
テンパール工業株式会社が日本の安全インフラを支え続ける理由
テンパール工業株式会社は、配線用遮断器や漏電遮断器を主力とするブレーカ専業メーカーとして、日本の電気安全を長年支えてきた企業である。戦後の電力需要拡大期に誕生し、「電気を止めることで人と建物を守る」という思想のもと、高い信頼性と品質を追求してきた。住宅から公共施設、産業分野まで幅広く製品を展開し、電気事故や火災を未然に防ぐ役割を果たしている。派手さはないが、見えない場所で確実に安全を守り続ける存在として、電気業界に欠かせない企業である。
**「電気を守る」という使命を貫く専業メーカー
── テンパール工業株式会社が日本の安全インフラを支え続ける理由**
■ はじめに:私たちが“意識せずに守られている”電気の安全
住宅やビル、工場、公共施設など、あらゆる建物に不可欠な電気。しかし私たちは、日常生活の中で「電気の安全」を強く意識することはほとんどありません。スイッチを入れれば灯りが点き、機器は当たり前のように動く。その“当たり前”の裏側には、見えないところで電気事故を未然に防ぎ続けている機器と、それを作り続けてきた企業の存在があります。
その代表的な存在こそが、テンパール工業株式会社です。
ブレーカ専業メーカーとして、日本の電気安全文化を長年にわたり支え続けてきた同社は、派手さはなくとも、電気設備に携わるプロフェッショナルから絶大な信頼を得てきました。本コラムでは、テンパール工業の成り立ちから企業特徴、取扱商品、そして同社が果たしてきた社会的役割について詳しく掘り下げていきます。
■ テンパール工業株式会社の成り立ち:戦後復興とともに歩んだ安全への道
テンパール工業株式会社は、戦後の電力需要拡大期に誕生しました。高度経済成長期を迎える日本では、住宅・工場・商業施設の建設が急増し、それに伴い電気設備の安全確保が社会的課題となっていました。
当時、電気事故による火災や感電は決して珍しいものではなく、「電気を安全に制御する装置」の品質向上が強く求められていた時代です。テンパール工業は、こうした背景のもと配線用遮断器(ブレーカ)を主軸とした専業メーカーとしてスタートしました。
同社の創業以来の一貫した姿勢は、「電気を止めることは、人と建物を守ること」という思想です。単に電気を流すのではなく、異常が起きた瞬間に確実に遮断する。その一点に徹底して向き合ってきた姿勢が、現在のテンパール工業の評価を築き上げてきました。
■ 企業特徴①:ブレーカ専業メーカーという揺るぎない立ち位置
テンパール工業の最大の特徴は、ブレーカ・漏電遮断器を中心とした専業メーカーである点です。総合電機メーカーが多角的な製品展開を行う中で、テンパール工業は「電気保護」に特化する道を選びました。
この専業体制は、次のような強みを生み出しています。
電気保護に関する技術・ノウハウの蓄積
製品改良のスピードと精度の高さ
現場ニーズを反映した製品開発
安定した品質管理体制
特に、電気工事士や施工管理技士など、現場を知る技術者からは「必要な性能を、必要な形で提供してくれるメーカー」として評価されています。
■ 企業特徴②:安全・信頼を最優先する品質思想
テンパール工業の製品づくりの根底にあるのは、「安全に妥協しない」という品質思想です。
ブレーカは一度設置されると、何年、何十年と使われ続ける設備機器です。その間、万一の短絡や過電流、漏電が発生した際に確実に動作しなければ意味がありません。
同社では、法規・規格への適合はもちろん、社内基準による厳しい試験を重ね、長期使用を前提とした信頼性を確保しています。この姿勢が、公共施設や集合住宅、商業ビルなど「事故が許されない現場」で選ばれ続ける理由となっています。
■ 取扱商品①:配線用遮断器(ブレーカ)
テンパール工業の主力製品が配線用遮断器です。
過電流や短絡が発生した際に電路を遮断し、配線や機器の焼損、火災を防ぐ役割を担います。
住宅用分電盤に組み込まれる小形ブレーカから、業務用・産業用まで幅広いラインナップを展開しており、用途・容量・設置環境に応じた選定が可能です。
施工性やメンテナンス性にも配慮されており、現場作業者の負担軽減にも貢献しています。
■ 取扱商品②:漏電遮断器
感電事故や漏電火災を防ぐために不可欠なのが漏電遮断器です。
テンパール工業は、この分野においても高い評価を得ています。
微小な漏電電流を正確に検知し、不要な誤動作を抑えながら、必要な場面では確実に遮断する。そのバランスを高次元で実現している点が特徴です。
住宅だけでなく、学校・病院・工場など、人命に直結する施設で多く採用されています。
■ 取扱商品③:分電盤関連製品・周辺機器
ブレーカ単体だけでなく、分電盤用機器や関連アクセサリーもテンパール工業の重要な製品群です。
システムとして電気を守るという視点から、組み合わせやすさ・互換性・安全性を重視した製品設計がなされています。
これにより、設計者・施工者・管理者それぞれにとって扱いやすい電気設備環境を実現しています。
■ テンパール工業が支えてきた日本の電気安全文化
テンパール工業の製品は、普段の生活では目に触れることがほとんどありません。しかし、電気事故が起きなかったという事実そのものが、同社の価値を物語っています。
感電事故を未然に防ぐ
電気火災のリスクを低減する
社会インフラの安定稼働を支える
これらはすべて、同社が長年にわたり果たしてきた社会的役割です。
まさに「縁の下の力持ち」として、日本の暮らしと産業を支え続けてきた企業だと言えるでしょう。
■ おわりに:見えないところで、確実に人を守る企業
テンパール工業株式会社は、決して派手な存在ではありません。しかし、電気の安全という分野においては欠かすことのできない存在です。
電気設備が高度化・複雑化する現代において、確実に遮断し、確実に守る技術の重要性はますます高まっています。
これからもテンパール工業は、「電気を守る」という原点を忘れることなく、日本の安全インフラを静かに、しかし力強く支え続けていくことでしょう。

前田 恭宏
前田です
