
内外電機株式会社 ― 苦境を乗り越え、独自性で未来を切り拓くエネルギーマネジメント企業
内外電機株式会社は、約100年にわたり電気エネルギーを支える製品を提供してきた電気機器メーカーです。受電設備や分電盤など社会インフラの中核を担いながら、経営再建期という苦境を経験し、技術力と品質重視の姿勢を貫くことで再成長を果たしました。標準品とカスタム対応を両立する柔軟なものづくりや、省エネ・再生可能エネルギー分野への挑戦は同社の大きな独自性です。人材育成と挑戦する企業文化を基盤に、内外電機は次世代のエネルギーマネジメントを通じて、持続可能な社会の実現に貢献し続けています。
内外電機株式会社 ― 苦境を乗り越え、独自性で未来を切り拓くエネルギーマネジメント企業
1. 創業から現在までの歩み
内外電機株式会社は、1920年(大正9年)に大阪市東区で創業された丹羽金属製作所にその起源を持つ、100年近い歴史を有する電気機器メーカーです。創業者・丹羽長三氏が手掛けた金属加工製品は、当時の産業インフラの発展と呼応する形で電気機器の分野へと進化し、やがて内外電機製作所として電気機械器具の製造を開始しました。その後、昭和28年(1953年)に株式会社内外電機製作所として法人化し、さらなる発展を遂げてきました。2023年には会社設立70周年を迎え、その歩みは電気事業の歴史と重なり合っています。
長い歴史の中では、多くの時代的な変革がありました。戦後の復興期、高度経済成長期、そして電力インフラの高度化や情報化社会の到来など、社会の変化に対応しながら事業領域を拡大してきました。ISO9001の品質マネジメントシステムの認証取得や全国4つの工場・全国25ヶ所の営業拠点展開など、品質と供給体制の強化も不断の努力の一環です。
2. 社会インフラに寄与する事業内容
内外電機は、暮らしと社会基盤を支える「電気エネルギー」の供給・配分・監視・制御技術を核とした製品・ソリューションを提供する企業です。発電所から送られる高圧電力を効率的に受変電し、電圧を下げて各種施設や家庭に届ける受電設備(キュービクル)や、分電盤・制御盤などの盤製品は、電力インフラの要として長年にわたり社会に貢献してきました。
市場環境が大きく変動する中で、大規模施設や公共建築物への対応、高機能化・省スペース化などのニーズに応えるため、内外電機はスタンダード品に加えて、顧客ごとのニーズに合わせたイージーオーダー方式やカスタム製品にも積極的に取り組んでいます。これらが現代社会における「安全」「省エネ」「信頼性」の確保に寄与している点は特筆すべきです。
近年では、太陽光発電・蓄電システムの導入や電気自動車用充電器の開発など、エネルギーマネジメント技術をさらに進化させる取り組みにも力を入れています。こうした技術展開は、カーボンニュートラルや再生可能エネルギーの普及といった社会的課題に応える企業としての姿勢を体現していると言えます。
3. 苦しい時期とその克服
内外電機の歴史には、順風だけではなく苦難の時期も存在しました。特に2000年代後半から2010年代にかけての経営再建期は、構造的な課題に直面した重要な時期でした。ウィキペディアによれば、同社は2008年以降、経営再建計画を数年にわたり推進し、資本金の見直しやISO認証の整理、組織再編など、財務・組織面での抜本的な改革を実施した歴史が記録されています。これは単なる経営調整ではなく、次世代に向けた企業体質の改善を図るための重要な転換点でした。
こうした苦しい時期において内外電機が何より重要視したのは、「技術力」と「信頼性」の堅持でした。長年培ってきた電力制御技術や盤製造に関するノウハウを基盤とし、製品クオリティの向上と顧客満足の徹底を継続することで、業界内での信頼を維持しつつ、新たな市場機会を着実に捉えていきました。このような堅実な事業運営が、企業としての安定性を確保し、苦境からの脱却を可能としたのです。
さらに、ISO9001認証取得はもちろんのこと、製品ラインナップの拡充や差別化されたサービス展開など、顧客視点での価値創造が経営改善の原動力となりました。こうした取り組みは、企業文化としての「品質第一」「顧客満足」を改めて社内外に示すものとなっています。
4. 独自性の源泉 ― 技術・製品と顧客対応
内外電機の独自性は、単なるモノづくりにとどまらず、顧客と市場のニーズに的確に応える「価値創造型の技術開発」にあります。受電設備、分電盤・制御盤といった主要製品は、単なる規格品ラインナップに留まらず、用途に応じた設計自由度や安全性・省エネ性能の高い製品として評価されています。たとえば、耐震性や省エネ効果の高いキュービクル、豊富なオプションを備えた制御盤などは、顧客の期待を超える提案型製品として高く評価されています。
加えて、標準製品とカスタム対応を両立する柔軟な生産体制は、顧客満足度の高い提供価値を生み出す要因です。8万点以上のカタログ商品をベースに、ビル設備や工場設備の特殊仕様に応えるオーダーメイド性を展開することで、他社との差別化を図っています。こうした「量と質の両立」は、内外電機の競争力の源泉となっています。
また、同社が掲げる「エネルギーマネジメント技術で豊かな社会の実現に寄与する」という企業理念は、環境保全や省エネルギー化が進む現代社会において一層重要になっています。このビジョンを具現化する技術開発の姿勢は、単なる電気機器メーカーではなく、「次世代インフラの創造企業」としての独自性を際立たせています。
5. 人材と組織文化 ― 持続的成長の原動力
内外電機が今後も持続的な成長を続けていくための要素として、「人材育成」と「組織文化」の重要性が挙げられます。同社は長年の歴史の中で、単に技術者を育成するだけでなく、顧客価値の創造に参画する人材を育てることに注力してきました。技術本部、生産本部、管理本部が連携しながら、品質保証部門を含む全社的な品質向上活動を推進していることが、ISO9001認証取得によっても裏付けられています。
また、顧客・パートナー企業と共存共栄の関係を築く経営理念「内平外成(社員が働きがいを持ち、挑戦する姿勢)」は、組織文化としての価値観を示しています。これは単なる理念の言葉ではなく、技術者一人ひとりが挑戦し続けることで新たな価値を創造しようとする企業文化そのものです。こうした文化が、厳しい環境変化の中でも変わらぬ前進を可能にしてきました。
6. 社会課題と未来への挑戦
現代社会では、再生可能エネルギーの普及やカーボンニュートラルの実現が大きなテーマとなっており、電力インフラの高度化が不可欠です。内外電機はこの潮流を「機会」ととらえ、電気エネルギーの有効活用・省エネルギー化に資する製品開発・システム構築を進めています。これは単に電気設備を提供するだけでなく、持続可能な社会を支えるための技術・仕組みづくりへの挑戦でもあります。
また、EV用急速充電器や太陽光発電システム関連機器など、次世代エネルギー領域への製品展開は、社会インフラの進化と共に企業の成長を加速させる重要な領域です。これらは内外電機が培ってきた技術的基盤と市場ニーズを的確に結びつける成果であり、今後の事業拡大のカギを握る要素です。
結び
内外電機株式会社は、創業から100年近い歴史を有し、電気エネルギーの供給・制御技術で人々の暮らしと社会インフラを支えてきました。苦しい時期を乗り越えながらも、技術力・品質・顧客価値創造を追求する姿勢は変わることなく、独自性のある製品開発と市場対応力によって成長を続けています。
今後も内外電機は、全社員の挑戦と顧客・社会との共創を通じ、エネルギーマネジメント技術で豊かな未来を創造し続けることでしょう。
前田 恭宏
前田です
