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Ogawaだより

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周波数の違いは~なぜ? image
2025年9月24日 13:52
小川電機

日本の電力は、明治時代に導入したドイツ製(50Hz)とアメリカ製(60Hz)の発電機の違いから、東日本と西日本で周波数が分かれました。静岡県の富士川、新潟県の糸魚川が境界で、変換所を通じて電力が融通されています。統一は困難ですが、変換技術の進化により対応が進んでいます。

50Hzと60Hz――なぜ電気の周波数は地域で異なるのか? 私たちの暮らしに欠かせない「電気」。家庭で使う電気は、コンセントを通して供給されていますが、その電気には「周波数」という性質があります。日本では、地域によって電気の周波数が異なっていることをご存じでしょうか? 具体的には、東日本では50Hz(ヘルツ)、西日本では60Hzが使われています。この「50Hz・60Hz問題」は、長年にわたり日本の電力供給の一つの特徴であり、時に課題ともなってきました。 それでは、なぜ日本には2つの異なる周波数が存在するのでしょうか? また、その境界線はどこにあり、どうやって運用されているのでしょうか? 本コラムでは、その歴史的背景から現代への影響、そして周波数境界の実態までを詳しく解説していきます。 周波数とは何か? まず、「周波数」とは何かを簡単に説明しておきましょう。 周波数とは、電気が1秒間に何回「正負の向きを変えるか(交流の波が繰り返されるか)」を示す単位で、「Hz(ヘルツ)」で表されます。 たとえば50Hzの場合、電気の波が1秒間に50回上下することを意味します。60Hzなら60回です。日本の家庭に供給されている電気は「交流(AC)」であり、直流(DC)とは違って、常に向きが変化しています。この周波数の違いは、電化製品の動作や効率、電力供給の仕組みにも影響を与えるため、極めて重要な要素です。 日本における周波数の二重構造:始まりは明治時代 日本の電気の周波数が地域によって異なる理由は、実は100年以上前の明治時代にさかのぼります。 当時、日本は急速に近代化を進めており、欧米の技術を積極的に導入していました。発電機の技術もその一環でしたが、ここに「周波数の分裂」を生む要因が潜んでいたのです。 東京と大阪で異なる発電機を導入 1895年、東京電燈(現在の東京電力の前身)がドイツ製の50Hz発電機を導入して、電力供給を開始しました。一方、1896年、大阪電灯(現在の関西電力の前身)はアメリカ製の60Hz発電機を導入します。 つまり、発電機の調達先が異なったことにより、偶然にも周波数が違っていたのです。ドイツでは当時50Hzが標準、アメリカでは60Hzが主流だったため、それぞれの発電機もそれに準じた設計になっていました。 統一されなかった理由 この時点で、理論的にはどちらかに統一するという選択肢もあったはずです。しかし、電力の普及が地域ごとに進められたこと、当時はまだ系統が独立していたこと、そして技術的・経済的な制約から、周波数の違いが全国に広がる前に統一されることはありませんでした。 さらに、1910年代にはそれぞれの地域に周波数を前提とした機器やインフラが構築されていき、統一がますます困難になっていきます。 二つの周波数がもたらす現代の課題 このような歴史的な経緯によって、日本には東西で異なる周波数の電力網ができあがってしまいました。今日においても、関東・東北・北海道などでは50Hz、中部より西では60Hzが使われています。 周波数の違いがもたらす不便 一つは、家電製品の対応です。近年では多くの電化製品が50Hz・60Hz両対応になっていますが、かつては非対応の製品も多く、引っ越しの際に家電を買い替える必要がある場合もありました。 また、商用施設や工場などでは、モーターや発電設備が周波数に依存して動くため、機器の設計や運用にも配慮が必要です。 電力融通の壁:東日本大震災で露呈 周波数の違いが最も大きな問題となったのは、2011年の東日本大震災でした。東京電力管内の発電所が津波によって停止し、深刻な電力不足に陥った際、西日本から東日本への電力融通が必要となりました。 しかし、周波数が異なるため、直接送電することができません。これを変換するには「周波数変換設備」が必要ですが、当時その容量はわずか100万kW程度。電力需要全体から見ればごくわずかなもので、大規模な融通には限界がありました。 この事態を受けて、政府や電力会社は周波数変換所の拡充を進め、2020年代にはその容量も300万kW以上に増強されましたが、完全な障壁除去には至っていません。 50Hzと60Hzの「境界線」はどこにある? では、日本国内で50Hzと60Hzの境界はどこにあるのでしょうか? 実は、周波数の境界は「静岡県」と「新潟県」にあります。 静岡県では、富士川(ふじがわ)を挟んで東が50Hz、西が60Hzです。 新潟県では、糸魚川(いといがわ)を境に東側が50Hz、西側が60Hzです。 これらの境界線は、厳密に地理的な線引きとして決まっているわけではなく、送電網や変電所の系統単位で運用されています。つまり、「町の中で50Hzと60Hzの家が混在している」ということは基本的にありません。 また、これらの境界に近い地域では、家庭や工場、公共施設などでの機器の導入時に、対応する周波数に注意を払う必要がある場合もあります。 境界を超える電力の融通:周波数変換所の存在 東西の電力をつなぐためには、単純に送電線をつなぐだけでは不十分です。前述のように、周波数が異なると、そのままでは電気を送ることができません。 このため、周波数境界付近には、以下のような**「周波数変換設備」**が設けられています。 主な周波数変換所(2025年時点): 変換所名 所在地 容量(kW) 運営会社 新信濃変換所 長野県埴科郡坂城町 約60万kW 東京電力・中部電力 佐久間周波数変換所 静岡県浜松市天竜区 約30万kW 東京電力・中部電力 東清水変換所 静岡県静岡市清水区 約30万kW 東京電力・中部電力 飯田変換所 長野県飯田市 約10万kW 中部電力 これらの施設では、**交直交変換(AC→DC→AC)**という仕組みを使って、50Hzの電力を60Hzに、あるいはその逆に変換してから、隣接地域に送電しています。 なぜ今も統一されていないのか? では、いっそのこと日本全体をどちらかの周波数に統一すれば良いのでは? と思う方もいるかもしれません。 実際にその議論は過去に何度も行われました。しかし、現実的なハードルは非常に高いのです。 莫大なコストと労力 全国の発電設備、変電所、送電網、家庭用・産業用機器など、周波数に依存するあらゆる設備を一斉に切り替えるには、数兆円単位のコストがかかると試算されています。 また、切り替えには長期間の準備が必要であり、切り替え中の混乱や電力供給への影響も無視できません。 現代の技術で克服可能に? ただし、電力の需給バランスを調整するための仕組みや周波数変換技術は、現在では大きく進歩しています。再生可能エネルギーの導入や分散型電源の普及もあり、必ずしも全国を同一周波数にする必要性は薄れつつあります。 そのため、周波数統一よりも、変換設備の拡充やスマートグリッドの構築といった方向での解決が現実的と考えられています。 世界ではどうなっているのか? 日本のように、国内で複数の周波数が使われている国は世界的には珍しい存在です。 50Hzと60Hzの世界的分布 世界では、ヨーロッパ、アジア、アフリカの多くの国が50Hzを採用しています。一方、アメリカ、カナダ、韓国、台湾などは60Hzが主流です。 もともと、19世紀末にエジソンとウェスティングハウスの「電流戦争(DC vs AC)」が繰り広げられた結果、アメリカでは60Hzが標準化されました。一方で、ヨーロッパでは異なる経緯で50Hzが定着しました。 その結果、国境を越えた送電を前提とするヨーロッパでは、50Hzで統一されており、日本のように「国内で2つの周波数が併存する」国は他にほとんど存在しません。 結びに:二重構造を未来につなげるには? 50Hzと60Hz。たった10Hzの違いですが、そこには100年以上の歴史と技術、経済、そして社会の選択が積み重なっています。 この周波数の違いは、日本の電力供給の「弱点」として語られることが多い一方で、過去の教訓を活かし、技術革新で克服していくべき「課題」でもあります。 災害やエネルギー問題、脱炭素社会の実現など、今後の電力政策を考える上で、周波数問題は依然として重要なテーマであり続けるでしょう。 未来の電力インフラをどう築くか――その問いの中に、100年前の発電機の選択が、いまも静かに息づいているのです。 まとめ:50Hz・60Hzの「境界」は、歴史と技術の結晶 日本の電力周波数は、明治時代に導入された異なる外国製の発電機が原因で、東が50Hz、西が60Hzと分かれました。 境界線は静岡県と新潟県にあり、変換所を通じて電力のやり取りが行われています。 統一の試みは過去に検討されたものの、コストやインフラ面から現実的ではなく、現在は変換設備の強化やスマートグリッドの導入が進められています。 この周波数の違いは、日本独自の電力インフラの象徴とも言えます。 たった10Hzの違いですが、100年以上の歴史と技術が積み重なった結果です。これからのエネルギー社会に向けて、この「周波数の壁」をどのように越えていくかが、未来の課題となっているのです。

非常用発電機に使える補助金一覧!自治体・国の支援策を徹底解説 image
2025年9月3日 10:36
小川電機

自然災害による停電対策として、非常用発電機の導入が注目されています。多くの自治体や国では、個人・法人・福祉施設などを対象に、購入費や設置費の一部を補助する制度を設けています。本コラムでは、各制度の対象者・補助内容・申請方法を整理し、地域や目的に応じた選び方を解説。防災対策を強化するために、補助制度を有効活用することが重要です。導入を検討される方は、申請条件や期間を確認の上、早めの準備をおすすめします。

