
船舶用照明器具の種類と必要性|安全航行を支える照明設備を徹底解説
船舶では陸上の建物とは異なり、暗い海上での航行や悪天候時の視界確保、船内作業の安全確保などのために専用の照明設備が必要になります。特に夜間航行では照明設備が安全性を大きく左右するため、船舶には用途に応じたさまざまな照明器具が設置されています。 この記事では、船舶用照明器具の種類・役割・必要性について分かりやすく解説します。
船舶用照明器具とは
船舶用照明器具は、船の航行安全・作業安全・居住環境の快適性を確保するために設置される照明設備です。海上では陸上のような外部光源がないため、船舶自身が十分な照明装備を備えることが求められます。
船舶に求められる照明器具の特徴
塩害(海水による腐食)への耐性
強い振動への耐久性
防水・防湿性能
防爆機能(可燃性ガスが存在するタンカー等)
これらの特殊な環境に適応するため、耐腐食性・防水性・耐振動性・防爆性といった特徴が重視されます。
主な船舶用照明器具の種類

① 航海灯(ナビゲーションライト)
航海灯は夜間や視界不良時に他船に自船の位置や進行方向を知らせるための照明です。設置は国際海上衝突予防規則(COLREG)で義務付けられています。
航海灯の種類 | 色 | 役割 |
|---|---|---|
マスト灯 | 白 | 前方方向を示す |
舷灯 | 赤・緑 | 左右を示す |
船尾灯 | 白 | 後方を示す |
全周灯 | 白 | 船の位置を示す |
② 甲板照明(デッキライト)
甲板や荷役作業を安全に行うための照明です。
高出力LED照明
防水・防塩加工
広範囲を照射
夜間作業時などに十分な照度を確保し、転倒や事故防止に重要な役割を果たします。
③ 探照灯(サーチライト)
遠方を照らす強力な照明で、次の用途で使われます。
障害物の確認
港湾での接岸
救助活動
漁業作業
数百メートル先まで照射できるタイプも存在し、操船時の視界確保に寄与します。
④ 船内照明(居住区照明)
乗組員の生活空間や作業空間に設置される一般照明です。主な設置場所:
船室
食堂
操舵室
廊下
機関室
揺れ対策として耐振動構造を採用し、近年は省エネLED照明が主流です。
⑤ 非常灯(緊急照明)
停電や事故時に作動する照明で、次の場所に設置されます:
避難通路
操舵室
機関室
非常出口
緊急時でも安全な避難を支える重要な設備です。
船舶用照明が必要な理由
航行安全の確保
海上では道路標識や街灯がないため、航海灯による自己位置の表示が不可欠です。作業事故の防止
夜間や悪天候時の視認性向上で、転倒や事故を防ぎます。緊急時の避難確保
非常灯により暗闇でも安全な避難経路を確保できます。
近年の傾向:LED化の進展
最近の船舶用照明はLED化が進んでいます。メリット:
消費電力が少ない
長寿命(約40,000時間以上)
発熱が少ない
メンテナンス頻度低減
省エネ性能が重視される船舶では、LED照明が今後も拡大していきます。
まとめ
船舶用照明器具は、安全な航行・作業・乗組員の生活を守るための必須設備です。
主な種類:
航海灯(ナビゲーションライト)
甲板照明(デッキライト)
探照灯(サーチライト)
船内照明
非常照明
特殊な海上環境に対応し、LED化による省エネ・高性能化も進んでいます。
船舶照明は、安全運航や船員の命を守るために欠かせない重要な役割を持っています。
小原 一馬
経営企画室












