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キュービクルの離隔距離ってなに?

キュービクルの離隔距離ってなに?

25/11/21 15:39

キュービクルの離隔距離は「原則3m」ですが、消防署の構造確認や認定品の使用、隣接建物の構造などの条件が整えば「1m」まで縮められる場合があります。特に耐火建築物が近い場合や、扉・換気口の向きを変える、遮蔽板を付けるなどの措置で安全性が確保できれば縮小が認められやすくなります。離隔距離は一律ではなく、現場状況と消防署の判断によって大きく変わるため、早期の協議と技術資料の準備が鍵となります。

キュービクルの離隔距離ってなに?──基本は3m、でも条件次第で変わる複雑なルールを解説

工場やビル、商業施設の敷地内でよく見かける金属製の箱──これが高圧受電設備「キュービクル」です。高圧の電気を受電し、安全に低圧へ変換する重要な設備ですが、設置する際には必ず「離隔距離(安全距離)」が求められます。

「キュービクルのそばに建物を建ててはいけない」「基本3mは離さないといけない」といった話を耳にしたことがあるかもしれません。しかし実際には、この離隔距離は状況次第で1mに縮めることも可能であり、隣接建物の構造やキュービクル自体の仕様・認定の有無によって大きく変動します。

今回は、専門家に相談する前にぜひ知っておきたい「離隔距離の考え方」をわかりやすく整理し、キュービクル計画の実務的なポイントを解説します。

◆ 離隔距離とは?なぜ必要なのか

離隔距離とは、キュービクルと周囲の建築物・構造物・敷地境界などとの間に必要とされる安全のためのスペースです。目的は主に以下の3つです。

  1. 火災延焼の防止
    キュービクルから延焼、または周囲からキュービクルへの延焼を防ぐ。

  2. 保守作業の安全確保
    扉を開けて点検するための作業スペースを確保する。

  3. 高圧設備としての法的安全基準遵守
    電気設備技術基準に適合するための要求。

これらを満たすために、原則として3mの離隔が必要とされるのが一般的な考え方です。

しかし、ここからが重要です。

◆ 原則3mは「絶対」ではない──1mでOKになるケースがある理由

多くの現場で

「敷地が狭いから3mも離せない…」
「消防が1mで良いと言っているところもあると聞いた」

といった相談が上がります。
これは実際に正しい情報で、以下の条件を満たすことで1m程度に縮めることが可能になります。

① 所管の消防署による個別判断(構造確認)

消防署は、配置図・立面図・仕様書などの資料提出を受け、
延焼の可能性が低いと判断すれば、3m → 1m に縮小を認めることがあります。

よくある判断基準は以下です。

  • キュービクルが耐熱性の高い鋼板・不燃材で構成されている

  • 放熱部が隣接建物に向いていない

  • 扉や点検口が安全側に向けられている

  • 遮蔽板や防火区画による保護がある

要は「火災リスクが低く、安全性が確保されている」と判断されればよいのです。

② 認定品・推奨品を使用する場合

メーカーが取得している以下のような認証や試験成績も有効な根拠となります。

  • 日本消防検定協会の認定

  • 鋼板厚や耐火性に関する性能試験の成績書

  • 延焼防止措置に関する各種資料

  • JEM・JIS等の規格適合証明

消防署は客観的に安全性が証明されているかを重視します。
そのため、認定品や推奨品を使用していると「1m設置」が認められやすくなります。

◆ 隣接する建物の構造によって離隔距離は大きく変わる

離隔距離の判断で非常に大きいのが、近くにある建物の構造区分です。

● 隣接建物が「耐火建築物」の場合

鉄筋コンクリート造・鉄骨耐火造など
→ 延焼リスクが低いため、1mでOKになることが多い。

●「準耐火建築物」「木造」の場合

→ 可燃性が高いため、3mが原則。
ただし、キュービクル側で措置(遮熱板・扉向き変更など)を行うことで縮小できるケースもある。

● 隣接地が空地の場合

→ 1mにしても問題ないと判断されるケースが多い。

つまり、「何m離せばいいか」はキュービクル単体では決まりません。
周囲環境も含めた全体計画の中で決まるということです。

◆ 扉位置や換気口の向き変更で条件を満たすことも多い

消防署が最も気にするのは、
熱や火花が延焼要因となる方向に向いていないか
という点です。

そのため、次のような小さな設計変更が大きな効果を持ちます。

  • 扉の向き→隣地側ではなく敷地内部へ向ける

  • 換気口の向き→建物の壁面から逆方向に向ける

  • 放熱部を背面に逃がす

  • 点検スペースを道路側に確保する

現場では、
「扉の向きを90度変えたら1m配置が認められた」
「隣地側に遮蔽板を1枚付けただけでOKになった」
というケースも珍しくありません。

◆ 実務的には“消防署協議”が最重要

離隔距離は法令に明確な数字が書かれている分野ではなく、
“消防署ごとの判断”が大きく影響する分野です。

よって、現実的に最も大切なのは以下のプロセスです。

  1. 設置予定位置の図面を用意する

  2. キュービクルの仕様書・認定証明を準備する

  3. 早い段階で所管消防署と相談する

  4. 必要に応じてメーカーや電気工事会社が技術資料を追加提出する

  5. 消防署の指導内容を踏まえて配置計画を微調整

この流れを踏めば、
「本当は1mで行けるはずなのに3m必要だと言われてしまった」
というトラブルを防ぐことができます。

◆ まとめ:離隔距離は“3mが基本”だが“1mで十分な場合も多い”

キュービクルの離隔距離は一律ではなく、多くの要因が絡みます。

  • 原則は3m

  • ただし

    • 消防署の構造確認で安全性が示せれば1mに縮小可能

    • 認定品・推奨品の使用は大きなプラス要素

    • 隣接建物の構造(耐火か木造か)で大きく変動

    • 扉向きや換気口の方向の変更で対応できることも多い

敷地条件が厳しい場合でも、諦める必要はありません。
重要なのは、早い段階での消防署協議と、技術資料に基づく安全性の説明です。

キュービクル設置は専門性の高い分野ですが、ポイントを押さえればスムーズに進めることができます。
計画段階で悩んだ際は、電気工事業者や設備メーカーとも相談しながら、最適な設置方法を検討していくとよいでしょう。

Admin
前田 恭宏
前田です

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