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マンションの「専有」と「共用」の基本ルール

マンションの「専有」と「共用」の基本ルール

26/01/30 10:48

マンションの「専有」と「共用」の境界は誤解が多く、トラブルになりがちです。 特にベランダは、自分専用に見えても実は「共用部分(専用使用権付)」。避難経路確保のため、物置の設置や勝手な改造は禁止です。窓ガラスや玄関ドアの外側も共用部分にあたり、原則として個人の判断で交換はできません。また、配管はメーターを境に管理責任が変わります。 リフォーム等の際は直感で判断せず、必ず「管理規約」を確認しましょう。正しいルールを知ることが、資産価値と良好な近所付き合いを守ります。

マンションの「専有」と「共用」がどこからどこまでか?基本ルール教えます!

まずは基本の定義を押さえましょう。マンションの建物は、大きく分けて2つのエリアで構成されています。

  1. 専有部分(せんゆうぶぶん)

購入した人が所有権を持ち、独占して使えるスペース。

壁紙、床材、室内のドア、システムキッチンなど。

  1. 共用部分(きょうようぶぶん)

区分所有者全員で共有するスペース。

エントランス、廊下、エレベーター、建物のコンクリート躯体など。

ここまでは簡単です。しかし、問題は**「自分しか使っていないのに、実は共用部分」**という場所が存在することです。ここがトラブルの温床となります。

勘違いNo.1!「ベランダ・バルコニー」は誰のもの?

最も多くの人が勘違いしているのが**ベランダ(バルコニー)**です。「洗濯物を干すのも、植物を置くのも自分だけ。だから専有部分でしょ?」と思っていませんか?

正解:ベランダは「共用部分」です

実は、ベランダは法的には「共用部分」に分類されます。ただし、**「専用使用権(せんようしようけん)」**という特別な権利が付与された共用部分なのです。

専用使用権とは?

「みんなの持ち物(共用部分)だけど、あなただけが使っていいですよ」という権利のこと。

なぜ共用部分なのか?

最大の理由は**「避難経路だから」**です。火事などの緊急時、ベランダにある「蹴破り戸(隣戸との仕切り板)」を突き破って避難したり、避難ハッチを使って下に降りたりする必要があります。

やってはいけないNG行動

  • 巨大な物置を置く: 避難の邪魔になります。

  • サンルームを作る: 完全に囲ってしまうリフォームは、建物の外観変更にもあたるため基本的に禁止です。

  • 大量の土を入れたガーデニング: 避難ハッチを塞いだり、重量オーバーになったりする危険があります。また、土砂が排水溝を詰まらせ、大規模修繕時にトラブルになることもあります。

「自分専用の庭」感覚で改造すると、管理組合から撤去を求められることがあるので注意が必要です。

意外な境界線!「窓ガラス」と「玄関ドア」

リフォームを考える際に壁となるのが、窓と玄関ドアです。これらは「室内と室外の境界」にあるため、判断が非常に複雑です。

1. 窓ガラス・サッシ(アルミ枠)

正解:原則として「共用部分」

「結露がひどいからペアガラスにしたい」「サッシの色を変えたい」と思っても、勝手に交換することはできません。窓はマンションの外観(美観)を構成する重要な要素だからです。

  • ガラス・サッシ枠: 共用部分(勝手に交換NG)。

  • 網戸: 管理規約によりますが、共用部分とされることが多いです。

  • 内窓(二重窓): 既存の窓の内側(専有部分側)にもう一つ窓をつけるリフォームは、専有部分内の工事となるため、一般的にOKです(ただし管理組合への届け出は必要)。

※近年は「防犯・断熱などの性能向上に限り、管理組合の承認を得てガラス交換可」とする規約に変更するマンションも増えています。

2. 玄関ドア

正解:外側は「共用」、内側は「専有」のミックス

玄関ドアは、一枚の扉の中に境界線が存在します。

  • ドアの外側(廊下側): 共用部分。色は勝手に塗れません。表札の出し方もルールがある場合があります。

  • ドアの内側(室内側): 専有部分。実は、内側の色を塗ったり、カッティングシートを貼ったりするのは自由な場合が多いです。

  • 鍵(シリンダー): 少し複雑ですが、「錠前本体」は共用部分の付属物、「鍵(キー)とシリンダー」の交換費用や管理は居住者負担(専有扱い)とするのが一般的です。防犯のために鍵を交換するのは自由ですが、オートロックと連動している場合は管理会社への確認が必要です。

壁と配管の「見えない境界線」

リフォームで壁を壊したい、水回りを移動したい。そんな時に立ちはだかるのが、構造と配管の境界線です。

1. 壁・天井・床

ここには**「コンクリートか、それ以外か」**という明確なラインがあります。

  • 躯体コンクリート(構造体): 共用部分。絶対に削ったり穴を開けたりしてはいけません。

  • 仕上げ材(壁紙、フローリング、石膏ボード、下地木材): 専有部分。張り替えは自由です。

【注意点】

コンクリートに直接壁紙が貼ってある場合、その壁紙は専有部分ですが、コンクリート自体には一切手を出せません。釘一本打つのも本来はNGです(ピクチャーレール用の穴なども注意)。

2. 配管(パイプ)

水漏れ事故が起きた際、「誰が修理費を払うか」で揉めるのが配管です。

  • 縦管(本管): 建物を縦に貫く太いパイプ。これは「共用部分」。

  • 横引き管(枝管): 縦管から分岐して各部屋へ伸びるパイプ。これは「専有部分」。

一般的には、**「玄関横のパイプスペース(メーターボックス)内のメーター」**が境界線になります。

  • メーターより外側(本管側)=共用部

  • メーターより内側(部屋側)=専有部

もし床下の配管(専有部分)が老朽化して下の階に水漏れさせた場合、その責任は**あなた(区分所有者)**にあります。リフォーム時には、目に見えるキッチンだけでなく、床下の配管交換も推奨されるのはこのためです。

まとめ:トラブルを防ぐためのチェックポイント

ここまで見てきたように、マンションの「専有」と「共用」の境界は、直感とは異なる部分が多くあります。

【境界線の早見表】

場所

区分

備考

室内の壁紙・床

専有

自由にリフォーム可(防音規定あり)

コンクリート壁

共用

穴あけ厳禁

ベランダ

共用

専用使用権。避難経路確保が必須

窓ガラス・サッシ

共用

勝手に交換不可(内窓はOK)

玄関ドア(外側)

共用

デザイン変更不可

玄関ドア(内側)

専有

塗装などは可能な場合が多い

配管(本管)

共用

管理組合が管理

配管(部屋への枝管)

専有

所有者に管理責任あり(水漏れ注意)

最後に必ず確認すべき「管理規約」

これらは一般的なルールですが、最終的な正解は、お住まいのマンションの**「管理規約(かんりきやく)」**に書かれています。

「サッシの交換は条件付きで認める」「網戸は各戸負担」など、マンションごとに独自のルールが定められています。リフォームや大きな模様替えをする前には、必ず管理規約に目を通すか、管理会社・管理組合に「どこまで触っていいですか?」と確認することをお勧めします。

境界線を正しく理解することは、資産価値を守り、近隣住民と良好な関係を築くための第一歩です。賢くルールを守って、快適なマンションライフを送りましょう。

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前田 恭宏
前田です

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