
日東工業は2026年4月、中速EV充電器「Pit-QCシリーズ」に4G通信機能を搭載した「通信モデル(EVQT)」を発売します。 本製品は、普通充電より速く、急速充電より低コストな最大30kW出力(7段階可変)で、社用車の夜間充電などに最適なスペックです。 新たに国際標準「OCPP」やAPIに対応したことで、充電課金ビジネスや、施設の総電力を監視して出力を自動制御するスマート充電、遠隔監視が可能となりました。省スペース設計で設置しやすく、これからのビジネスEVインフラを支える「ちょうどいい」最適解となる一台です。
世界的な脱炭素化の流れに伴い、日本国内でも電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及が急速に進んでいます。これに伴い、企業の社用車(フリート車両)のEV化や、運送業者における配送ワゴンの電動化、さらには商業施設や宿泊施設、自治体での充電インフラ整備が急務となっています。
これまで日本のEV充電インフラは、主に短時間での継ぎ足し充電を目的とした「急速充電(出力50kW以上)」と、自宅や宿泊先で長時間かけて充電する「普通充電(出力3kW〜6kW)」の二極化が進んでいました。しかし、ビジネス現場の実務においては、「普通充電では時間がかかりすぎるが、高出力な急速充電器は導入コストも電気代(基本料金)も高すぎる」という、運用とコストのギャップが課題となっていました。
このような市場の課題に対して、まさに“ちょうどいい”最適な選択肢として登場したのが、日東工業株式会社が開発した「Pit-QC(ピット・キューシー)シリーズ 中速充電器」です。そして2026年4月中旬、同シリーズに待望の4G通信機能を搭載した「通信モデル(EVQT)」が新たにラインアップされました。
本コラムでは、最新資料(発行No. E-2025-03)をもとに、この「Pit-QCシリーズ 中速充電器通信モデル」がなぜこれからのビジネスEVインフラの主役に躍り出るのか、その圧倒的なメリットと特徴を分かりやすく解説します。
「Pit-QCシリーズ」の最大の特徴は、一般的な急速充電器ほどの過大な電気設備を必要とせず、普通充電器よりも遥かにスピーディーに充電できる「中速(最大30kW出力)」という絶妙なスペックにあります。
事業所の社用車や運送業者の配送車両は、日中に稼働し、夕方から夜間にかけて一斉に帰社するケースがほとんどです。次の稼働までに限られた数時間しか確保できない場合、普通充電(3kW〜6kW)では翌朝までに満充電にならないリスクがあります。一方で、50kW以上の急速充電器は、短時間で充電できるものの、受電設備の改修(高圧受電契約への変更など)や、基本料金の大幅な上昇を招くため、複数台の導入はコスト面で非常に困難でした。
Pit-QCは最大30kW(三相AC200V入力時は18kW出力)という、現場の運用に必要十分なパワーを備えています。数時間の駐車時間があれば、業務に十分な電力量をスマートにチャージすることが可能です。
さらに、本体内部のディップスイッチを切り替えることで、現場の契約電力や受電容量に合わせて、出力を10、15、18、20、22、25、30kWの7段階に柔軟に変更できる設計となっています。これにより、既存の電気容量を最大限に活かしながら、大掛かりな電気工事コストを抑えたスマートな導入が可能になります。
2025年7月に先行して発売された「単機能モデル」は、シンプルに充電機能を提供するものでした。これに対して、2026年4月に新発売された「通信モデル(EVQT)」は、本体に4G/LTE通信機能を内蔵したことで、充電器の価値を「単なる給電機械」から「遠隔管理可能なスマートインフラ」へと進化させました。
通信モデルがもたらす最大のイノベーションは、「国際標準プロトコル(OCPP)」および「日東工業オリジナルREST-API」への対応です。
すでに市場で実績のある同社の普通充電器「Pit-2G」や「Pit-3G」シリーズと同様の通信プラットフォームを中速充電器にも横展開したことで、さまざまな充電管理サービスやエネルギーマネジメントシステム(EMS)とのシームレスな連携が可能になりました。