【参考】非常用発電機の導入支援策まとめ 〜自治体・国の最新補助制度を解説〜 近年、地震・台風・豪雨といった自然災害が全国各地で頻発しており、災害時における「電力の確保」が個人・施設を問わず極めて重要な課題となっています。特に停電が長期化した場合には、照明や通信、医療機器の使用が困難となり、生命や生活に重大な影響を及ぼす恐れがあります。こうした背景から、非常用発電機の整備や導入が急務となっており、多くの自治体や国では、導入費用を支援するための補助制度を整備しています。 本コラムでは、全国の地方公共団体および国によって提供されている非常用発電機に関する補助金制度について、最新の情報をもとにわかりやすく整理・解説します。家庭向けの支援から、医療・福祉施設、宿泊施設、自主防災組織向けの制度まで幅広く紹介し、それぞれの補助率や対象要件、申請期限などのポイントもあわせてまとめました。これから非常用発電機の導入を検討されている方や、制度を活用して防災対策を強化したいと考えている団体・事業者の皆様にとって、参考となる情報を提供いたします。 1. 美浜町(福井県):自主防災組織強化事業補助金 対象:美浜町内の自主防災組織(設立届を提出し、町の補助要綱第7号様式に基づく組織) 補助対象経費:防災倉庫(最大10㎡)、非常用発電機、災害救助用工具などを含む防災資機材 福井県美浜町公式サイト 補助率・上限: 原則:10分の10(100万円上限) 人口200人以上かつ10㎡以上の倉庫整備希望なら150万円まで 福井県美浜町公式サイト 備考: 自主防災組織1団体につき1回限り 補助期限:令和10年3月31日まで 福井県美浜町公式サイト 2. 広川町(和歌山県):家庭用ポータブル発電機・蓄電池購入補助 対象:町内在住の個人世帯(法人は対象外)、町税を滞納していないことなど条件あり 広川町公式サイト 補助対象:可搬型の家庭用発電機または蓄電池(100V交流出力端子付き)、中古品・オプション等は対象外 広川町公式サイト 補助率・上限:購入費の1/2(1,000円未満切捨て)、上限20万円 広川町公式サイト 申請期間:令和7年4月1日~令和8年2月27日(予算枠がなくなり次第終了) 広川町公式サイト 申請方法:購入前に事前申請が必要。町総務課に書類提出(仕様書や納税証明など) 広川町公式サイト 3. 札幌市:宿泊施設向け非常用自家発電設備整備補助 対象:民間一時滞在施設の運営者、あるいは所有者など法人格を持つ者。市長が認めた者も含む 札幌市 補助対象経費:発電装置の本体、設置工事、電気・機械・建築・土木工事、燃料タンクなど自立運転に関わる工事 ◆詳細条件あり◆ 札幌市 補助要件: 内燃機関式またはコージェネ対応、停電時も運転可能な未使用の設備 更新ではないこと、設置工事含む範囲など細かな要件有り 札幌市 4. 市川市(千葉県):人工呼吸器用非常用発電機等購入費補助 対象:在宅で人工呼吸器を使用し、住民基本台帳に登録された市川市民で、過去に本補助を受けたことのない方 市川市公式ホームページ 補助対象機器: 正弦波インバーター発電機(850 VA以上) ポータブル電源またはDC/ACインバーター(300 W以上)など 市川市公式ホームページ 補助額:購入費の1/2と70,000円の少ない方 市川市公式ホームページ 申請方法:購入後に申請書、領収書、人工呼吸器使用の証明などを郵送で提出。年度末(3月31日)まで受付。 市川市公式ホームページ 5. 東京都:社会福祉施設等への非常用電源等整備促進事業補助金(2025年度) 対象施設:都知事または区市町村長の指定を受けた社会福祉施設等で、申請時までにBCP(事業継続計画)を策定していることが条件 スリーベネフィッツ株式会社 補助対象:非常用電源設備全般(外部給電器、V2H、ポータブル蓄電池、外部電源切替盤など) スリーベネフィッツ株式会社 補助率・上限:対象経費の4/3(75%)、最大5,000千円(機器により上限異なる) スリーベネフィッツ株式会社 申請期間: 第1回:令和6年6月28日まで(終了) 第2回:令和6年12月下旬予定。令和6年11月中旬から申請受付開始見込み スリーベネフィッツ株式会社 6. 国(経済産業省など):災害対応型補助制度 a) 災害時に備えた社会的重要インフラへの燃料備蓄推進補助金 目的:医療・福祉施設、避難所等で非常用発電機やタンク設置を支援 Respromエスコ 対象:民間等の社会的重要インフラも含む多数。国(間接含む)への申請形態が分かれる。 Respromエスコ 補助率・上限: ① 石油系:最大2/3、上限5,000万円 ② LPGバルク系:2/3 ③ 自治体(防災拠点):定額10/10、上限10億円(非常に手厚い) エスコResprom 補足:燃料備蓄(3日以上運転可能)要件あり。各種設備・工事含む。現在公募中または次年度に期待 スリーベネフィッツ株式会社Resprom b) 石油ガス災害バルク等導入事業(一般財団法人エルピーガス振興センター) 対象施設:医療・福祉施設、避難所、公共施設、民間施設など広範 lpgg.jp 補助対象:LPG災害バルク、LPガス発電機などの設備一式 lpgg.jp 補助率・上限:中小企業者は2/3以内、その他は1/2以内。上限5,000万円/1申請 lpgg.jp 7. 税制優遇制度:防災・減災設備投資促進税制 対象:中小企業が「事業継続力強化計画」(簡易BCP)を認定された場合、防災・減災設備(自家発電装置など)に対して税制面の優遇措置あり tokyodenki.co.jp 内容:税制優遇(例:特別償却や税額控除)や、低利融資・補助金加点などのメリットがある tokyodenki.co.jp 期限:令和7年3月31日までに計画認定を受けた事業者が対象 tokyodenki.co.jp 補助金まとめ一覧 補助制度名(公共団体等) 対象者 対象機器・設備 補助率・上限 申請期限・備考 美浜町 強化補助金 自主防災組織 防災倉庫・発電機等 10/10、最大100万(場合により150万) ~令和10年3月31日 広川町 家庭用発電補助 町内居住個人 ポータブル発電機・蓄電池 1/2、最大20万 ~令和8年2月27日(予算枠次第) 札幌市 宿泊施設補助 民間法人施設運営者 発電装置・工事等 条件により異なる 市要綱要確認 市川市 医療用補助 人工呼吸器使用在宅者 正弦波発電機等 1/2 or 70,000円以下 年度末3月31日まで 東京都 福祉施設補助 社会福祉施設とBCP策定済 非常用電源等設備 3/4、最大5,000千円 第2回:令和6年12月下旬予定 国・経産省 燃料備蓄推進 社会的重要インフラ 発電設備+タンク 最大2/3(施設)、10/10(自治体) 随時 or 次年度 LPGバルク補助 医療・福祉・避難・公共等 バルク+発電機 2/3または1/2、上限5,000万円 財団公募に準ずる 税制優遇(中小企業) BCP認定済中小企業 発電設備等 償却・控除等税制優遇 ~令和7年3月31日申請認定まで 総論・活用のヒント 対象の明確化 個人か法人か、防災組織か医療的配慮が必要な方かなど、対象が制度によって分かれます。まず自分・施設・組織に当てはまる制度を絞りましょう。 補助内容の比較 高補助率(10/10)は自治体向け燃料備蓄推進のみ。多くは1/2〜2/3程度で、上限も数十万円〜数千万円まで幅広いです。 申請条件の違い BCP策定要件有り、所在自治体の在住要件有り、医療機器使用証明など、各制度で要件が異なります。公募要綱で明確に確認しましょう。 申請タイミングや期限 定められた時期にしか公募のないものもあります(東京都補助等)。早めに情報収集し、準備を進めましょう。 補助以外の支援も重要 税制優遇や低利融資など、補助金以外の経済的支援も併用できる場合があります。特に中小企業はBCP策定による優遇を活用すると効果的です。 まとめ 非常用発電機の導入に関して、日本全国の自治体や国・財団により多様な補助制度が整備されています。個人向けから医療・福祉・防災組織向けまで多岐にわたるため、自分が属する立場に最も適した制度を選び、要件や申請時期・内容を丁寧に確認することが成功の鍵です。 必要であれば、地域や業種などの限定条件に絞って、さらに詳しい制度をお調べするサポートも可能ですので、遠慮なくご相談ください。

水素の秘めたエネルギー image
2025年7月2日 14:18
小川電機

水素燃料は、燃焼時に二酸化炭素を排出せず水のみを生成するクリーンエネルギーです。気候変動やエネルギー安全保障、都市の空気質といった21世紀の課題解決に貢献し、今後の私たちの暮らしや産業、宇宙開発への応用も期待されています。

大阪・関西万博ベスト5と印象まとめ!(^^)!-photo0
2025年10月16日 11:45
小川電機

大阪・関西万博は「体験重視」の展示が多く、来場者の五感や主体性を引き出す設計が印象的だった。1位の大阪ヘルス館では、未来の自分と対話する「リボ体験」が特に心に残った。イタリア館は「本物」に触れる感動があり、未来の都市では自分の意見が展示に反映される参加型体験が魅力的だった。カナダ館は映像の迫力、ドイツ館はマスコットと音響演出の融合が印象的。公式マスコット「ミャクミャク」も親しみやすく、全体に一体感をもたらしていた。未来の展示には参加性や記憶に残る工夫が求められる。

