
『寄り添う』とは何だろう。キャリアアドバイザーとして過ごした1年間で見つけた答え。
本当の「寄り添う」とは、どういうことなのだろう。 人材紹介事業を始めて約1年。多くの求職者の方と面談を重ねる中で、この問いに何度も向き合ってきました。キャリアアドバイザーとして悩み、学び、見つけた私なりの答えを、このコラムでお伝えします。
「寄り添う」という言葉を、私は本当に理解しているのだろうか。
「寄り添います。」
人材紹介の仕事をしていると、この言葉を耳にする機会がたくさんあります。
私自身も、人材紹介事業を始めた頃から、「求職者の方に寄り添いたい」という想いを大切にしてきました。
でも、この1年間、たくさんの方と面談を重ねる中で、何度も自分に問いかけるようになりました。
「本当の寄り添うって、どういうことなんだろう。」
去年、人材紹介事業をスタートしてから約1年。
これまで本当に多くの求職者の方とお話しする機会をいただきました。
転職理由は人それぞれです。
「年収を上げたい。」
「土日祝休みの仕事に就きたい。」
「未経験だけど新しいことに挑戦したい。」
「今の職場環境を変えたい。」
「家族との時間をもっと大切にしたい。」
同じ「転職したい」という想いでも、その背景や価値観は一人として同じではありません。
だからこそ、この仕事は求人をご紹介するだけではないのだと、この1年間で強く感じるようになりました。
初めてのオンライン面談。何も分からないまま臨んだあの日
今でも鮮明に覚えている出来事があります。
それは、初めてオンラインで求職者の方と面談をした日のことです。
当時は、面談の進め方も分からず、「何を聞けばいいのだろう」「どんな順番で話せばいいのだろう」と頭の中は不安でいっぱいでした。
沈黙になったらどうしよう。
うまく話せなかったらどうしよう。
そんなことばかり考えていた気がします。
今振り返ると、その緊張は画面越しにも伝わっていたかもしれません。
それでも、一つだけ意識していたことがあります。
それは、「この方の話をしっかり聞こう」ということでした。
上手に話すことでも、完璧なアドバイスをすることでもありません。
まずは目の前にいる一人の方が、どんな想いで転職を考えているのかを知りたい。
その気持ちだけは忘れないようにしていました。
もちろん、今思えば反省点もたくさんあります。
もっとこう聞けばよかった。
もっと安心して話していただける雰囲気をつくれたかもしれない。
そんなことを何度も振り返りました。
でも、あの面談があったからこそ、今の私があるのだと思っています。
顔が見えるからこそ生まれる信頼関係
この1年間で、もう一つ気付いたことがあります。
それは、初回面談は電話だけでお話しするよりも、オンラインで顔を見ながらお話しした方のほうが、その後もご相談をいただけることが多いということです。
もちろん、すべての方に当てはまるわけではありません。
ですが、オンライン面談をした方のほうが、その後も継続してやり取りが続き、一緒に転職活動を進めていけるケースが多くありました。
最初は不思議でした。
電話でも会話はできますし、お伝えする内容も変わりません。
それでも、画面越しに顔を見ながら話すことで、表情やうなずき方、少し笑った瞬間など、言葉だけでは伝わらないものが見えてきます。
私自身も、「少し迷われているのかな」「本当は不安なのかもしれない」と、表情から気付けるときがあります。
きっと求職者の方も同じなのだと思います。
「この人なら話してみようかな。」
そんな小さな安心感の積み重ねが、信頼関係につながっているのではないかと感じています。
「寄り添う」とは、希望をすべて叶えることではない
面談を重ねる中で、もう一つ大きな壁にぶつかりました。
それは、求職者の方へ「市場価値」をお伝えする難しさです。
転職活動では、
「今より年収を上げたい。」
「年間休日は120日以上ほしい。」
「未経験だけど条件は変えたくない。」
というご希望を伺うことが少なくありません。
どれも自然な気持ちです。
私自身も、転職をするなら少しでも良い環境を目指したいと思うはずです。
ですが、転職市場では、これまでの経験やスキル、実績などを踏まえて評価されます。
そのため、ご自身が思い描く条件と、市場で評価される条件との間にギャップが生まれることもあります。
キャリアアドバイザーとして一番悩んだのは、その現実をどうお伝えするかでした。
「難しいです。」と伝えるだけでは、不安にさせてしまいます。
だからといって、「大丈夫ですよ。」と安易に背中を押すこともできません。
本当に寄り添うとは、耳ざわりの良い言葉だけを伝えることではないと思うようになりました。
なぜその条件が難しいのか。
今の経験を活かすなら、どんな選択肢があるのか。
目標とする年収を実現するためには、どんなキャリアを積んでいくことが必要なのか。
現実をお伝えしながらも、その方にとって最善の選択を一緒に考えること。
それが、私なりに考える「寄り添う」ということなのだと気付かされました。
求職者も、キャリアアドバイザーを選んでいる
転職活動では、企業が求職者を選ぶというイメージを持たれる方が多いかもしれません。
でも、実際は求職者の方も、キャリアアドバイザーを選んでいるのだと思います。
「この人になら相談できそう。」
「この人なら本音を話しても大丈夫そう。」
そう思っていただけなければ、本当の意味で信頼関係は築けません。
だから私は、求人をご紹介すること以上に、「安心して話せる存在」でありたいと思っています。
その信頼関係があるからこそ、本音を伺うことができ、本当に合った求人をご提案できるのだと思います。
この1年間で見つけた、私なりの答え
このコラムを書きながら、改めて1年間を振り返りました。
初めてのオンライン面談で緊張していた自分。
何を聞けばいいのか分からず、不安だった自分。
市場価値をどう伝えればいいのか悩み続けた日々。
そのすべてが、今の私につながっています。
そして、この1年間で一つだけ、私なりの答えが見えてきました。
「寄り添う」とは、相手の希望を何でも受け入れることではありません。
相手の想いを受け止め、その方にとって本当に必要なことを一緒に考えること。
時には伝えにくい現実も、誠実にお伝えすること。
そして、「相談してよかった」と思っていただける信頼関係を築いていくこと。
それが、今の私が考える「寄り添う」です。
これからも、一人ひとりに寄り添うために
まだ1年。
キャリアアドバイザーとしては、これから学ぶことの方がずっと多いです。
それでも、この1年間で出会った求職者の皆さまとの時間は、私にとってかけがえのない財産です。
皆さまとの出会いがあったからこそ、「寄り添う」という言葉の意味を、少しずつ理解できるようになりました。
これから先も、答えは変わっていくかもしれません。
新しい出会いがあるたびに、また違う答えが見つかるかもしれません。
それでも変わらないのは、一人ひとりと誠実に向き合いたいという想いです。
これからも、一つひとつの出会いを大切にしながら、「相談してよかった」と思っていただけるキャリアアドバイザーであり続けたいと思います。
よくある質問
この商品について質問がありますか?コミュニティや専門家に質問してください。







