B2B/B2C専門 電材通販サイト デンザイゼウス
Denzaizeus Logo
パナソニックHDが長浜拠点で挑む「ガラス型ペロブスカイト太陽電池」本格量産の全貌

パナソニックHDが長浜拠点で挑む「ガラス型ペロブスカイト太陽電池」本格量産の全貌

2026年10月23日 (最終更新 2026年10月23日)

脱炭素やビル省エネ基準の強化が進むなか、都市型太陽光発電の決定版として注目を集める技術がペロブスカイト太陽電池です。 パナソニック ホールディングス(HD)は、当初2030年度を予定していたガラス型ペロブスカイト太陽電池の本格量産計画を1年前倒しし、2029年4月より滋賀県の長浜拠点で生産開始することを決定しました。2026年9月からは大阪府守口市の拠点で製造した先行量産品の販売・出荷をスタートさせています。 最新リリースで明かされた事業戦略のポイントや先行量産品と本格量産品の仕様比較、従来型シリコンパネルとの違いを整理します。

1. なぜ「1年前倒し」?2029年4月本格量産の背景

本格量産の開始時期が2029年4月へ前倒しされた背景には、都市部における再エネ導入の急務と世界的な開発競争の激化が存在します。

  • 2026年9月:大阪府守口市拠点で製造した先行量産品の販売を開始。実際の建物やインフラへの実装を通じて、施工ノウハウや運用データを蓄積中。

  • 2029年4月:滋賀県長浜拠点で本格量産を開始。ガラスサイズの大型化やバリエーション拡充を順次推進。

早期の現場投入によって施工性や耐久性の実証データを確保するアプローチが、長浜拠点での量産技術へダイレクトに反映され、普及速度の向上につながっています。

2. パナソニック「ガラス型ペロブスカイト太陽電池」の強み

建物の窓や外壁、ファサードなどをそのまま発電所へ変えるBIPV(建材一体型太陽光発電)として、独自の技術が注ぎ込まれています。

① インクジェット塗布技術による大面積化と高効率

長年培ってきたガラス基板へのインクジェット塗布・印刷技術を応用しています。

ガラス全面に対して高精度かつ均一にペロブスカイト層を形成することで、大面積ガラスでありながら18%を超える高いエネルギー変換効率を達成しました。

② 透過性・デザイン加工・グラデーションに対応

光を通す透明度や色合いのカスタマイズが可能です。太陽光パネルを後貼りしたような違和感を排除し、最先端の都市景観や建物のデザイン意匠に調和する建材として機能します。

③ 国内原料(ヨウ素)活用による供給網の安全性

主原料であるヨウ素は日本が世界シェア第2位を誇る国産資源です。海外からの輸入に依存するリスクを抑え、国内でのエネルギー自給率向上と供給網の安定化に寄与します。

3. 「先行量産品」と「本格量産品(予定)」の仕様比較

2026年9月供給開始の先行量産品と2029年4月開始の本格量産品におけるスペックの違いは以下の通りです。

比較項目

先行量産品(2026年9月〜)

本格量産品(2029年4月〜予定)

生産拠点

大阪府守口市拠点

滋賀県長浜拠点

最大ガラスサイズ

1.8 m × 1.0 m

1.8 m × 1.2 m(大型化)

ガラス構造

合わせガラス

合わせガラス、合わせ複層ガラス(拡大)

デザイン加工

可能(一定制限あり)

可能(グラフィックパターンの幅を拡充)

主な用途

窓、ベランダ、手すり、外壁

高層ビルの窓・ファサード全般、改修案件

本格量産時にはガラスの大型化に加えて合わせ複層ガラス構造が選べるようになるため、高い断熱性・遮熱性が求められる現代建築の窓ガラスとして導入のハードルが下がります。

4. 従来型シリコン太陽電池との違い

一般的な屋根置き型シリコン太陽電池と比べると、設置場所や役割に大きな違いが存在します。

項目

従来型シリコン太陽電池

ガラス型ペロブスカイト太陽電池

主な設置場所

屋根、陸屋根、遊休地

窓ガラス、外壁ファサード、手すり

設置の考え方

後付け設置(パネル単体)

建材一体型(ガラス建材そのものが発電)

デザイン・見た目

紺・黒色の無機質な外観

高い透過性・カラー・柄の表現が可能

弱光時の発電

直射日光が必要

曇天・夕方・斜光でも発電可能

5. 今後の展望とビル脱炭素(GX)への影響

ビルや商業施設などの都市型建築では、屋根面積の狭さが理由となり太陽光パネルの設置場所に限界がありました。

パナソニックHDのガラス型ペロブスカイト太陽電池が2029年4月に量産化されることで、都市部のビル壁面や窓全体が自家消費用発電所として機能する未来が現実味を帯びます。企業のScope 1/2削減やRE100達成、新築・改修ビルにおけるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化の推進力として期待が集まります。

まとめ

当初計画から1年早まり、2029年4月に滋賀県長浜拠点で本格量産が始まるパナソニックHDのガラス型ペロブスカイト太陽電池。

「街じゅうのガラスに、発電するポテンシャルがある。」という言葉の通り、建築とエネルギーの垣根を取り払う新たなソリューションとして今後の展開が注目されます。


Panasonic「ガラス型ペロブスカイト太陽電池」のページはコチラ👉
パナソニックHD、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の本格量産計画を一年前倒し、2029年4月より長浜拠点で生産開始 | 技術・研究開発 | 技術・研究開発 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン


よくある質問

この商品について質問がありますか?コミュニティや専門家に質問してください。

関連商品

12

関連記事

12
担当者に相談する