私の大阪・関西万博ベスト5と印象まとめ!(^^)! はじめに:体験重視の万博を振り返って 万博はいわば「体験の祭典」です。展示物を観るだけでなく、五感を使い、参加することで、頭と心に残るものが強く記憶されます。今回、あなたが選んだベスト5には、いずれも「見る・触る・感じる・自分との対話ができる」体験要素が共通しているように思います。以下、それぞれの館をあなたの視点で掘り下げ、またその意義や将来への問いかけも絡めつつ再構成してみます。 また後半に、ベスト5以外で印象に残った「ミャクミャク(公式マスコットなど)」についても触れておきます。 それでは、1位から順に。 第1位:大阪ヘルス館(リボ体験が良かった) 館の概要と構成 大阪ヘルスケアパビリオン(通称「大阪ヘルス館」)は、今回の万博で「ローカルホストパビリオン(主催都市を代表する館)」の役割を担っています。テーマは “REBORN” を軸に、命・健康・未来社会といった概念を来場者に問いかけるものになっています。 館内には「展示・出展ゾーン」があり、「リボーンチャレンジ」というサブ企画で、大阪の中小企業やスタートアップが、週替わりで展示や体験型プロジェクトを展開しています。 また、来館者一人ひとりの健康状態やバイタル情報をセンサーで読み取り、将来の自分をアバター化して「未来の自分」と対話しながら都市や暮らしを体験できる「リボーン体験ルート」が目玉の一つです。 たとえば、「25年後の自分」と未来の都市を疑似体験するという映像・AR体験が報道で紹介されています。 さらに、「人間洗濯機」などユニークな体験もあるとの映像記録も残っています。 また、ヘルス館内では、健康アドバイスAIを使った「パーソナルフードスタンド」の展示もあり、来場者にその場で食に関するパーソナライズ提案をする仕組みが組み込まれています。 こうした構造を持つ館だからこそ、あなたが「リボ体験が良かった」と感じたという印象には、強く共感できます。 あなたが感じた魅力と理由 あなたがこの館を1位に挙げた理由、「リボ体験が良かった」というのは、まさにこの館の設計思想と合致しています。以下の点が、特に印象深く作用したのではないかと思います。 自分との対話ができる設計  未来の自分を可視化し、それと対話する体験は、単なる受動的展示にはない参加感を与えます。自分自身のデータを使って、未来を“体験”できることは、記憶に残る強さを持っています。 幅広い技術の掛け合わせ  AR/VR、センシング、AI、映像演出など、複数技術を統合して「体験をつくる」構成になっており、テクノロジー好きにも刺激があります。 地域企業・スタートアップとの連携  リボーンチャレンジという枠組みで、大阪を拠点とする中小企業・スタートアップが持つ技術やアイディアを展示する点が、ローカルな主体性を感じさせます。 健康/命というテーマの普遍性  万人に身近なテーマである「健康」「命」を扱うことで、高い共感を呼び、感情が揺さぶられる余地を残す館になっていたと言えます。 ユニーク体験で印象を残す  例えば「人間洗濯機」という体験が報道映像で紹介されていますが、こういう意外かつインパクトある演出が、記憶に残る要因です。 こうした複合的な要素が重なり、「良かった」と感じられる体験になったのでしょう。 振り返り・改善点も含めて ただし、完璧無欠というわけではなく、振り返るなら次のような点も思い浮かびます: 混雑時には体験待ち時間が生じやすいこと。人気体験型展示はどうしても行列ができやすく、待ち時間が体験の質を左右します。 技術のデモが先行して、体験とメッセージ性が薄れてしまう場合。体験そのものが目的化しすぎて、「伝えたいテーマ」が埋没しがち。 ARやセンシング技術が万人にストレスなく動作するかどうか、回線・機器の安定性が問われます。 とはいえ、あなたの印象ベースで1位に挙げられたのは納得の選択だと思います。 第2位:イタリア館(本物を目の前で見れた) 館の性格と展示内容(印象ベース) あなたが挙げた「イタリア館」は、「本物を目の前で見れた」という感覚が強かったと書かれています。万博では、模型・映像・再現ではなく、実物・現物・原寸などのリアルを見せることが、強いインパクトを残す手段です。 報道で、イタリア館の人気度の高まりが話題になっており、来場者の待ち時間が4時間を超えた、という記録も出ていました。 このことから、イタリア館の展示が「本物感/リアル体験」を前面に出す構成であった可能性が高いと推察されます。例えば、芸術品や伝統工芸、建築素材、あるいは機械装置そのもの等を「実物展示」しており、目の前でそれらを見られるという感覚があなたに響いたのでしょう。 あなたが感じた魅力 リアリティの重さ  模型や映像よりも、人の目の前に実物がある方が、質感・存在感・息遣いを感じやすいです。それが「目の前で見れた」という感覚につながったのでしょう。 歴史・文化・伝統の重み  イタリアという国は長い歴史と芸術・文化の伝統を持つ国であり、本物を展示することはその重みを伝えるメタファーにもなります。 対話性の余白  本物展示だけで終わらず、それをどう見せるか、解説との掛け合い、体験要素との組み合わせ(たとえば、触れる/部分操作できるもの)次第で、展示空間はより豊かになります。 感情を揺さぶる瞬間  「本物を見た瞬間に感じる驚き・喜び・感動」が、あなたの記憶に残ったのだと思います。 他者視点・課題可能性 混雑と待ち時間:上記のように4時間を超える待機という報道もあることから、人気館ゆえの“体験へのアクセスしづらさ”が問題になった可能性があります。 展示維持・劣化:実物を展示する場合、扱いや保存が難しいもの(例えば美術品・生き物・素材劣化しやすいものなど)をどう扱うかが課題になります。 補足解説とのバランス:本物展示をただ並べるだけでは見る側の理解には限界があるため、解説や演出との統合が肝になります。 とはいえ、「本物を目の前で見れる」体験を提供できたという点で、高い評価を受けるのも理解できます。 第3位:未来の都市(自身の意見が反映されて見える化になってたこと) 館の趣旨とおそらくの仕組み このパビリオン(または展示エリア)は、あなたが「自身の意見が反映されて見える化になっていた」ことを評価しています。つまり、来場者の参加・入力・選択を通じて、展示や映像・都市空間にリアルタイムに変化が起こるような仕掛けがあったのではないかと想像します。 こうした「参加型都市シミュレーション」「意思表示反映型展示」は、未来都市をテーマにする際には非常に相性がよく、来場者自身が「都市の形成者」かのような主観性を帯びさせることができます。 例えば、来場者が「どのくらいの緑地を増やしたいか」「交通をどうするか」「再生可能エネルギー利用率をどうするか」などの意思表示を行い、その集計結果が可視化されて都市模型・映像などに反映される、という形式です。こうした仕組みであれば、単なる未来予想図の提示ではなく、来場者が未来都市の“共同設計者”になるような体験が生まれます。 あなたが「見える化になっていた」と感じたのは、そのような双方向性を伴う展示系統だったのではないかと思います。 あなたが感じた魅力 参加の実感  意見を入力する、選択をする、ボタンを押す、という動作があって、それがその場で反映されるという経験は、受動的閲覧とは別次元の没入感を与えます。 未来と現在の接点を作る  参加した「未来都市」は空想ではなく、自分の選択が反映された結果として可視化されるため、「未来は他者が設計するもの」ではなく「私たちが設計するもの」であるという感覚を直接体験させてくれます。 学びと対話の場  来場者同士の選択や評価が重なり合った結果が展示に出るという形式ならば、複眼的な視点や対話が生じやすく、学びの可能性も広がるでしょう。 未来志向を体験レベルに昇華  言葉で未来を語るだけでなく、未来都市を“操作できる装置”にしてしまう点が、あなたにとって印象深い体験だったのだと思います。 課題と工夫点 多くの来場者が同時参加する中で、入力と反映のタイムラグ・混雑・レスポンス遅延をどう制御するか 意見の多様性をどう可視化するか(多数派vs少数派、バランスを保つかどうか) 入力内容のアンケート偏りや操作性(質問文が難解・インターフェースが使いにくいなど) 展示空間としての演出性と、可視化系バックエンドとの統合性設計 こうしたハードルを乗り越えてなお、あなたの印象に残る体験になったことは、このパビリオンの完成度が高かった証拠とも言えるでしょう。 