
はじめに|私たちの暮らしを支える「電気」は、誰が守っている?
スイッチを押せば照明がつく。
コンセントにプラグを差せば、家電が動く。
私たちが当たり前のように使っている「電気」ですが、その電気が安全に届けられるまでには、発電所や送電線、変電所、配電設備、そして建物の電気設備など、数多くの設備と、それを支える技術者の存在があります。
その「電気を支える仕事」の歴史を考えるうえで、ぜひ知っておきたいのが、富山県の黒部峡谷に建設された黒部ダムと黒部川第四発電所、通称「くろよん」です。
戦後の日本では経済復興とともに電力需要が急速に増加し、関西でも電力不足が大きな課題となっていました。そこで、厳しい自然環境に囲まれた黒部川上流に、大規模な水力発電施設を建設するという壮大なプロジェクトが始まりました。
昭和31年(1956年)に建設が始まり、約7年の歳月をかけて昭和38年(1963年)に完成した「くろよん」。
そこには、土木技術者だけでなく、電気設備や機械設備など、さまざまな分野の技術者が力を合わせて社会を支えるという、現代にも通じる「技術者の仕事」の原点があります。
この記事では、黒部川第四発電所の建設から「電気を支える仕事」の大切さを学び、これから電気工事士を目指す方に向けて、その仕事の魅力を紹介します。
黒部ダムとして知られる黒部ダムと、黒部川第四発電所は、一般に「くろよん」と呼ばれています。
「くろよん」は、黒部川の豊かな水資源と大きな落差を利用した水力発電プロジェクトとして建設されました。
特に注目すべきなのは、その建設場所です。
黒部峡谷は険しい山々に囲まれ、工事に必要な資材を運ぶことさえ簡単ではありませんでした。建設工事では、現在の関電トンネルにつながる大町ルートの工事が進められましたが、途中で大量の地下水と土砂が噴き出す「破砕帯」に遭遇し、工事は大きな困難に直面しました。
それでも、多くの技術者や作業員が力を合わせ、困難を乗り越えて工事を完成させました。
「くろよん」の歴史は、単なるダム建設の歴史ではありません。
「社会に必要な電気を、どうやって安定して届けるのか」
その課題に、多くの人々が技術と知恵で挑戦した歴史でもあるのです。
黒部川第四発電所の建設は、ダムを造れば終わりという仕事ではありません。
水力発電によって生み出された電気を、発電所から社会へ届けるためには、発電設備、電気設備、送電設備など、さまざまな技術が必要になります。
そして現在の私たちの生活でも、電気は発電所から送電線、変電所、配電線を通り、住宅や工場、ビルなどへ届けられています。
その最終段階で、建物の中にある照明やコンセント、分電盤、電気設備などを安全に施工する重要な役割を担うのが、電気工事士です。
つまり、発電所で電気をつくる仕事と、私たちが暮らす建物で電気を安全に使えるようにする仕事は、場所や役割は違っても、
「電気を安全に、確実に届ける」
という大きな目的でつながっています。
電気工事士は、住宅や店舗、工場、オフィス、公共施設など、さまざまな場所の電気工事を担う専門技術者です。
たとえば、次のような工事があります。
照明器具の取り付け
コンセントの設置
スイッチの取り付け
電線の接続
分電盤の工事
電気設備の配線工事
建物の新築・改修に伴う電気工事
普段何気なく使っている照明やコンセントも、正しい知識と技術によって施工されています。
電気工事は、間違った施工をすると感電や火災などにつながる可能性があるため、専門的な知識と技術が必要です。
だからこそ、電気工事士は社会に欠かせない仕事なのです。
一見すると、巨大なダムや発電所を建設する仕事と、住宅の電気工事を行う電気工事士は、まったく違う仕事に見えるかもしれません。
しかし、両者には共通する大切な考え方があります。
それは、
ということです。
黒部川第四発電所は、発電という形で社会の電力供給を支えています。
一方、電気工事士は、建物の壁や天井の中に配線を施工し、照明やコンセントなどを安全に使える環境をつくります。
普段、利用者が意識することは少ないかもしれません。
しかし、電気が安全に使えるのは、そこに専門技術を持った人がいるからです。
「電気をつくる人」「電気を送る人」「電気を安全に使えるようにする人」。
多くの技術者の仕事がつながって、私たちの便利な暮らしが成り立っています。
そんな方におすすめしたい資格の一つが、第二種電気工事士です。
第二種電気工事士は、一般住宅や店舗などの一定範囲の電気工事に従事するために必要となる国家資格です。
電気工事の仕事を目指す方にとって、基本的な電気の知識や配線技術を身につけるための重要な第一歩となります。
試験では、電気の基礎知識だけでなく、配線図、電気工事の材料や工具、施工方法など、実際の電気工事に関係する幅広い内容が問われます。
さらに技能試験では、実際に工具を使って配線作業を行います。
つまり、第二種電気工事士の資格取得を目指すことは、
「電気について学ぶ」だけでなく、「安全に電気工事をするための技術を身につける」
ということでもあります。
黒部川第四発電所の建設から学べることの一つに、「技術は人が身につけ、磨いていくもの」ということがあります。
電気工事士の仕事でも、資格を取得したらすべてが終わりではありません。
現場では、
電気の知識
工具を正しく使う技術
配線を正確に施工する技術
安全を守る意識
図面を読み取る力
他の職種と連携するコミュニケーション能力
など、さまざまな能力が求められます。
最初は分からないことが多くても、現場で経験を積み、一つひとつできることを増やしていく。
その積み重ねが、やがて「電気を任せられる技術者」へとつながっていきます。
黒部川第四発電所の建設では、険しい自然環境やトンネル掘削中の破砕帯など、さまざまな困難が立ちはだかりました。
それでも、多くの人々が知恵を出し合い、技術を結集し、工事を完成へと導きました。
この歴史から、未来の電気工事士を目指す人が学べることがあります。
それは、
「技術を身につけることは、未来の社会を支える力になる」
ということです。
電気工事士は、巨大なダムを建設する仕事ではありません。
しかし、住宅、店舗、工場、ビル、病院、学校など、私たちの身近な場所で電気を安全に使えるようにする、非常に重要な仕事です。
これからの社会では、再生可能エネルギー、電気自動車、太陽光発電、蓄電池、省エネ設備など、電気を取り巻く技術はさらに進化していくでしょう。
その変化を支えるためにも、電気を扱う専門技術者の存在はますます重要になります。
黒部川第四発電所、通称「くろよん」の建設は、戦後の日本の電力需要を支えるために、多くの人々が力を合わせて完成させた大規模なプロジェクトでした。
そこには、
技術力
安全への意識
チームワーク
困難に立ち向かう姿勢
という、現代の電気工事にも通じる大切な要素があります。
私たちが毎日当たり前に使っている「電気」。
その電気を安全に、便利に使えるようにするためには、多くの技術者の力が必要です。
もしあなたが、
と考えているなら、第二種電気工事士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
黒部川第四発電所の建設に携わった先人たちが、技術と情熱で未来の電力を切り拓いたように、あなたも電気工事士という技術者への第一歩を踏み出してみませんか。
電気を支える仕事は、暮らしを支える仕事。
そして、
暮らしを支える仕事は、未来を支える仕事です。
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