
スタンドアローン環境でロギングと電力量計測を効率的に実現する方法
製造現場や設備管理の分野では、電力量の見える化や稼働データのロギングが省エネ・コスト削減・トラブル防止の観点から重要視されています。一方で、すべての現場がネットワークに常時接続できるわけではありません。 そのような状況で注目されているのが、スタンドアローン環境でのロギングと電力量計測です。 本記事では、スタンドアローン環境とは何か、その課題、そして通信に依存せずにロギングと電力量計測を効率的に実現する方法について、わかりやすく解説します。
スタンドアローン環境とは
スタンドアローン環境とは、外部ネットワーク(インターネットや社内LAN)に接続せずに動作するシステム環境を指します。主な導入現場は次の通りです。
工場内の独立した生産設備
仮設現場・建設現場
防爆エリアやセキュリティ制限の厳しい施設
古い設備が稼働する既存工場
これらの現場では、通信設備の導入が難しい、またはセキュリティ上ネットワークを遮断していることが多く見られます。
スタンドアローン環境におけるロギングの重要性
ロギングとは、設備の稼働状態や電流・電圧・電力量などのデータを時系列で記録することです。スタンドアローン環境におけるロギングの主な目的は次の通りです。
トラブル原因の特定:設備の停止や異常発生時、過去ログで原因の切り分けが容易になります。
予防保全:稼働データの変化から、故障の兆候を早期に発見できます。
現場改善・省エネ対策:電力量データの蓄積によって、無駄な電力使用の見える化や運用改善に役立ちます。
電力量計測が求められる背景
近年、さまざまな要因から電力量計測の重要性が増しています。
電気料金の高騰
カーボンニュートラル/脱炭素への対応
エネルギー管理の高度化(例:ISO50001)
製造原価の正確な把握
特に製造業では設備ごとの消費電力量を把握することで、コスト構造の見える化が可能です。
ネットワーク依存の課題
従来のエネルギー管理システムはネットワーク接続が前提のものが多く、スタンドアローン環境では以下の課題がありました。
ネットワーク工事や設定の手間
セキュリティリスクの増加
通信障害によるデータ損失
導入コストの増大
これらの課題を解決するため、スタンドアローン対応のロギング・電力量計測システムが注目されています。
スタンドアローンでロギングと電力量計測を実現する仕組み
内蔵メモリ・SDカードによる保存:通信不要で長期間のデータ記録が可能
計測器単体での計測・記録:外部機器不要でデータ取得が完結
USB・手動でのデータ回収:定期点検時にデータ取得・分析が可能
効率的に運用するためのポイント
簡単に設定できる機器を選ぶ:現場での専門知識不要
必要十分なデータ項目の選定:管理負担の軽減
データ活用を前提にする:記録だけで終わらせず改善へつなげる
スタンドアローン方式のメリット
ネットワーク工事不要
セキュリティリスク低減
導入コストの抑制
現場ごとに柔軟な導入可能
特に既存設備への後付け、小規模現場での導入に最適です。
今後の活用シーンと展望
老朽化設備の延命管理
災害時・非常用設備の稼働記録
仮設電源・イベント設備の電力管理
必要に応じてネットワーク連携できる機器を選ぶことで、段階的なデジタルトランスフォーメーション(DX)も可能です。
まとめ
スタンドアローン環境でもロギングと電力量計測は十分に実現できます。通信依存を排したシステムは、省エネ・コスト削減・設備保全へ大きく貢献します。ネットワーク環境が整備されていない現場や高セキュリティが求められる設備こそ、スタンドアローン型の導入を検討する価値があります。
小原 一馬
経営企画室