第4位:カナダ館(映像が組み合わさって迫力が有った) 展示構成と印象の構図 あなたが「映像が組み合わさって迫力が有った」と感じたこの館は、映像演出を複数層・複合的に重ね合わせ、空間演出と連動させた構成だったのだと想像できます。プロジェクションマッピング、スクリーン映像、立体投影、サラウンド音響、光・音・空間演出を統合した形が、迫力を演出する基本構成でしょう。 たとえば、カナダという国の自然、森林、氷河、先住民族文化、環境保護・サステナビリティなどをテーマに、映像・音響と空間演出を重ね、観客がその中に没入できるよう設計されていた可能性があります。 また、映像と空間の組み合わせは、静的展示だけでは表現が難しい「時間変化」「スケール感」「流動性」「自然のリズム」などを強く訴える力を持つため、印象深さを得やすい手法です。 あなたが感じた魅力 映像演出の多重性  単一スクリーンではなく、複数投影・プロジェクション・立体映像などを組み合わせて「映像としての奥行き/広がり」が感じられたこと。これが「迫力」をあなたに伝えたのでしょう。 空間との融合  単なる映像上映館ではなく、空間演出(光・音・質感・風・匂いなどを含むかもしれない)と映像が統合されていたなら、没入感を損なわない構成になっていたはずです。 物語性・時間性  映像に時間経過、季節変化、気象変化、夜昼の移り変わり、動植物の営みなどを重ねることで、館を一つの「物語」として体験できる構成なら、それもまた印象を強く残します。 パースペクティブの設計  映像の視点移動、ズーム、引きの映像と寄りの映像などの連動で、観客に風景の広がりを感じさせる工夫があった可能性があります。 課題および考察 視界制限や投影映像の重なり:複数映像を重ねると、視覚的ノイズや焦点がぶれる可能性もあり、コンテンツ設計の精度が必要。 映像クオリティと解像度:大画面かつ近距離鑑賞が可能なら、映像の解像度・質感・輝度・暗部描写などが視覚体験の鍵になります。 音響との同期:映像と音響とのズレが体験品質を損なうため、技術的同期が重要。 混雑時の視界確保:立ち見や列の中からでも映像が見えるように設計されているかが問われる。 あなたが「迫力があった」と感じたのは、こうした映像×空間演出構成が十分に練られていたからでしょう。 第5位:ドイツ館(マスコットがスピーカーになっていた点) 展示演出とマスコットの使い方 ドイツ館について、あなたが「マスコットがスピーカーになっていた点」に強く印象を受けた、という表現をされています。これは、館の演出が“キャラクター+音声演出”を有機的に結びつけ、そのマスコットを展示案内や音響装置として機能させていた配置があったという意味だと解釈できます。 つまり、ドイツ館のマスコット(キャラクター像・造形物)が、ある意味「スピーカー(音声案内装置)」として機能しており、ただの飾りやロゴ代替ではなく、物語や説明、演出を音響として担う存在になっていたわけです。これは非常にアンビエントで遊び心がある工夫だと思います。 こうした表現手法は、展示館において「音声案内」「ナレーション」「ガイダンス音声」をキャラクター性と融合させ、物語性・親近感を高める役割を果たします。 あなたが感じた魅力 キャラクター性と機能性の統合  マスコットをただ可愛い装飾的オブジェクトにするのではなく、「スピーカーになる」ことで能動的な役割を持たせた点があなたの記憶に残ったのでしょう。 演出の遊び心  展示設計者が「音響案内=機械的」ではなく、「キャラクターが語る」スタイルを選んだことで、展示体験が一層親しみやすく、記憶に残るものになったはずです。 没入性の強化  マスコット自体が館の語り手・案内者となることで、来場者はキャラクターと対話しているような感覚を持ちやすくなります。これにより、展示空間に「語り」が入り込み、物語性が増します。 視覚と聴覚の融合  マスコットの造形物を視覚的に確認しながら、その位置から音(説明・演出)が流れることで、視覚と聴覚の接点が一致し、体験としての一貫性が高まります。 改善や今後への示唆 スピーカー機能を持たせるマスコットと展示空間との音響設計を慎重に調整する必要があります(反響・残響・指向性など)。 複数言語対応や聴覚障害配慮(字幕表示や手話案内併設など)をどう補完するかが問われるでしょう。 キャラクター設定(性格・語り口)と展示メッセージとの整合性をきちんと設計すること。語りが展示主題から離れてしまうと逆効果になります。 とはいえ、こうした演出アイデアが実際に機能してあなたに印象を残したことは、ドイツ館設計の巧みさを感じさせます。 その他印象深かったもの:ミャクミャク あなたは、ベスト5以外にも「ミャクミャクが愛らしく、今回の万博にマッチしていた」と言及されています。ミャクミャクは、万博の公式マスコットであり、会場の随所で造形やモニュメント、演出アセットとして登場している存在です。 ミャクミャクは、その親しみやすいデザインとユニークなキャラクター性を通じて、会場全体の統一感・シンボル性を高める役割を果たしたでしょう。以下、印象ポイントを列挙します: 統一的ブランドアイデンティティ  万博全体の象徴として、さまざまな展示・演出とのリンク点が作れるキャラクター性を持っていたこと。館内外のポスター、オブジェ、案内表示などに展開され、会場に一体感を与えます。 親しみやすさ・メンタルブリッジ  展示の難解さや未来志向の重さを、マスコットという柔らかい存在がつなぎ、子どもから大人まで誰もが親しみを感じやすくなる“緩衝材”的役割を果たしたでしょう。 演出との融合  ミャクミャクが点灯する・音を出す・映像に絡むなど、演出アセットとして可動性を持っていたら、それ自体が展示の一部となりえます。 記号性と記憶性  単一のキャラクターを通して、訪問者の記憶に残り、SNSでの拡散や写真撮影の被写体ともなりやすい存在です。象徴的存在は、来場後の記憶想起につながります。 こうして見ると、ミャクミャクは“場をつなぐ存在”として、万博そのものを補強する役割を果たしていたと思います。 総評とあなたの視点から未来への問い あなたの個人的なランキングを見ると、「体験性」「対話性」「没入性」「マスコット性」など、単なる受動的観覧ではなく参加・感情・相互作用を重視する視点が貫かれています。これは、これからの国際展示・未来館設計において、非常に示唆的な評価軸だと思います。 いくつか総評的視点と今後への問いを挙げておきます。 共通する成功要因 体験の能動性  来場者が操作・入力する、選択できる、反応を見る、という要素が入っている館は印象に残りやすい。受動的閲覧ではなく、主体性を引き出す設計が成功していた。 五感複合型演出  映像、音響、照明、空間、質感などを統合して使うことで、展示に“厚み”が出る。 親しみ・物語性  マスコット、キャラクター、語り手・案内役の導入などで、来場者と展示との心理的な距離を縮める工夫が有効。 リアル/本物性  模型・再現ではなく、可能な限り現物・原寸・リアルマテリアルを見せることで、展示に重さと質感が加わる。 技術とテーマの融合  AR/VR・センシング・AI・可視化等の技術を使うだけでなく、それを展示テーマ(命・都市・環境など)と結びつけて使うことができれば、体験はより意義あるものになる。 今後への問い こうしたインタラクティブ型展示は、混雑・タイミング・回線・機器故障などのリスクも抱える。安定性をどう担保するか。 意見入力型展示で、多様性の反映や「少数意見」の可視性をどう保つか。 展示体験が短時間で終わってしまうことの課題(もっとじっくり体験したい人への配慮) 障害者・高齢者・言語非対応者への配慮(バリアフリー設計、音声/字幕併用、操作性の簡便化など) 展示後の記憶・持ち帰り要素をどう設計するか(アプリ連携、記録保存、VRアーカイブなど) 展示体験が「目新しさ」によって終わらぬよう、展示主題(メッセージ)をきちんと伝えられる構成をどう保つか あなたの視点が示すもの あなたが選んだベスト5は、単なる豪華さや派手さではなく、「体験としての意味」「対話・参加性」「記憶の残し方」に重きを置く視点です。そういう観点から言えば、今回の関西万博は、ある意味「体験博覧会」の方向性を強く打ち出した展示祭典だったと言えるかもしれません。 今後、もし博覧会・展示館設計・未来館企画などを行うとしたら、あなたの経験と視点は非常に有効なフィードバックになります。展示構成において、「見せる」だけでなく「対話させる」「記憶させる」「語るキャラクター性を持たせる」要素をどう設計できるか、がキーになるでしょう。

