
オフィスや店舗、工場などのBCP(事業継続計画)対策として欠かせない非常用発電機。いざ導入しようとしても、「燃料は何を選べばいいの?」と悩む担当者の方は少なくありません。 燃料選びを間違えると、災害時に使い物にならなかったり、維持費が高くついたりするリスクがあります。 本記事では、非常用発電機で使われる主な燃料の種類と、自社に合った燃料を選ぶためのポイントをわかりやすく解説します!
非常用発電機の燃料は、主に「重油」「軽油」「都市ガス・LPガス(ガス)」の3種類に分けられます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
大型のビルや工場、病院などで最も広く使われている燃料です。
メリット: 燃料単価が安く、大量の電力を長時間出力する大型発電機に向いています。
消防法上の指定数量(保管できる量)が他の液体燃料に比べて多いため、備蓄しやすいのも特徴です。
デメリット: 寒冷地では冬場に凝固(固まる)しやすく、目詰まりを起こすリスクがあります。
また、長期間放置すると劣化しやすいため、定期的なメンテナンス(燃料交換やろ過)が必須です。
中小型の発電機で最もポピュラーな燃料です。トラックやディーゼル車と同じ燃料なので、イメージしやすいかと思います。
メリット: 重油に比べて寒さに強く、全国どこでも手に入りやすいのが強みです。また、すす(排気煙)が重油より少なめです。
デメリット: 重油よりも燃料単価がやや高めです。また、重油と同様に「燃料の経年劣化」が起こるため、使わなくても定期的な入れ替えが必要になります。
近年、災害に強い燃料として注目が集まっているのがガス式です。
メリット: 液体燃料のように「長期間放置して劣化する」という心配がありません。
特にLPガス(プロパンガス)は、災害時の復旧が最も早いインフラと言われており、個別備蓄に向いています。また、排気がクリーンです。
デメリット: 都市ガスの場合、地震などでガス管が遮断されると発電できなくなります。
LPガスの場合はボンベの設置スペースが必要になり、燃料単価も高めです。また、液体燃料に比べて大出力のモデルが少ない傾向があります。
自社に最適な燃料を選ぶときは、以下の4つの視点で比較検討するのがポイントです。
大型施設(病院、大規模工場、データセンターなど): 大出力で長時間動かす必要があるため、コストパフォーマンスに優れ、大量備蓄がしやすい「A重油」や「軽油」がファーストチョイスになります。
中小型施設(オフィス、店舗、福祉施設など): 扱いやすさとメンテナンスの手間を考慮し、「軽油」または「LPガス」がおすすめです。
液体燃料(重油・軽油): 「いざという時に劣化していて動かない」を防ぐため、定期的な燃料のろ過や入れ替え(目安は1〜2年)が必要です。
この維持手間やコストを許容できるかが鍵になります。
ガス燃料: 燃料自体の劣化がないため、管理は圧倒的に楽です。「普段の手間をできるだけ減らしたい」という場合はガス式が有力候補になります。
液体燃料: ガソリンスタンドや燃料商社から購入しますが、大災害時は給油ポンプが止まったり、道路が寸断されて配送が遅れたりするリスク(燃料難民)があります。
ガス燃料(LPガス): 敷地内にボンベを常設しておくため、インフラが途絶しても独立して数日間動かすことが可能です。
燃料を大量に保管する場合、消防法による規制(危険物取扱の届け出など)をクリアする必要があります。
液体燃料は、保管量によって防油堤の設置や有資格者の配置が求められます。
ガス燃料は高圧ガス保安法の対象となり、それぞれクリアすべき基準が異なるため、事前に設置スペースの確認が必要です。
最後に、どっちを選べばいい迷ったときの簡単な目安をまとめました。
【大容量・コスト重視】 ───> A重油
【汎用性・寒冷地対応】 ───> 軽油
【手間なし・長期保管】 ───> ガス(LPガス)
非常用発電機は、一度導入すると10年、20年と付き合っていく設備です。
「導入コスト」だけでなく、毎年の「燃料管理の手間と費用」、そして「災害時に本当に機能するか」を総合的に判断して、自社に最適な燃料を選びましょう。
どれを選べばいいか迷った際は、専門の施工業者や電気設備業者に建物の状況をみてもらい、シミュレーションしてもらうのが一番の近道です。
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