キュービクル標準メーカー4社の概要と特徴

キュービクル標準メーカー4社の概要と特徴

25/09/11 16:08

キュービクル標準製造メーカー4社(河村電器産業・日東工業・内外電機・日本電機産業)は、それぞれ本社・工場・営業所を全国に展開し、標準品からカスタム対応まで幅広い製品を提供しています。日東は先進的な瀬戸工場を持ち、河村は物流網が強み。内外は地域密着型で柔軟な対応力があり、日本電機産業は専業の強みを活かし短納期対応に優れます。用途や設置環境に応じた仕様対応力・納期・品質が選定の鍵です。

キュービクル業界を担う主要4社の拠点と強みを徹底比較!選定時に押さえたいポイントとは

キュービクル標準メーカー4社の概要と特徴

まず、それぞれの会社がどのような立ち位置・強みを持っているかを押さえておきます。

社名

主な事業領域

キュービクル等受電設備における強み・差異化ポイント

河村電器産業株式会社

受配電設備、屋内外配線器具等の製造・販売。 kawamura.co.jp

歴史が古く、製造・物流ネットワークが広い。標準・多様仕様の対応力がある。部品/箱体などの設計・製造力が強く、国内外でのグループを持つ。物流体制にも注力。 kawamura.co.jp+1

日東工業株式会社

高圧・低圧受電設備、分電盤、キャビネット、金属/樹脂製ボックス類など幅広い電気機械器具。 nito.co.jp+1

キュービクルを含む高圧受電設備のスペクトルが広く、設計・評価試験施設も充実。耐震/耐候性など品質保証が強い。新しい瀬戸工場のような環境対応型/DX対応の先進設備を持つ。

内外電機株式会社

キュービクル式受電設備、分電盤・監視盤・制御盤・情報通信関連製品等。 naigai-e.co.jp+1

中小~中規模用途でのバランスがよい。全国に工場・営業所を持ち、地域対応力がある。設置場所・仕様に応じた提案型営業が可能。省エネ・環境対応の観点を含めた製品ラインナップ。 naigai-e.co.jp

日本電機産業株式会社

キュービクル(高圧受電設備)の専業メーカー。製造・販売。 https://www.nihondenkisangyo.jp/index2.html


専業という点が最大の特徴。「標準化+α」の対応力、短納期を重視。量産対応する標準品を揃えており、営業・技術体制が比較的フレンドリー/柔軟。規模は大手に比べると小さいが、専業ゆえのノウハウと機動性がある。

各社の本社・営業拠点・工場等の拠点情報

以下、拠点(本社・工場・営業所等)の情報を整理します。特に、「キュービクル製造・関連設備の生産が行われている工場/生産拠点」が重点です。



河村電器産業株式会社

  • 本社所在地
    愛知県瀬戸市暁町3番86(瀬戸市)
    kawamura.co.jp

  • 従業員数・資本等
    資本金 18億340万円、従業員数(単体)1,882名、連結で3,103名(2025年3月時点)
    kawamura.co.jp

  • 製造・物流・工場拠点
    ・子会社・関連会社含めたグループ構成で、全国に物流倉庫を持つなど物流体制が整っている。例えば、河村物流サービス株式会社が北海道~沖縄まで全国8ヶ所の倉庫を持っており、「ワンデー輸送」体制を整えている。
    kawamura.co.jp
    ・ただし、具体的にキュービクルの量産を担う工場の詳細(敷地規模・製造能力など)は、公開情報が限定的。箱体や受配電部材の製造拠点・技術設備があることは間違いないが、他社に比べ工場の面積や最新設備の情報はやや見えにくい。

  • その他営業所等
    ・全国に販売拠点を持っており、「河村電器販売株式会社」などのグループ会社を通じて販売・提案をタイムリーに行っている。
    kawamura.co.jp+1
    ・2026年4月から、本社管理機能の一部を瀬戸市から名古屋市へ移転する計画あり。新本社ビルを建築中。これにより、より都市部へのアクセス性強化を図る。


日東工業株式会社

  • 本社所在地
    愛知県長久手市蟹原2201(本社)
    https://www.nito.co.jp/strength/

  • 資本・設立等
    資本金 約65億7863万円、設立 1948年11月。

  • 主な工場・生産拠点 https://www.nito.co.jp/company/domestic/

工場名

所在地

敷地/建屋の規模・特徴

生産品目等

瀬戸工場

愛知県瀬戸市八床町22番の4

敷地面積 ~253,000㎡、建物面積工場棟50,000㎡(一部2階建て)