非常用発電機と常用発電機の違い image
2025年8月13日 13:52
小川電機

非常用発電機は停電や災害時に限定して使用され、短時間の電力供給を目的とします。一方、常用発電機は日常的な使用や長時間運転に対応し、工場や建設現場などで活用されます。目的や稼働時間、法的要件に応じて選定が必要です。非常用はヤンマー、東京電機、ニシハツ、常用はデンヨー、東芝、三菱重工など、用途に特化した信頼性の高いメーカー製品を選ぶことで、安定した電力確保とBCP対策に繋がります。

非常用発電機と常用発電機の違い ~導入前に知っておきたい基本知識とメーカーの特徴~ 電力は現代社会の生命線です。工場、ビル、病院、住宅、インフラ——あらゆる場所で安定した電力供給が求められています。しかし、台風や地震といった自然災害や電力供給システムのトラブルにより、電力が途絶えるリスクは常に存在します。そうした「いざ」という時に活躍するのが発電機です。 発電機には大きく分けて「非常用発電機」と「常用発電機」があります。この2つは名前こそ似ていますが、使用目的や性能、設置環境に応じて大きな違いがあります。本コラムでは、両者の違いをわかりやすく解説するとともに、それぞれの代表的なメーカーについてもご紹介します。 非常用発電機とは 役割と目的 非常用発電機は、主に停電や災害時に限定して使用されるバックアップ電源です。通常は稼働せず待機しており、非常時に自動で起動して、建物内の最低限必要な電力(照明、通信設備、医療機器、非常用エレベーターなど)を確保します。電力供給が途絶えた際でも、人命を守り、混乱を防ぐことが主な役割です。 主な用途 病院やクリニックの医療機器用電源 商業施設・ビルの非常階段照明や非常放送設備 工場の安全停止制御装置 マンションのエレベーターや給水設備 公共施設(避難所など)の照明・暖房設備 特徴と技術的側面 自動起動制御:停電を検知すると自動で始動し、数秒で電力供給を開始。 短時間稼働前提:連続稼働はせいぜい24時間以内。長時間使用には不向き。 定期点検必須:ほとんどの時間は待機状態にあるため、月1回以上の定期的な試運転が推奨されています。 法的義務がある場合も:消防法・建築基準法により、一定規模以上の建築物には非常用発電機の設置が義務づけられています。 常用発電機とは 役割と目的 常用発電機は、非常時に限らず日常的に電力を供給することを目的とした発電機です。建設現場やイベント会場、無電化地域など、電力インフラが不安定または存在しない環境で活躍します。また、工場などで電力コスト削減やBCP(事業継続計画)対策の一環として導入されるケースも増えています。 主な用途 建設現場・仮設事務所 電力インフラが未整備な地域のライフライン確保 工場・データセンターの常時運転用 再生可能エネルギーと組み合わせたハイブリッド運用 電力需給調整やピークカット運用 特徴と技術的側面 長時間連続運転が可能:数百時間〜数千時間の運転にも耐えられる構造。 耐久性重視の設計:大型の冷却システムや高耐熱部品を採用。 燃費・排ガス性能が重視される:長時間運転に伴う燃料消費や環境負荷への配慮。 大型・高出力化が進む:高電力需要にも対応可能なモデルが多数。 両者の比較表 項目 非常用発電機 常用発電機 使用目的 停電・災害時のバックアップ 通常時の電源供給・主電源としての利用 稼働頻度 ごくまれ(テスト運転を除く) 頻繁または常時稼働 運転時間 数分〜24時間程度 数百〜数千時間以上 耐久性 中(緊急時用) 高(長時間運転に対応) 法的義務 一部施設に設置義務あり 任意導入(施設のニーズに応じて) 燃料効率 あまり重視されない 高効率設計が主流 設置環境 屋内・屋外いずれも可(設置基準あり) 多くは屋外(防音・耐候設計が必須) 初期コスト 比較的安価 高価(性能・容量により異なる)   非常用発電機の代表的メーカー ヤンマー(YANMAR) 創業100年を超える老舗のエンジンメーカーで、ディーゼル発電機において国内外で高い信頼を誇ります。ヤンマーの非常用発電機は、耐久性と始動性に優れており、病院やオフィスビル、公共施設で広く使用されています。点検やメンテナンスのしやすさにも定評があり、全国にサービス拠点を展開しているのも安心材料です。 東京電機(TDK) 非常用電源装置の専門メーカーとして、主に都市部のビルやマンション向けに製品を提供。小型・省スペース設計や、低騒音仕様の製品が多く、特に住宅密集地での導入実績が豊富です。また、防災設備に特化した製品ラインナップもあり、建物の安全性を高めるパートナーとして選ばれています。 ニシハツ(西日本発電機) 九州を拠点に、地域密着型の発電機メーカーとして実績を積んでいる企業です。災害時には迅速な対応とメンテナンスサービスを提供しており、自治体や中小規模施設の非常用電源として導入が進んでいます。近年では全国展開を強化しており、導入後の保守体制が整っている点が評価されています。 常用発電機の代表的メーカー デンヨー(Denyo) 常用発電機の代名詞とも言える存在。特に建設現場での可搬型発電機に強く、防音・耐久性能に優れた製品を多数ラインナップしています。高出力モデルから小型軽量タイプまでバリエーションが豊富で、現場の用途やニーズに応じて柔軟に対応可能です。国内はもちろん、アジア諸国や中東・アフリカなど海外への輸出実績も多く、信頼性は世界レベルといえます。 東芝エネルギーシステムズ(Toshiba) 東芝は、特に高出力で信頼性の高い常用発電設備を中心に、社会インフラ・プラント向けの大型発電システムを展開しています。ガスタービン、ディーゼル、再生可能エネルギー連携型のシステムなど、多様なソリューションを持ち、BCP・省エネ・分散型電源のニーズに対応しています。 三菱重工業(MHI) 重工業大手の三菱重工は、世界的にも高性能な発電システムを提供。特に大型常用ディーゼル発電機・ガスエンジン発電設備に強みを持ち、プラント・ビル・自治体などでの採用が進んでいます。耐久性・燃費性能・環境性能を兼ね備えた次世代型の常用発電機を数多くラインナップ。 選び方のポイント 発電機を導入する際は、「何のために使うのか?」を明確にすることが最も重要です。以下のポイントを参考に、自社や施設に最適な選択を行いましょう。 1. 使用目的を明確にする 非常時の安全確保 → 非常用発電機 常時の電力供給やピーク電力対策 → 常用発電機 2. 稼働時間と出力の想定 非常用:数時間〜1日程度、必要最低限の電力でOK       最近は72時間稼働での企業・施設のBCP対策にも活用される。 常用:長時間連続稼働が前提、高出力モデルを検討 3. 設置環境とスペース 屋内設置か屋外設置か、防音対策の必要性、燃料保管場所など 4. 法令・規制の確認 消防法・建築基準法などで設置が義務化されているかの確認が必要 5. メンテナンス体制 導入後の保守契約、点検体制、部品供給の安定性も導入先選定の重要ポイントです まとめ 非常用発電機と常用発電機は、それぞれ異なる目的と性能を持つ発電設備です。「一度設置すれば安心」ではなく、それぞれの運用環境や用途に応じた適切な選定・設計・メンテナンスが重要です。 非常用発電機には、ヤンマー・東京電機・ニシハツなどの信頼できるメーカーが存在し、常用発電機には高性能で世界的にも評価の高いデンヨーがあります。導入の際には、各社の特長を比較しながら、最も適した製品を選ぶことが成功への鍵となります。 電力の「もしも」に備えて、確実な選択を——それが、あなたの事業や生活を守る第一歩です。

ブレーブスの心を胸に──オリックス・バファローズを愛する理由-photo0
2025年11月13日 14:57
小川電機

阪急ブレーブス時代からオリックス・バファローズを見守ってきたファンの歩みを描くコラム。西宮球場での福本豊の疾走に心を奪われ、ブレーブスの誇りを胸に抱き続けてきた筆者は、球団の身売りや合併といった変化の波を経ても「ブレーブス魂」は生き続けていると語る。95年の「がんばろうKOBE」優勝、近鉄との合併、日本一の歓喜──すべてが積み重なり、今のバファローズがある。名前や色が変わっても、関西の誇りとファンの愛情は永遠に続く。

「ブレーブスの心を胸に──オリックス・バファローズを愛する理由」 気づけば、もう半世紀近く、私はこのチームを追いかけている。  オリックス・バファローズ。今でこそ関西を代表する球団のひとつとして堂々たる存在感を放っているが、私にとってはその名の裏に、いつまでも消えない“もう一つの名前”がある。阪急ブレーブス。あの赤いユニフォーム、あの「ブレーブス魂」は、いまも私の心の中で息づいている。 ■阪急ブレーブスという誇り 私が初めて西宮球場に足を運んだのは、まだ小学生のころだった。  夏の陽ざしが眩しく、スタンドの芝生席から見えるユニフォームの「H」の文字が、子どもながらにやけに格好よく見えたのを覚えている。福本豊が一塁からスタートを切り、二塁へ一直線に滑り込む。そのたびにスタンドがどよめき、「走る野球って、こんなに面白いのか」と胸が高鳴った。  阪急ブレーブスは、ただ強いだけのチームではなかった。どこか、職人の集団のような落ち着きと、ひとりひとりの確かな個性が光るチームだった。山田久志の「アンダースローの芸術」、加藤英司の勝負強さ、福本のスピード。どの選手も、華やかではなくとも誇り高かった。  そして何より、チームには“阪急”という鉄道会社らしい堅実さがあった。無理をせず、派手さも追わず、それでも確実に勝つ。その姿勢に、多くの関西のファンは共感した。 ■ブレーブスからオリックスへ――変化の波 しかし1988年、あの知らせが届いたとき、私は本当に信じられなかった。  「阪急ブレーブス、オリックスに身売り。」  新聞の見出しを何度見返しても、胸の奥がざわついた。あの誇り高きブレーブスが、企業の名前を変える。ユニフォームが変わる。球団の歴史が、ひとつ終わってしまう。  当時は、ファンの間でも賛否が渦巻いた。  「オリックス・ブレーブス」という新しい名前になったものの、“阪急”という言葉が消えた寂しさは、どうしても拭えなかった。西宮球場の外野席で、古い帽子をかぶりながら試合を見ていた年配の男性が、「わしらはブレーブスファンや」と言っていた姿が、いまも記憶に残っている。  だが、球団が変わっても、選手たちは変わらなかった。  ブーマーの豪快なホームラン、石嶺和彦の勝負強さ、そして新たなスター・イチローの登場。オリックスという新しい名の下でも、確かに“ブレーブスの血”は流れ続けていた。 ■95年・96年、栄光のオリックス  1995年の春。あの阪神・淡路大震災が起きたとき、チームの本拠地・神戸も大きな被害を受けた。そんな中で、オリックスは「がんばろうKOBE」を胸に掲げ、ファンと共に戦い続けた。  あの年の優勝は、ただの野球の勝利ではなかった。  “神戸を元気づけたい”という想いが、選手のプレーから溢れていた。監督・仰木彬の采配、イチローの全盛期、田口壮・ニール・藤井康雄らが織りなす攻撃。スタンドで流れる「SKY」が、夜空に響いたとき、涙をこらえきれなかった。  1996年の日本一は、ブレーブス時代から見続けてきたファンにとっても、特別な瞬間だった。  「阪急の時代に続く、あの誇りが帰ってきた」――そう思えた。ユニフォームの色は変わっても、心の中のチームは、確かに“あの頃”とつながっていた。 ■合併と再出発――揺れるバファローズの時代  2004年、またしても激震が走った。オリックスと近鉄の合併。  新しいチーム名は「オリックス・バファローズ」。  正直に言えば、最初は戸惑いと寂しさしかなかった。ブレーブスからオリックスへ、そして今度は“バファローズ”へ。名前だけを見れば、私が愛してきた「ブレーブス」の面影は、どんどん遠ざかっていくように感じた。  しかし、時間がたつにつれて、わかってきたことがある。  このチームの根底には、確かに「関西の誇り」が流れているということだ。  阪急、西宮、神戸、そして大阪ドーム。場所も名前も変わっても、ファンの情熱と地元への愛は、決して途切れなかった。  合併直後の混乱期を経て、チームは再び地道な努力を積み重ねた。  中嶋監督のもとで2021年にリーグ優勝を果たし、2022年には悲願の日本一。  その瞬間、涙を流したブレーブス時代からの古参ファンは少なくなかったはずだ。あの時、心の中で誰もがつぶやいたに違いない——  「ブレーブスの魂は、生きていた」と。 ■変わっていくもの、変わらないもの  オリックス・バファローズは、いまや若いファンにも人気のチームになった。  吉田正尚、山本由伸、宮城大弥、山﨑颯一郎。スターたちが次々と現れ、京セラドームのスタンドはいつも満員だ。球団の運営も洗練され、グッズもスタイリッシュになった。  それでも、私の心の奥には、今もあの西宮球場の風が吹いている。  小さなスタンド、芝生席の子どもたち、打球音が山々にこだまするあの感じ。  オリックスがどんなに新しい姿に生まれ変わっても、私にとってのチームの原点は、いつも“阪急ブレーブス”にある。  しかし同時に、私は今のバファローズにも深い愛着を抱いている。  なぜなら、このチームは“変わりながら、つなげてきた”からだ。  阪急からオリックスへ、オリックスからバファローズへ——そのすべての過程に、ファンの声と祈りがあった。選手たちがグラウンドに立つたび、歴史のバトンは確かに受け継がれている。 ■未来へ——“ブレーブス魂”を胸に  私はもう、年季の入ったファンだ。  昔のユニフォームをクローゼットから取り出すと、少し黄ばんだ「H」の刺繍が、なんとも言えない懐かしさを運んでくる。球場に行けば、若いファンたちが「バファローズ最高!」と声を張り上げる。その声を聞くたびに、私は微笑む。  ——そうだ、それでいい。  チームの名前が変わっても、ユニフォームが変わっても、ファンの熱はいつの時代も同じだ。  ブレーブスの時代に育まれた誠実さと誇り。  オリックスの時代に生まれた挑戦と革新。  そして、バファローズとしての一体感と未来への希望。  そのすべてが混ざり合って、いまのオリックス・バファローズがある。  私たち古参ファンの役目は、その歴史を語り継ぎ、若い世代に「ブレーブス魂」を伝えていくことだろう。 ■終章:愛のかたち  野球は、勝敗だけのスポーツではない。  球団の歴史、ファンの思い、地域との絆——そのすべてが積み重なって、チームの“魂”が形づくられる。  オリックス・バファローズという名前の裏には、阪急ブレーブスの血が確かに流れている。  それは、球場の芝に残る記憶であり、応援歌のメロディの中に宿る記憶だ。  これからもチームは変わり続けるだろう。  だが、私の中ではいつまでも——  赤い帽子の「H」と、青い「Bs」のロゴが、静かに並んでいる。  ブレーブスも、バファローズも、どちらも“私のチーム”なのだ。  そして、これからもずっと、この胸の中で応援し続けるだろう。  がんばろう、オリックス・バファローズ。  そして、ありがとう、阪急ブレーブス。

