
最近、AI(人工知能)技術の悪用により、私たちの想像を超える巧妙な手口の詐欺が急増しています。特に注意が必要なのが、家族や知人の声を完璧に再現する「音声合成技術」を使った詐欺です。 今回は、最新の音声詐欺の実態とその対策について解説します。
これまでの振り込め詐欺は、電話口の「風邪をひいて声が変わった」といった言い訳が定番でした。
しかし、現在の詐欺師はAIを利用します。
SNSに投稿された短い動画などから本人の声を抽出し、わずか数秒のサンプルから、
話し方の癖やイントネーションまでそっくりな声を生成できるのです。
「お母さん、助けて」という我が子の切実な声が電話から聞こえてきたら、
冷静な判断を失ってしまうのは無理もありません。
音声だけでなく、顔をリアルタイムで合成する「ディープフェイク」技術を
組み合わせた詐欺も報告されています。
画面越しに知人の顔が見え、その声で話しかけられれば、誰もが疑いを持つことなく信じてしまうでしょう。
しかし、デジタル空間における「目に見えるもの、聞こえるもの」が必ずしも
真実とは限らない時代に突入しています。
SNSでの情報収集
ターゲットの家族構成、出張の予定、趣味などを事前に把握。
「事前連絡」の偽装
本人を装ったメールやメッセージで「携帯が壊れたから、後で別の番号からかけ直す」と伏線を張る。
これにより、その後の偽の電話に対する信頼度を高めるのです。
「合言葉」を決めておく
家族間でしか分からない「合言葉」を決めておきましょう。
どんなに声が似ていても、合言葉が答えられなければ偽物だと判断できます。
一度切って、元の番号にかける
「急いでいる」「携帯が変わった」と言われても、一度電話を切り、
自分が知っている本人の電話番号にかけ直すことを徹底してください。
SNSの公開範囲を見直す
声や顔が映っている動画、詳細な行動予定などは、
信頼できる相手にのみ公開するように設定を強化しましょう。
音声詐欺は、私たちの「家族を想う心」を逆手に取った卑劣な犯罪です。
「自分の声が利用されるはずがない」「自分だけは騙されない」という思い込みを捨て、
最新の技術リスクを正しく理解することが、大切な人を守る第一歩となります。
もし不審な電話がかかってきたら、まずは深呼吸をして、
あらかじめ決めたルールを思い出し、冷静に対処しましょう。
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