柔軟なサービス事業者連携と課金管理: 商業施設やコインパーキングなどに設置する場合、さまざまな充電サービス事業者のネットワークと接続することで、利用者の認証やQRコードなどを用いた「充電課金ビジネス」をスムーズに立ち上げることができます。
高度なエネルギーマネジメント(遠隔制御): 施設の総電気使用量(デマンド値)を監視しながら、ピーク時に充電器の出力を自動で抑制したり、電気料金が安い夜間時間帯に優先して充電を行ったりする「スマート充電」が可能になります。これにより、基本料金の上昇を防ぎながら効率的なフリート管理が行えます。
遠隔監視とアップデートによる将来性: 万が一、充電器にエラーが発生した場合でも、遠隔から状態をリアルタイムに監視・把握できます。また、購入後もソフトウェアのアップデートによって、最新の機能や新しい充電サービスへの対応が可能なため、長期にわたり製品価値を高く維持できます。
ビジネスの現場において、充電器の設置スペースは非常に重要な要素です。駐車場の一部を潰したり、配送トラックの動線を邪魔したりすることは避けなければなりません。
Pit-QCシリーズは、ヨコ400mm × タテ1,700mm(基台含む)× フカサ250mm(突起部・ケーブル吊り下げユニット除く)という、30kWクラスの中速充電器としては極めてコンパクトな省スペース設計を実現しています。質量も約120kgに抑えられており、限られた駐車スペースや通路脇にも場所を取らずにスマートに自立設置が可能です。
また、日常的な使いやすさと美観にもこだわっています。「ケーブル吊り下げユニット」を標準装備しているため、太くて重くなりがちな充電ケーブルが地面に擦れて汚れたり、踏まれて痛んだりするのを防ぎます。利用者は手を汚すことなく、スムーズかつスマートに充電作業を行うことができます。
もちろん、EV充電の国内標準規格である「CHAdeMO ver2.0.2認証」を取得済み。国内外の多様なEV・PHEV車両に対して、安全かつ確実な相互接続性と給電パフォーマンスが保証されているため、安心して導入いただけます。
新発売された通信モデル「EVQT」には、設置環境の入力電源システムに合わせて選べる2つのバリエーションが用意されています。
EVQT-A30(交流入力タイプ)
入力電圧: 三相3線 AC200V・400V
出力: 30kW(※三相AC200V入力時の出力は18kWとなります)
標準価格: 2,180,000円(税抜)
特徴: 一般的な三相動力電源を活用して導入しやすい、中速充電のスタンダードモデルです。
EVQT-D30(直流入力タイプ)
入力電圧: DC230V〜750V(※DC500V未満入力時は電圧に応じて出力は減少します)
出力: 30kW
標準価格: 2,680,000円(税抜)
特徴: 太陽光発電システムや蓄電池からの直流(DC)電源をダイレクトに入力できるモデルです。再生可能エネルギーを効率よく車両に充電する次世代のグリーンフリート運用に最適です。
対応する充電サービスは今後さらに拡充していく予定となっており、自社の運用方法の変化に合わせて最適なサービスパックを選択できるようになります。
日東工業の「Pit-QCシリーズ 中速充電器通信モデル(EVQT)」は、これまでフリート運営者や施設管理者が抱えていた「充電時間」と「電力コスト・設備投資」のジレンマを鮮やかに解決する製品です。
30kWという絶妙な出力スペック、柔軟な出力可変機能、省スペースでスマートな外観デザインに加え、国際標準OCPPに対応した4G通信機能を備えたことで、未来のエネルギーマネジメントや課金ビジネスにも完全に対応できる拡張性を手に入れました。
社用車の電動化を一歩進めたい企業、配送インフラのCO2削減をミッションとする運送業者、そして施設の付加価値を高めたいオーナーにとって、この「Pit-QC通信モデル」は、これからのEV時代を勝ち抜くための最も確実で「ちょうどいい」投資と言えるでしょう。
日東工業株式会社 新製品案内『Pit-QCシリーズ 中速充電器通信モデル EVQT 機種追加』(発行No. E-2025-03 / 2026年3月発行)
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