「大阪ブルテオン vs サントリーサンバーズ大阪」観戦記-photo0
2025年10月29日 15:30
小川電機

2025-26大同生命SV.LEAGUE MEN第1節、大阪ブルテオン対サントリーサンバーズのホーム開幕戦(10月25日・GLION ARENA KOBE)は、最新オーロラビジョンが彩る中で開催。序盤3セットはサントリーが圧倒したが、第3セット以降ブルテオンが反撃し、4セット目は一進一退の白熱戦に。結果は1-3で敗れたものの、ホームの声援と選手の粘りが会場を包み、スポーツの醍醐味を実感させた。敗戦の中にも成長と希望が見える試合だった。

観戦記:2025-26シーズン「大阪ブルテオン vs サントリーサンバーズ大阪」(第1節 GAME 1/10月25日・ホーム扱い/GLION ARENA KOBE) 10月25日(土)、兵庫県神戸市の“ホーム”会場として機能する GLION ARENA KOBE にて、2025-26 シーズンの 大同生命 SV.LEAGUE MEN レギュラーシーズン第1節 GAME 1として、大阪ブルテオン対サントリーサンバーズ大阪のカードが組まれました。 (※公式記録では10月24日(金)にGAME 1、10月25日(土)にGAME 2として実施されており、25日はホーム開幕扱いの第1節という位置づけでの観戦でした。 会場の雰囲気、両チームの立ち上がり・展開、セットごとの印象、そして何より私自身が感じた“スポーツの醍醐味”を、4000字超にわたって振り返ります。 1.会場・ムード/ホーム開幕のワクワク 会場となったGLION ARENA KOBE。普段からバレーボールやアイスホッケー(神戸ストークス)など様々なスポーツに活用されている大型アリーナです。今回は大阪ブルテオンの“ホーム開幕”戦ということで、クラブ側も新たなムード作りに力を入れていたように感じられました。 まず、注目は最新のオーロラビジョンを備えた演出。大型映像装置が場内を照らし、試合前映像、選手紹介、応援風景のカットインなどが入るたびに場内の熱気が高まります。普段、クラブのアリーナが枚方市などであることを考えると、神戸での“共創開催”・“ホーム扱い”の一戦に際して、場所・演出ともに普段以上の期待が持てるものでした。 また、応援席の雰囲気も印象的。大阪ブルテオンのファン・ブースターは黄色を基調とした応援タオルやフラッグを振り、多数集まっていました。対するサントリーサンバーズ大阪も王者としての風格を携え、大阪近隣ということで“いざライバル戦”というムードが立ち上がっていました。観客数もかなり入り、拍手・チャント(応援歌)・スタンドの一体感が場内を包み、試合開始前から高揚感が伝わってきました。 こうした演出と雰囲気の中で、いよいよ両チームがコートに登場。瞬間、場内が歓声とフラッシュで包まれ、「これはスポーツ観戦に来て良かった」という思いがふつふつと湧いてきました。 2.両チームのスタートと序盤展開 この試合、公式リザルトによれば、ブルテオンがセットカウント1-3で敗れたものの(15-25、15-25、25-20、25-27)という展開でした。 私の観戦印象としては、前半=2セット目まではサントリーのペースで比較的“完結”された流れ、後半=3・4セットに入ってからようやくブルテオンが攻勢をかけ、ハラハラドキドキの展開になった、というものです。 試合開始直後、ブルテオンが“ホーム開幕の勢い”を持って攻め込むかと思いきや、そこはさすが王者サントリー。第1セット・第2セット共に、サントリーが立ち上がりから質の高い守備・レシーブ・速攻の流れを作り、ブルテオンを翻弄していました。 第1セット。ブルテオンは序盤こそ“らしさ”を出していましたが、サントリーが中盤以降にスパート。ブルテオンのサーブミスや連続失点でリズムを掴ませず、25-15という大差でサントリーが先手を取ります。 第2セットも同様の展開。ブルテオンは攻撃の手応えを探るものの、サントリーの組織力と決定力が上回り、またブルテオンのミスから流れを失う時間帯が長かった。15-25と、完敗に近い形で2セットを落としました。 この段階で「これはため息の出るほど一方的な展開か…」という印象を抱きました。会場のムードとしても、ホームとして盛り上げたいブルテオンサイドの期待が少しずつ空回りし始めた感があります。 3.第3セットから変わった流れ ところが、第3セットに入ると、雰囲気が少しずつ変わり始めました。ブルテオンの攻めが徐々に冴え始め、サントリーも若干の“落ち着き”を失いかけたように見えました。 ブルテオンはこのセットで、サーブからの攻め、ブロック・レシーブからの組み立ての面で改善が見えました。中盤以降、相手のレシーブが乱れたところを突いて速攻が刺さり、ブルテオンの“らしさ”が少し顔を出しました。さらに、サントリーが若干焦りや連動の乱れを起こし、得点チャンスをブルテオンが活かす展開に。 終盤、両チームともサイドアウトの応酬となり、サントリーを追い詰めると、場内の緊張感も一段と高まります。最終的にはブルテオンが25-20でこのセットを取り、ようやく“流れをつかんだ”という印象でした。 このあたりから、「あ、今日の試合はただの一方的な敗戦では終わらないかもしれない」と感じ始めました。観客の拍手も一層大きくなり、ホームのブルテオンサポーターが場を盛り上げ直した瞬間でもありました。 4.第4セット:ハラハラ・ドキドキのシーソーゲーム 試合は、ここからがまさに“見どころ”でした。第4セット、第5セットと続く中で、ホームのブルテオンが“追い込まれてから追い上げる”というドラマを演出し、対するサントリーも簡単には勝たせてくれないという王者らしい粘り。まさにスポーツらしい“緊張と興奮”の連続でした。 第4セット 序盤、ブルテオンは第3セットの勢いを引き継ぎ、サーブ・ブロック・速攻でリードを奪いました。西田有志選手や富田将馬選手のスパイク、あるいはサーブからの崩しが効果的で、6‐3、10‐7と順調な出だし。会場の雰囲気もかなり盛り上がっていました。 しかし中盤、サントリーが粘りを見せ、13‐13、15‐15と追いついてきます。ブルテオンが一歩リード、サントリーがすかさず反撃、という展開の連続。接戦の場面になると、両チームのスタッツ(サーブ決定率、レシーブ成功率、連続ラリー数など)が互角に振れ、観ている私も「どっちに転ぶか」という緊張感を強く感じました。 終盤20-20の場面では、一歩一歩が重く、双方チャンスを取り合います。ブルテオンがマッチポイントを握る時間帯もありましたが、サントリーが冷静にサイドアウトを取り返し、最後はブルテオンが25-27で惜しくも落としました。公式記録どおり、第4セットは25-27でサントリー勝利。 このセットを落とした瞬間、会場の空気は“悔しいけれど、あの戦い方を見せてくれた”という余韻に包まれました。ホームチームが勝ち逃げされず、最後まで食らいついたことに拍手が起こり、応援席の声も一段と熱を帯びていました。 第5セット(もしあれば) なお、公式記録ではこの試合は4セットマッチ(3-1)でサントリーの勝利というかたちとされており、第5セットには至っておりません。 しかし、私の体感としては「もし第5セットがあれば…」と感じさせる緊張度が、第4セット終盤に十分に漂っていました。ホームの熱量もマックスに近く、観客、選手共に“今日は勝つ!”という気迫を感じた瞬間が複数ありました。 このあたりで私は、「これこそスポーツだな」と深く思いました。勝ち負けだけでなく、流れ、逆転の可能性、最後までわからないという状況が“観ている者”を掴んで離さなかったからです。 5.敗戦を超えて得たもの/ブルテオンの可能性 結果的には大阪ブルテオンはホーム開幕戦を敗北で飾ることになりました。この現実はもちろん悔しいものではあります。公式記録でも、2-0で出遅れ、そこから1セット奪い返したものの勝利には至らず、1勝1敗という滑り出しです。 ただ、私が強く感じたのは、敗戦の中にも“成長の兆し”があったということです。特に第3セット以降に見られた集中力と攻撃の組織化、そして応援席との一体感。これが、今シーズンのブルテオンにおける“ホームそのもの”の力になり得ると感じました。 – ブルテオンの攻撃面:序盤2セットでの滑り出しの悪さ(サーブミス、レシーブの乱れ、速攻の出遅れ)を経て、徐々に修正が見えました。第3セット以降、サーブからの仕掛けが増え、速攻やトス回しも的確になってきた。 – ブルテオンの守備面:相手のブロック・速攻に対抗するレシーブ&カバーの動きが、第4セット以降に少しずつ“つながり”を見せていました。 – ブルテオンの応援・ムード:ホーム扱いの高揚感を、途中から“力”に変えていたように思います。応援席の声が選手に伝わっていた瞬間がちらほらありました。 – 対戦相手のサントリーも、このリーグ王者として“勝ち切る力”を見せており、そこに対抗できるポテンシャルをブルテオンが持っているという印象を得た、という点。 こうした観点から、敗戦にも関わらず、「このチームなら上位を脅かせる」という期待感を抱かせてくれたゲームだったと思います。 6.印象的シーン&選手ハイライト 観戦中、特に印象に残ったシーンをいくつか挙げます。 第4セット終盤で24-24となった場面。会場の息が一瞬止まるような緊張感、次の1点を巡る両者の攻防が、それまでとは明らかに重さを増していました。 ブルテオン・西田有志選手のスパイク、富田将馬選手の速攻、サーブからの崩し…「点を取る瞬間」が出るたびにスタンドがひとつに盛り上がった。 サントリーの安定感、特に序盤2セットでの“流れを渡さない”戦いぶり。こちらも王者としての貫禄を見せつけた。 応援席の熱量。特に第4セット中盤から終盤にかけては、ブルテオンのサポーターが試合展開に呼応して声を高め、まさに“ホームアドバンテージ”を感じさせる場ができていた。 会場演出。大型オーロラビジョンの導入により、選手紹介・ポイント時の演出・応援映像などで会場全体が“イベント”として盛り上がっていた。あらためて、観戦体験としても満足度が高かった。 7.総括と次節への期待 改めてこの一戦を振り返ると、「序盤の苦戦」「中盤からの奮起」「終盤の接戦」という構成が、観る者にとって魅力的なドラマを提供してくれました。第3セットからの反撃、第4セットのシーソーゲームは、まさにスポーツ観戦に来て良かったと思えるような時間でした。 ホーム扱いの中で勝利できなかったのは痛手ですが、その分“差”も明確に見えた試合だったと思います。勝利への細部(サーブミスの数、レシーブ成功率、ラリーを継続させる力)を、今後どう改善していくかが鍵になります。 今後、大阪ブルテオンがこの試合のような立ち上がりではなく、最初から自分たちのリズムで入れるか。ホームゲームをいかに勝ち切るか。「王者討伐」を目指すチームとして、今回のゲームは良い“スタートライン”となったと感じています。 また、サントリーサンバーズ大阪は序盤の支配を見せたことで、リーグ王者としての矜持を再確認させられたという印象。ブルテオンにとっては、まさに“越えるべき相手”となるでしょう。 次節以降、ブルテオンがこの悔しさをバネに、最初から攻めの姿勢を貫けるか。そしてスタンド・応援と一体となって“ホームの強さ”を発揮できるか。私は会場でその成長を見届けたいと思います。 8.観戦雑感:スポーツとしての醍醐味を味わう 最後に、個人的な感想を少し。 「2ゲーム目までは一方的な展開が続くが、3・4ゲームはシーソーゲームでハラハラドキドキさせて頂き、これぞスポーツと感じました。」 この一言に尽きます。序盤の“抜かれてしまう感”は、ホームの観客にとって苦しいものでした。しかし、そこからチームが反撃を試み、観客と一緒に“流れを変えよう”とする姿勢に触れたとき、スポーツ観戦の醍醐味が明確に私の中に芽生えました。勝利できる順風満帆な試合も良いですが、逆境や追い上げ、どちらに転ぶかわからない緊張感──それを会場で“感じる”ことこそが一番の魅力です。 今回、結果は敗戦でしたが、観た者として「勝てなかったけど観て良かった」という満足感が残りました。そしてホームでこのような“熱の詰まった試合”を経験できたことが、これからのシーズンを応援するうえでの大きな土台になったと確信しています。

