
電気工事士の技能試験において、最大の敵は「時間」です。40分という限られた時間内で完成させるには、作業の大部分を占める「電線の外装・絶縁被覆の剥ぎ取り」をいかに効率化できるかが合否を分けます。 今回は、初心者でもすぐに実践できる、皮むき作業を大幅に短縮するための具体的なテクニックを紹介します。
多くの人が「メジャーで長さを測ってから、ペンで印をつけ、その後に剥ぎ取る」という手順を踏みますが、これでは時間がかかりすぎます。
VVFストリッパーの目盛りを活用する
ほとんどのストリッパーには、先端から数センチ単位で目盛りが刻まれています。この目盛りに直接電線を合わせ、そのまま剥ぎ取る癖をつけましょう。
手のサイズを「定規」にする
自分の親指の付け根から指先までの長さや、手のひらの幅などをあらかじめ測っておきます。
例えば「外装10cmなら手のひら1枚分」といった基準を持っておけば、工具の目盛りすら見ずに直感的に作業が進められます。
工具を置いたり手に取ったりする動作は、数秒のロスを生みます。
右手にストリッパー、左手に電線を固定
一度ストリッパーを握ったら、その回路の剥ぎ取りが終わるまで手放さないのが理想です。
まとめて剥く
1本ずつ「測る→剥く→接続」とするのではなく、その箇所で必要な電線をすべて「測る→まとめて剥く」という工程に集約することで、リズムが生まれスピードが向上します。
冬場や電線の種類によっては、被覆が硬くて抜けにくいことがあります。
ここで力任せに引っ張ると、心線を傷つけたり、手が滑って怪我をしたりする原因になります。
テコの原理を利用する
ストリッパーを握った状態で、親指で工具の頭を押し出すようにすると、小さな力でスルッと被覆が抜けます。
「剥ぎカス」の処理を後回しにする
剥ぎ取った被覆のゴミをその都度ゴミ箱に入れるのではなく、
作業スペースの端にまとめておき、最後に一括で片付けることで集中力を維持できます。
試験で頻出する器具(コンセント、スイッチ、ランプレセプタクルなど)ごとに、必要な剥ぎ取り長さを完全に暗記しておきましょう。
基本の「10cm・12cm・15cm」
「器具接続は外装10cm、ジョイントボックス内は12cm(または15cm)」といった基本パターンを反射的に思い出せるようにします。
絶縁被覆の剥ぎ取りも、埋込器具なら10〜12mm、ランプレセプタクルなら20mmといった数値を体で覚えましょう。
技術以前に、道具の状態がスピードを左右します。
刃の欠けをチェック
切れ味が悪いと余計な力が必要になり、疲労の原因になります。
試験前には必ず刃の状態を確認し、必要であれば新調することも検討してください。
自分に合ったストリッパーを選ぶ
握り込みの深さやバネの強さなど、メーカーによって特徴が異なります。
手の大きさに合ったものを選ぶことが、究極の時短への近道です。
電線の皮むきは、技能試験における「基本中の基本」です。
しかし、この基本動作で1箇所につき5秒短縮できれば、全体で数分間の余裕が生まれます。
その余裕が、見直しや重大欠陥の発見につながり、合格率を飛躍的に高めてくれるはずです。
日々の練習から「測らない・迷わない・持ち替えない」を意識して、体に覚え込ませましょう。
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