
テンパール工業の「電力量計測機能付き住宅用分電盤(スマート分電盤)」は、従来の安全機能に加え、家庭内の消費電力量をリアルタイムに計測・管理できる革新的な製品です。 あらかじめセンサーが組み込まれているため、特別な電気工事や設定が不要で、コストを抑えて手軽に導入できます。スマホアプリと連携し、1分単位での電気代の「見える化」や、家電の自動制御が可能。太陽光発電や蓄電池とも連動し、賢い省エネや脱炭素社会に貢献します。次世代マンションの標準設備にも採用され、これからの住まいの新基準として注目されています。
私たちの暮らしに欠かせない「電気」。毎月の電気代が気になる一方で、「家の中のどこで、どのくらい電気が使われているのか」をリアルタイムに把握できている人は少ないのではないでしょうか。そんな中、電気の安全を守り続けてきた老舗メーカーであるテンパール工業株式会社が、最先端のIoT技術と融合した画期的な製品を開発し、大きな注目を集めています。
それが、2024年4月に受注を開始した「電力量計測機能付き住宅用分電盤(通称:スマート分電盤)」です。
この製品は、テンパール工業の信頼ある住宅用分電盤に、ホームIoTのリーディングカンパニーである株式会社リンクジャパンの技術が融合して生まれました。これまでのエネルギー管理システム(HEMS)が抱えていた「導入の難しさ」や「コストの高さ」という壁を打ち破り、これからの住まいのスタンダードになり得るポテンシャルを秘めています。本コラムでは、このスマート分電盤がどのような製品なのか、私たちの暮らしや電気工事にどのような変化をもたらすのかを分かりやすく解説します。
一般的な住宅用分電盤は、いわば「電気の安全弁」です。使いすぎによる過電流や漏電を検知した際にブレーカを落とし、火災や事故を防ぐのが主な役割でした。そのため、普段の生活では存在すら意識しないという方がほとんどでしょう。
しかし、今回登場した「電力量計測機能付き住宅用分電盤」は、安全を守るという従来の役割に加え、「家全体の消費電力量をスマートに計測・管理する」という全く新しい価値を持っています。
本製品は、テンパール工業の主力住宅用分電盤である「パールテクト」の内部に、リンクジャパンが開発したコンパクトな消費電力量計測装置「eNeSensor(エネセンサー)」をはじめから組み込んだ状態で出荷されます。このセンサーが家庭内の電気の流れを常に監視し、Wi-Fiを経由してクラウドへデータを送信します。住まい手は、スマートフォンにインストールしたスマートホーム統合アプリ「HomeLink」を開くだけで、いつでもどこでも我が家の電気使用状況をチェックできるようになるのです。
これまでも、住まいのエネルギー消費を「見える化」するシステムとして「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」という概念が存在していました。しかし、従来のHEMS対応分電盤を導入するには、いくつかの高いハードルがありました。
高額な導入コスト:専用のモニターや、各機器を接続するための高価な中継ハブが必要でした。
複雑な電気工事:通常の分電盤設置とは異なる特別な配線や、設定作業が必要となり、電気工事の現場に大きな負担がかかっていました。
テンパール工業が開発したスマート分電盤は、これらの課題をスマートに解決しました。
最大の特長は、電気工事業者様における特別な施工負担がゼロという点です。センサーが最初から分電盤の内部に組み込まれているため、業者は従来の「パールテクト」を設置するのと全く同じ手順で壁に取り付け、配線を行うだけで作業が完了します。中継機などの余計な周辺機器を設置するスペースも必要ありません。
これによって、新築住宅はもちろんのこと、既存の分電盤からの交換リフォーム、さらにはスペースの限られた集合住宅(マンション)への導入が極めてスムーズになりました。
分電盤からクラウドに送られたデータは、リンクジャパンのスマートホームアプリ「HomeLink」を通じて、私たちのスマートフォンに分かりやすく表示されます。ここからは、具体的にどのような恩恵が暮らしにもたらされるのかを見ていきましょう。
電気代と使用量のリアルタイムチェック
アプリを開けば、時間帯別、日別、月別、年別といった単位で、家庭全体の消費電力量をグラフで自由自在に確認できます。さらに、現在の電力使用量から換算した「概算の電気料金」もリアルタイムに把握可能です。「今、エアコンや乾燥機を回しているから電気代が上がっているな」といったことが視覚的に理解できるため、自然と家族全員の節電意識が高まります。
高精度な1分毎のデータ取得(家電の自動制御へ)
この製品の驚くべき点は、「1分毎」という非常に短いサイクルで電力量を計測している点です。従来の一般的なスマートメーターやHEMSでは、30分単位での計測が主流でした。1分毎に細かくデータを取得できるため、「何時何分に、急激に電気が使われたか」を高精度にキャッチできます。
この高いリアルタイム性を活かし、アプリ内で特定の条件を設定することができます。例えば、「家全体の電気代(または使用量)があらかじめ設定した上限値に達しそうになったら、スマホに通知を送る」「自動的にリビングのエアコンの温度設定を控えめにする」といった、家電や住宅設備と連動した自動制御が可能です。
現代の住宅において、太陽光発電パネルや家庭用蓄電池、そして電気自動車(EV)の普及は急速に進んでいます。テンパール工業のスマート分電盤は、これらのクリーンエネルギー設備と組み合わせることで、さらに真価を発揮します。
従来の住宅では、太陽光で発電した電気が今どれだけ余っていて、それを蓄電池にどれだけ回せば最適なのかを人間が判断するのは困難でした。しかし、このスマート分電盤とアプリのAI(人工知能)機能を組み合わせれば、「半自給自足的」なエネルギーマネジメントが可能になります。
例えば、翌日の天気予報が晴れであれば、夜間の買電を抑えて昼間の太陽光発電で蓄電池をフル充電するようにAIが指示を出す、といった高度な運用が自動で行われます。これにより、家計に優しいだけでなく、地域全体の二酸化炭素排出量を削減する「脱炭素社会」への貢献にも直接つながっていくのです。
この画期的なスマート分電盤は、発売以来、先進的な住宅デベロッパーからも高い評価を得ています。実際に、東京都港区で開発された分譲マンション「リビオ三田レジデンス」(日鉄興和不動産など)において、マンションとして初の「全戸標準採用」が決定したことで大きなニュースとなりました。
集合住宅において、全戸にスマート分電盤を標準装備することは、物件そのものの資産価値を高めるだけでなく、入居者に対して「最初からカーボンニュートラルに参加できる住まい」という新しいライフスタイルを提案することにつながります。今後、このような「スマート分電盤が当たり前に備わっている住宅」は、戸建て・マンションを問わず、ますます増えていくことが予想されます。
テンパール工業が掲げる「電気とつながる新たなモノコトへの挑戦」という言葉通り、この電力量計測機能付き住宅用分電盤は、単なる「電気のパーツ」だった分電盤を、「暮らしを豊かにするIoTデバイス」へと進化させました。
電気工事会社にとっては、これまで通り取り付けるだけで最先端のHEMS住宅を提供できる手軽さ。
住宅デベロッパーやハウスメーカーにとっては、コストを抑えながら物件の付加価値と環境性能を高められるメリット。
そして私たち住まい手にとっては、無理なく、賢く、ゲーム感覚で省エネと快適性を両立できる新しい暮らし。
三者それぞれに大きなメリットをもたらすこのスマート分電盤は、これからの日本の住まいを、よりサステナブルでスマートな場所へと変えていく起爆剤となるでしょう。これからの新築やリフォームの際には、ぜひ「分電盤をスマートにする」という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
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