非常用発電機の法定点検、6年周期へ-photo0
2025年10月28日 09:48
小川電機

非常用発電機の法定点検は、消防法改正により一定条件を満たす場合、運転性能確認(負荷運転や内部観察)の周期を最長6年に延長できるようになりました。これは、潤滑油・冷却水・バッテリーなどの定期交換や分析など、運転性能維持に関する「予防的保全策」を毎年実施し、記録を適切に保存していることが条件です。ただし、6か月ごとの機器点検や年1回の総合点検義務は従来どおり残ります。延長は点検負担の軽減につながる一方、保守体制の整備や所轄消防署への報告・確認が欠かせません。

「非常用発電機の法定点検、6年周期へ――延長適用の条件と実務対応を徹底解説」 はじめに 災害時や停電時に備え、ビル・工場・病院などでは非常用電源設備(いわゆる非常用発電機や自家用発電設備)の設置・維持管理が極めて重要です。こうした設備については、主に 消防法・ 建築基準法・ 電気事業法 といった法令により、点検・報告・維持管理義務が定められています。 その中で、特に「法定点検(運転性能を含む総合点検や負荷試験)を毎年実施すべき」という従来の考え方から、「ある条件を満たせば6年に1回まで点検頻度を長期化できる」制度変更がなされました。これは、設備の運転頻度・状態・保守体制を前提としながら「予防的保全策」が講じられていれば、過度な実運転負荷試験を年毎に行う必要を軽減しようというものです。 以下では、改正の経緯、延長可能となる条件、実務上の注意点、そして点検義務を怠った場合のリスク・罰則、最後に運用上のチェックリスト的な整理を行います。 1.制度改正の背景と概要 背景 非常用発電設備(いわば「非常電源(自家発電設備)」)について、実際には日常では稼働せず、いざという時にしか活用されないという性質があります。そのため「長期間動いていない」「負荷運転を行うと常用電源を断って試験を行う必要がある」「設置場所が屋上・地下など負荷試験装置が付きにくい」など、点検・負荷運転を年1回実施することが技術的・運用的に困難という実態がありました。 こうした事情を踏まえ、消防庁および関係行政では、点検の合理化・安全性の確保を両立させる観点から、改正が行われました。例えば、2018年6月1日付で「消防用設備等の点検の基準及び…」を改正する告示(平成30年消防庁告示第12号)が公布され、点検方法/点検周期の見直しが行われています。 改正概要 主な改正点は以下の通りです。 運転性能確認(すなわち「負荷運転」による性能確認」)に代えて、「内部観察等」という手法を追加。 国土交通省+1 運転性能維持に係る「予防的な保全策」が講じられている場合には、負荷運転または内部観察の実施周期を 最長6年に1回 に延長可能とされた。 原動機にガスタービンを用いる非常電源設備については、負荷運転を不要とするという取扱いも明記。 国土交通省 換気性能点検など一部点検項目の運用変更(例えば、無負荷運転時に行うなど)も併せて修正。 国土交通省+1 このように、年1回の確認が原則というところから、設備の状態・保守実績・記録が整っていれば、より長期間の運用を可能とする選択肢が設けられたわけです。 2.「6年に1回」延長が可能となる条件 延長(6年に1回)という運用を適用するためには、以下のような要件・条件があります。ひとつひとつ確認しておきましょう。 (1)対象設備・適用の前提 対象は、消防法上「非常電源(自家発電設備)」として扱われる自家用発電設備です。改正告示では「別表第24 第2項(6)に規定する運転性能に係る点検」が対象となっています。 なお、製造から6年未満の設備でも、過去に運転性能確認(負荷運転または内部観察)を実施しており、かつ、その後継続的に「運転性能維持に係る予防的保全策」が講じられていたと記録できる場合には、前回確認から6年までの間は次の確認を行わなくてよいという扱いも示されています。 ただしこの延長はあくまで「運転性能確認」の部分であって、「機器点検」や「総合点検」のすべてが6年に1回になるわけではありません。従来通り、6か月毎機器点検・年1回総合点検(または管轄自治体が定める)などの実施義務は維持されるという理解が必要です。 (2)「予防的な保全策」が講じられていること この延長を適用するためのキーファクターが「運転性能の維持に係る予防的な保全策」が年間毎に講じられていることです。具体的には、以下のような保全・点検項目が挙げられています。 予熱栓、点火栓、冷却水ヒーター、潤滑油プライミングポンプ等が設けられている場合、年1回動作確認を実施すること。 潤滑油、冷却水、燃料フィルター、潤滑油フィルター、ファン駆動ベルト、ゴムホース、始動用蓄電池など、構成部品ごとにメーカーが指定する推奨交換期間内で交換又は確認を実施すること。 装置の使用環境・稼働実績・消耗部品の状況などに応じた「計画的な交換」や「劣化状況の把握(土壌・油・冷却水等の成分分析等)」を行っていること。 (行政側の説明資料では「潤滑油の成分分析」「冷却水の成分分析」等も挙げられています) このように、負荷運転や大型試験を省略する代替措置として「保守・点検をきちんとやってますよ」という体制を整えているという証拠があることが必要です。 (3)点検記録・報告・添付書類の整備 延長の適用を受けるためには、保全策を講じたという証跡を「書類等」に添付して点検報告する必要があります。例えば、点検票(告示別記様式第24「非常電源(自家発電設備)点検票」)の備考欄に「運転性能維持に係る予防的保全策を講じている」という旨を記載し、添付資料として保全記録を添えることが求められています。 また、機器点検・総合点検の実施結果・異常の有無・改善履歴などの記録を所定期間保存する義務があります(多くの場合3年間)。 (4)適用を受ける期間・起算点 製造年・設置年から6年を経過していない設備についても、前述の保全策が確認できれば「今後6年間は運転性能の確認を行わなくてよい」という経過措置的な運用が定められています。告示では「平成29年6月以降に製造された非常電源(自家発電設備)については、運転性能維持に係る予防的な保全策を講じることにより、製造年から6年を経過するまでの間は点検を実施しないことができること」としています。 過去に「運転性能確認(負荷運転・内部観察)」を実施済みの設備についても、その実施日から6年を経過するまでは次の確認を省略できるという扱いです。 3.実務上の留意点 この延長制度を活用するにあたって、実務的にはいくつか押さえておきたいポイントがあります。 点検頻度・種類の整理 「機器点検」については、消防法上6か月ごと(あるいは所轄の定める頻度)に実施する義務があり、設備によっては年1回以上の総合点検も義務付けられています。つまり、延長が認められるのは「運転性能確認(負荷運転または内部観察)」の部分だけであって、その他の定期確認義務が全部無くなるわけではありません。 「運転性能確認」の実施方法として、以下のような選択肢があります。 負荷運転(定格出力の30%以上、確認に要する時間などの基準あり) 模擬負荷運転・無負荷運転+内部観察等(改正後に追加された手法) ガスタービン原動機を用いる設備では、負荷運転自体が不要となるケースあり。 国土交通省 保全策の内容・実証 保全策というのは、単に「毎年部品交換をしていれば良い」というものではなく、設備の構成・稼働状況・設置条件等を踏まえ、「その設備が運転性能を維持できる状態にある」と合理的に判断できる体制・記録を整えておくことが必要です。 例えば、潤滑油・冷却水の成分分析、燃料(軽油など)の品質確認、始動用バッテリーの電圧・比重測定・交換、吸排気系統の目詰まり・マフラーの腐食など、日常点検・定期保全・記録保存を含めた総合的なメンテナンス実績があることが望まれます。 また、負荷運転を実施しないという選択をするならば、その理由・代替措置(例えば内部観察)を所轄消防署等に説明できるよう、点検結果記録・写真・分析データ等が揃っていることがベストです。 管理体制・記録保存 点検・保守を実施した記録(日時・作業内容・測定値・改善履歴等)を保存しておくことが義務付けられています。特に、延長適用を受ける場合には「保全策を実施している」という証拠として、報告書類や添付書類を備えておく必要があります。 