
非常用発電機の法定点検・点検義務を徹底解説!費用相場や怠った場合のリスクとは
台風や地震などの自然災害が頻発する近年、ビルや工場、病院などの施設管理において「非常用発電機」の重要性が改めて見直されています。 しかし、設置しているだけで安心してしまい、適切な点検やメンテナンスを怠っているケースは少なくありません。 本記事では、施設管理者や防災担当者の方に向けて、非常用発電機の役割から、法律で定められた点検ルール、費用相場、点検を怠った場合のリスクまで分かりやすく解説します。
非常用発電機の役割と種類
非常用発電機とは、地震・火災・台風などの影響で電力会社からの電気(商用電源)が停止した際、自動的に起動して施設に必要な電力を供給する設備です。
主に「消防用(人命救助・消火活動のため)」と「保安用(事業継続・医療維持のため)」の2つの目的で設置されます。
発電機の心臓部であるエンジンには、大きく分けてディーゼルエンジン式とガスタービンエンジン式の2種類が存在します。
項目 | ディーゼルエンジン式 | ガスタービンエンジン式 |
主な燃料 | 軽油、A重油 | 軽油、都市ガス、LPガス |
特徴 | 燃費が良く耐久性に優れる。振動・騒音がやや大きい | 小型・軽量で高出力。水冷不要のため屋上設置に適する |
主な用途 | 中〜大規模施設、長時間バックアップ | 超高層ビル、データセンター、病院 |
把握しておくべき「3つの関連法律」と点検義務
非常用発電機の維持管理には、主に3つの法律が関係しています。それぞれ目的と点検項目が異なります。
1. 消防法(消火設備の動作確保)
火災が発生した際、スプリンクラーや排煙設備が正しく作動するかを確認するための点検です。
機器点検(6ヶ月に1回): 外観や燃料・バッテリーの状態確認
総合点検(1年に1回): 実際に作動させ、30%以上の実負荷試験または内部観察等による点検
2. 電気事業法(電気的事故の防止)
自家用電気工作物としての安全確保を目的に、感電や火災、漏電事故を防ぎます。電気主任技術者による「月次点検」および「年次点検」が義務付けられています。
3. 建築基準法(建築物の安全確保)
非常用エレベーターや非常用照明など、避難に関わる設備が正しく機能するかを「建築設備定期検査」として年1回報告する必要があります。
点検を怠った場合のリスクと罰則
点検や整備を怠り、無負荷運転(空ふかし)のみを繰り返していると、エンジン内部に未燃焼のカーボンが蓄積します。
この状態で放置すると、いざという時に以下のようなトラブルが発生します。
ブラックアウト(不始動・途中停止): カーボン詰まりやバッテリー上がりが原因で、停電時に発電機が動かない
非常用火災・黒煙被害: 溜まったカーボンが一気に燃焼し、火災や排気ダクトの破裂を引き起こす
法律による罰則: 消防法違反となった場合、30万円以下の罰金または拘留が科される可能性があるほか、事故発生時には管理者の法的責任(不法行為責任)が問われます。
点検方法と費用相場
総合点検(年1回)で行う「負荷試験」や「内部観察」の一般的な費用相場は以下の通りです。
点検手法 | 内容・特徴 | 費用相場(目安) |
実負荷試験 | 施設の実際の負荷を使って電力を流す方式。 | 15万〜30万円 |
擬似負荷試験 | 試運転用の試験装置を取り付けて電力を負荷する方式。 | 20万〜40万円 |
内部観察等 | スコープを用いてエンジン内部のカーボン蓄積状況を確認する手法。 | 10万〜20万円 |
※発電機の出力(kW)や設置場所によって費用は変動します。
まとめ:安全な施設管理のために
非常用発電機は、平時には使われないからこそ「いざという時に100%動く状態」を維持することが極めて重要です。
自施設の発電機がどの法律に基づいて管理されているかを確認し、定期的な点検とパーツ(バッテリー・冷却水・オイル等)の計画的な交換を行いましょう。
よくある質問
この商品について質問がありますか?コミュニティや専門家に質問してください。















