にある指定の公衆電話が一斉に無料通話モードへと切り替わる仕組みです。
「災害時優先電話」だから混雑時でもつながりやすい
災害時には、家族の安否確認や緊急連絡が集中するため、移動体通信事業者(キャリア)は携帯電話やスマートフォンの発信規制(回線制限)を行います。
そのため「スマホの電波はあるのに電話がかからない」という状態が頻繁に起こります。
一方、公衆電話から発信される通信は、法律上で優先的に扱われる「災害時優先電話」に指定されています。
携帯電話の回線が混雑して制限がかかっている状況下でも、優先的に回線が接続されるため、非常に連絡がつきやすいという大きな強みを持っています。
2. 停電しても公衆電話が使える理由
「街全体が停電してしまったら、公衆電話も使えなくなるのでは?」と不安に思うかもしれません。しかし、結論から言うと公衆電話は停電時でも問題なく利用できます。
公衆電話が停電に強い理由は、その電源システムにあります。一般的な家庭用電化製品のように街のコンセント(商用電源)から電力を得ているのではなく、NTTの電話交換局から通信ケーブル(メタル線)を通じて直接電気が供給されている(メタル線給電)ためです。
電話交換局には大容量の自家発電設備や蓄電池が備えられているため、地域全体が停電した場合でも、電話線が無事である限り公衆電話は動作し続けます。
3. 【タイプ別】停電・無料化状態での具体的な使い方
公衆電話には大きく分けて「デジタル公衆電話」と「アナログ公衆電話」の2種類が存在します。設置されている電話機のタイプによって、無料化された際や停電時の使い方が若干異なるため、それぞれの操作手順を把握しておきましょう。
【見分け方】
・デジタル公衆電話:受話器の横にボタンがあり、液晶画面が付いているタイプ(グレーや緑)
・アナログ公衆電話:液晶画面がなく、ボタンと小さなランプのみのシンプルなタイプ(緑やピンク)
デジタル公衆電話の使い方
※デジタル公衆電話は、現在街中に設置されている公衆電話の主流タイプです。
無料化されている場合
受話器を上げる(発信音が聞こえます)
硬貨やテレホンカードは入れず、そのまま電話番号(市外局番から)をダイヤルする
停電している場合
無料化中:上記と同様に、お金を入れずにそのままダイヤルします。
通常時(無料化前):10円玉や100円玉などの硬貨を入れてダイヤルします。停電中はカード読み取り装置が作動しないため、テレホンカードは使用できません。
アナログ公衆電話の使い方
アナログ公衆電話は、少し古いタイプの緑色の電話機や、店舗のカウンターなどに設置されているピンク電話などが該当します。
無料化されている場合
受話器を上げる
10円玉・100円玉、またはテレホンカードを一度投入する(機械の構造上、一度硬貨かカードを通す必要があります)
電話番号(市外局番から)をダイヤルする
通話終了後、投入した硬貨やカードは減らずにそのまま返却されます
停電している場合
無料化中:上記と同様に硬貨かカードを入れてダイヤルします。通話後に返却されます。
緊急通報(110番・119番)を行う場合:受話器を上げた後、本体にある「緊急通報ボタン(赤いボタン)」を押してからダイヤルします。
4. 災害時に公衆電話を使う際の4つの注意点
非常時にスムーズに公衆電話を利用できるよう、以下の注意点を必ず覚えておきましょう。
① 停電中はテレホンカードが使えない
前述の通り、停電が発生すると電話機内部の磁気カード読み取り装置に電源が供給されなくなるため、テレホンカードに入れても戻されてしまうか、認識されません。
無料化されていないタイミングで停電が起きた場合に備え、小銭(10円玉・100円玉)を防災ポーチや財布に常備しておくことが推奨されます。
② 110番・119番(緊急通報)はいつでも無料
事件・事故の通報(110番)や救急・火災の通報(119番)、海上保安庁への通報(118番)などの緊急通報は、無料化措置の有無にかかわらず年間を通じていつでも無料で利用できます。
小銭やカードを持っていなくても、受話器を上げてダイヤルするだけで接続可能です。
③ 海外への通話や一部の特殊番号は対象外
災害時の公衆電話無料化措置は、主に日本国内の一般加入電話、携帯電話、IP電話などへの通話を想定しています。
国際電話や一部のナビダイヤルなど、無料化の対象外となる番号が存在する点には注意が必要です。
④ 長時間の占有は避け、簡潔に伝える
災害時は公衆電話の前に長蛇の列ができることがあります。一人でも多くの人が安否確認を行えるよう、要件は簡潔に伝え、譲り合いの精神を持って利用することが大切です。
5. 災害時に役立つ「災害用伝言ダイヤル(171)」の活用と体験利用日
公衆電話から安否確認を行う際、家族や知人のスマホが圏外やつながりにくい状態になっていることも考えられます。
その場合は、音声メッセージを録音・再生できる「災害用伝言ダイヤル(171)」を活用しましょう。
公衆電話から「171」へかける場合、通話料は無料です。家族間で「災害時は171に伝言を残す」というルールをあらかじめ決めておくと、より確実に安否確認が行えます。
171の基本手順(録音・再生)
受話器を上げ、「171」をダイヤルする
ガイダンスに従い操作する
自分の安否を録音したいとき ➔ 「1」を押す
家族の安否を確認(再生)したいとき ➔ 「2」を押す
連絡を取りたい相手(または自分)の電話番号(市外局番から)を入力する
ガイダンスに従って約30秒間の音声メッセージを録音・再生する
平常時でも試せる「体験利用日」の概要
「いざという時にうまく使えるか不安」という方のために、NTT東日本・NTT西日本では災害発生時以外でも171を体験できる「体験利用日」を提供しています。
災害が起きていない平時に、実際の操作感や録音・再生の流れを家族でテストすることが可能です。
【171を体験できる主な日程】
毎月1日および15日(0:00〜24:00)
防災週間(8月30日 9:00 〜 9月5日 17:00)
防災とボランティア週間(1月15日 9:00 〜 1月21日 17:00)
正月三が日(1月1日 0:00 〜 1月3日 24:00)
体験利用時の注意点:一般の電話や携帯電話から体験利用をする場合の通話料は有料(各通信事業者の標準通話料)となりますが、公衆電話からの発信は体験利用時も無料で試すことができます。なお、体験期間中に実際の災害が発生した場合は、体験利用が中止され本運用に切り替わります。
まとめ:日頃から最寄りの公衆電話の位置確認と「体験」をしておこう
普段はスマートフォンばかり使っているため、公衆電話の存在を意識する機会は少ないかもしれません。
しかし、大規模災害や通信障害といった「いざという時」に、公衆電話や「171」は家族や大切な人をつなぐ最も頼もしい命綱となります。
災害時は優先接続され、無料化されることがある
停電していても電話線が生きていれば通話可能
停電中はテレホンカードが使えないため小銭を用意しておく
アナログ公衆電話は一度コインを入れてからダイヤルする
毎月1日・15日などの体験利用日を活用して事前に使ってみる
ご自身やご家族の安全を守るためにも、通勤・通学ルートや自宅・職場の周辺に「どこに公衆電話があるか」を日頃から確認し、体験利用日を使って操作に慣れておくことを強くおすすめします。
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