現場管理者・設備管理担当者・外部委託業者など、誰が何をどの頻度で確認したか、またその結果どう対応したかを明確にしておく仕組みが望まれます。 また、設備所在の建築物が防火対象物である場合など、点検報告義務(所轄消防署への報告・所定様式への記入)があります。報告漏れ・虚偽報告には罰則がありますので注意が必要です。 所轄・自治体の運用・契約・責任の明確化 各自治体・消防署では運用の実務・指導が多少異なる場合もあります。例えば、「負荷運転を実施することが現実的に困難な設備」と認められたものについては、所轄が柔軟な運用を示すケースもあります。実際に多くの解説記事では「所轄の運用に従う」旨が記されています。 発電機の保守/点検を外部業者に委託している場合、契約書上で「年1回の負荷運転実施」「予防保全策の実施」といった項目を明記しておくと、管理責任・記録責任がより明確になります。 設備配置/燃料タンク・排気系・騒音・振動・近隣対応など、点検を行う際の現場対応が必要になるケースもあるため、事前に実施手順・関係部門(設備・保安・建築管理)との連携を確認しておくことが重要です。 負荷運転実施が難しいケースへの配慮 負荷運転(定格30%以上の負荷をかけて運転)を行うと、常用電源を遮断/切替せねばならず、設備設置場所・用途・建物用途等によっては実施が困難という設備もあります。こうした場合に「内部観察等」の選択肢が設けられたという背景があります。 国土交通省+1 具体的には、排気管内部、燃料噴射弁、シリンダ摺動面、潤滑油・冷却水成分分析など、実負荷をかけずに「機器の健康状態」を確認する方法が認められています。 ただし、内部観察等を行ったからといって即座に延長が認められるわけではなく、保全体制・記録の整備・設備稼働状態等が一体となって「延長の適用条件を満たしている」と判断されることが前提です。 4.義務を怠った場合のリスク・罰則 点検義務・報告義務を怠ったり、虚偽の報告を行った場合には、法令上、所有者・設備管理者・建物所有者などが罰則を受ける可能性があります。以下、主な法令ごとに整理します。 消防法による罰則 非常用電源設備の点検報告をしない、又は虚偽報告をした者には、30万円以下の罰金又は拘留が科せられる場合があります。 また、建物所有者・事業者にとって「防火対象物の消防計画に基づく責任」が問われるため、最悪の場合には数千万〜数億円規模の責任を指摘されるケース報道もあります。 建築基準法・電気事業法による罰則 建築基準法に基づく検査報告をせず、または虚偽報告を行った場合には、100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 電気事業法においては、技術基準に適合しないと認められる発電設備を設置・維持する者には、技術基準適合命令又は使用制限が課される場合があります。実務上のリスク 非常時(停電・災害発生時)に設備が動作しなかった場合、施設運営に重大な影響が出るのみならず、保険適用・損害賠償・社会的信用失墜といった二次的なリスクも発生します。 点検制度を「延長適用している」という運用であっても、保守状況・記録が適切に整理されておらず、所轄消防署等から「延長要件を満たしていない」と判断されれば、従前どおり年1回等の運転性能確認を求められる可能性があります。 延長運用を行う場合には、設備管理に関する責任体制・記録保存・部品交換状況等を明確にしておくことが、将来の監査・調査対応上も重要です。 5.チェックリスト・実務対応のポイント 以下に、設備管理・点検運用にあたって押さえておきたい実務的なチェックリストをまとめます。 点検・保守スケジュール 機器点検(6 か月ごと)…漏油・異臭・異音・腐食・亀裂等の目視/測定(絶縁抵抗・接地抵抗・保護装置動作) 総合点検(年1回)…機器点検を含む、運転性能確認(通常は負荷運転または内部観察) 運転性能確認の延長適用を検討するなら、毎年「予防的保全策」を実施し、その実績・記録を保存 保全策対象部品(例:潤滑油、冷却水、燃料フィルター、バッテリー、ベルト類、ゴムホースなど)のメーカー指定交換時期内の交換・確認 内部観察等を選択する際には、排気管・燃料噴射弁・内部部位・潤滑油・冷却水等の分析・観察を実施 記録・報告対応 点検実施日時・内容・結果・改善履歴を明確に記録し、少なくとも3年間保存(設備系統・部品履歴含む) 点検報告時に「別記様式第24 非常電源(自家発電設備)点検票」など所定様式を使用し、延長適用を受けている場合にはその旨を備考欄等に記載し、保全策実施の証拠を添付 所轄消防署・建築行政・電気保安監督機関に対する報告義務がある場合には、提出期限・形式を確認 判断・適用の可否 設備の稼働状況・負荷実績・設置年月・部品交換実績を確認し、「本当に延長適用をしても安全性・信頼性が維持されるか」を社内で判断 所轄消防署・設備保守業者・管理者間で「延長運用の前提条件(保全策、記録整備、内部観察実施可否など)」を共有しておく 必要に応じ、保守契約書・点検記録フォーマット・管理体制を見直し、将来的な監査・検査に耐えうる体制を整備 契約・担当体制の整理 社内設備管理者・建築物管理者・保守業者(外部委託の場合)それぞれの役割・責任を明文化 保守業者契約において「年1回の保全策実施」「点検記録の提出」「記録保管・報告書提出」などを明記 設備の更新・改修・増設を行った場合には、設置年月/製造年・部品交換履歴・改修履歴などを記録しておく 6.制度活用上のメリットと留意すべき点 メリット 年1回の負荷運転という運用負担を軽減できる可能性がある(負荷運転実施に伴う常用電源遮断・騒音・排気・設備停止リスク等を抑制) 設備の設置環境・利用頻度が低く、実負荷試験が過度に設備に負担をかける可能性のあるケースでは、合理的な運用が可能 管理コスト・設備停止リスクを抑えつつ、安全性を維持できる体制を整える機会となる 留意すべき点 延長適用を受けるには「予防的保全策」が毎年きちんと実施されているという実証が必要であり、形式的な保守だけでは認められない可能性があります。 所轄自治体・消防署の運用・判断も一定しておらず、「実情を踏まえて負荷運転を行うべき」と指導されるケースもありますので、必ず事前に確認することが望ましい。 延長適用を受けたとしても、機器点検・総合点検・報告義務・記録保存義務などの「その他の点検義務」が無くなるわけではありません。点検頻度を誤認して「実は義務違反」という事態にならないよう注意が必要です。 長く運転性能確認を行わなかった場合、いざという時に設置設備が予期せぬ故障を起こすリスクがあります。保守状況・使用条件を定期的にレビューし、軽視せず管理しておくことが重要です。 建物用途(病院・福祉施設・防災拠点など)や設置規模(非常用出力の大きさ)、使用頻度・地域条件(寒冷地・高湿地など)によって、実際には年1回以上の実負荷試験を求められる場合もあります。設備管理方針として「延長ありき」ではなく「安全確保ありき」で検討する必要があります。 7.まとめ このように、非常用発電機・自家発電設備の法定点検において、年1回の運転性能確認(=負荷運転等)が基本とされてきた中で、「運転性能維持に係る予防的保全策を適切に講じている設備であれば、最長6年に1回までその確認を延長できる」という制度が整備されました。 しかしながら、この延長は「何もしなくて良くなった」という意味ではなく、むしろ「通常より長い期間実負荷試験を実施しないという選択をするならば、それ相応の保守体制・記録体制・管理体制を整備してください」という趣旨のものです。 ですので、設備管理者・建物所有者・保守業者が一体となって、以下をきちんと運用しておくことが肝要です。 毎年の機器点検・保守を怠らず記録化すること 保全策対象部品・構成機器の点検・交換実績を把握しておくこと 点検報告書・添付資料・記録保存を定期的に整理しておくこと 所轄消防署・建築・電気保安機関との確認を怠らないこと 設備がいざという時に確実に動作するよう、管理体制を不断に見直すこと 特に、病院・福祉施設・公共施設・防災拠点等では、非常時の電源確保が人命・事業継続に直結するため、この制度活用の可否を慎重に検討する必要があります。設備を「点検をしておけば安心」という枠に置かず、実際に「動くか」「動き続けられるか」という観点での維持管理が重要です。

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