
投資家も注目!サイバーインデックス格付けが企業の価値を左右する理由――2026年のセキュリティ経営最前線
「サイバーインデックス企業調査」は、一般社団法人 日本IT団体連盟が実施している、日本の主要企業のサイバーセキュリティ対策と情報開示の姿勢を評価する格付け調査です。 近年、サイバー攻撃による経営リスクが高まる中、投資家や取引先が「その企業がどれだけ安全か」を判断する重要な指標として注目されています。この記事では、調査の概要や格付けの意味、最新の動向について解説します。
1. サイバーインデックス企業調査とは?
この調査は、民間企業におけるサイバーセキュリティ対策の情報開示を促すことを目的としています。単に「ウイルス対策をしているか」だけでなく、「経営層が責任を持って取り組んでいるか」「社会に対してその情報を公開しているか」が厳しく問われます。
調査の対象と方法
対象企業: 主に日経500種平均株価の構成銘柄(日本を代表する大手企業)が対象です。
評価方法: 有価証券報告書やコーポレートガバナンス報告書、統合報告書などの「公開情報」の分析に加え、企業への「アンケート調査」、さらに外部からの「アタックサーフェス(攻撃対象領域)診断」を組み合わせて総合的に評価されます。
2. 格付け(星の数)の意味
調査結果に基づき、特に優れた企業には「星」が付与されます。
★★(二つ星): 特に優れた取り組み姿勢および情報開示を継続的に確認できた企業(最高位)。
★(一つ星): 優れた取り組み姿勢および情報開示を確認できた企業。
ポイント: 2025年(2026年発表)の調査では、NEC、リコー、KDDI、トレンドマイクロなどの企業が最高位の「二つ星」を獲得しており、これらは日本国内で最もセキュリティ意識が高い企業群と言えます。
3. なぜこの調査が重要視されているのか
企業がこの調査に力を入れる理由は、単なる「守り」のためだけではありません。
投資家へのアピール: 機関投資家は、サイバーリスクを「経営上の重大な不確実性」と捉えています。格付けを取得することは、非財務情報としての信頼性を高めます。
サプライチェーンの信頼: 取引先を選ぶ際、セキュリティが脆弱な企業は「リスク」と見なされます。星を獲得していることは、ビジネスパートナーとしての資格証明にもなります。
ガバナンスの強化: 調査項目に対応する過程で、自社のセキュリティ体制の弱点(ガバナンスの不備など)を浮き彫りにし、改善に繋げることができます。
4. 最新の動向(2025年〜2026年)
最近の調査では、以下の傾向が強まっています。
AI活用のリスク管理: 生成AIの普及に伴う新たなセキュリティリスクへの対応状況が評価に影響し始めています。
レジリエンス(回復力)の重視: 「攻撃を防ぐ」だけでなく、「攻撃を受けた後にいかに素早く復旧するか」という体制も重要視されています。
アタックサーフェス管理: 外部公開されているサーバーやクラウド設定の不備を自動診断ツール(SecurityScorecardなど)でチェックするプロセスが定着しています。
5. まとめ
サイバーインデックス企業調査は、いまやIT部門だけの問題ではなく、「企業の誠実さと安定性」を測る物差しとなっています。大手企業だけでなく、そのサプライチェーンに連なるすべての中堅・中小企業にとっても、この調査で求められる「情報開示」と「経営層の関与」の姿勢は、今後の経営モデルの参考になるはずです。