キャビネット、ブレーカ、システムラック、光接続箱、熱関連機器など。環境配慮型工場で、屋根に太陽光発電設備を設置し、100%再生可能エネルギーでの電力確保をめざしている。DX対応のスマートオーダーキャビネット生産システムを導入。

中津川工場(言及されており、瀬戸工場と電力託送などつながりあり)


  • 営業拠点等
    日東工業は全国販売・サービス網を持つ。具体的な営業所数等は公開資料で細かくは明記されていないが、製品パンフレット/図面作成支援システム(「QBSTA(キュービクルスタ)」)など、設計・納期の前工程のサポートも整えており、顧客との接点を強めている。
    https://www.nito.co.jp/company/sales/

  • 最近の動向
    瀬戸工場の完成・稼働開始(2024年春)により、環境配慮・サステナビリティ、再生可能エネルギー使用、製造プロセスの効率化を強化。工場設計・設備投資が近年大きなトピック。


内外電機株式会社

  • 本社所在地
    〒541‑0053 大阪市中央区本町二丁目5番7号 メットライフ本町スクエア6階
    naigai-e.co.jp

  • 設立・社員数など
    創業は大正9年(大正期)、設立は昭和28年4月。資本金 1億円。従業員数 753人(令和7年3月31日現在)
    naigai-e.co.jp

  • 工場・生産拠点
    全国に 4工場 を保有:山梨、岐阜、大阪、岡山。これらで、キュービクル式受電設備、分電盤、監視盤、制御盤、情報通信関連キャビネット等の製造を行っている。
    naigai-e.co.jp

  • 営業所/販売ネットワーク
    営業本部・営業部・営業所・事務所を全国に25ヶ所程度。東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄など主要地域をカバー。
    naigai-e.co.jp

  • 特徴
    地方拠点の工場を複数持つことで地域配送、アフターサービスの対応が早い。また、社員数・資本規模は中規模~中堅で、柔軟な仕様変更・カスタマイズ対応が可能。 “Energering” を企業テーマとして電力・エネルギー管理領域の技術を重視。
    naigai-e.co.jp


日本電機産業株式会社

  • 本社所在地
    大阪府大阪市北区堂島1丁目3番18号
    nihondenkisangyo.jp+1

  • 資本金・従業員数・設立
    資本金 5,000万円、従業員数約100名(2023〜2024時点)売上高約 80 〜 90 億円前後。創業は 1942年、1946年に法人組織化。
    nihondenkisangyo.jp

  • 工場・生産拠点

拠点名

住所

敷地規模など

主な品目・特徴

堺工場

大阪府堺市中区新家町10‑1 nihondenkisangyo.jp+1

敷地面積約 11,200 平米、工場建物 5,300 平米 nihondenkisangyo.jp

キュービクル(高圧受電設備)の標準品・オプション対応品の製造。標準/コーナー型/受電容量別の多種型式をラインナップ。標準仕様の型式により比較的短納期対応。オプション追加も可能。 nihondenkisangyo.jp+2nihondenkisangyo.jp

  • 営業所等
    西日本営業部(本社所在地大阪・堂島)および東日本営業部(東京都港区芝4‑6‑13)を持つ。広域に営業ネットワークを持ち、関東以北・関西方面の両方に対応可能。
    nihondenkisangyo.jp

  • 特徴・強み
    専業であるため、標準化されたキュービクル製品に強く、仕様のバリエーションは標準+αで対応可能。比較的企業規模は小さいが、受注‑製造から納品までの一貫体制、現場対応・設置性重視の設計力が評価されている。営業と技術の距離が近いため、カスタム要求にも柔軟。老舗的信頼を背景に、顧客からの評価が高い。

    比較・考察

    これら4社を、拠点網・規模・特色で比較すると、以下のような共通点と差が見えます。

    比較項目

    規模・拠点の広さ

    設備の先進性・環境対応

    専業 vs 多角化

    納期・標準化対応力

    顧客対応・地域対応

    河村電器産業

    非常に広い全国拠点、強い物流体制

    環境対応に関する情報はやや控えめだが拠点・物流での効率化あり

    多角化型(配線器具・受配電機器など)

    標準品含め納期・設計対応力強いが、新工場の大規模最新設備という報道は少なめ

    地域営業/倉庫/販売会社を持ち、要望・アフターメンテナンス対応可

    日東工業

    拠点・工場ともに大規模。新瀬戸工場など最新設備を保有

    瀬戸工場で100%再生可能エネルギー使用、スマートオーダー生産方式など先端

    多角化(受電設備・キャビネット・制御機器等)

    大量標準品とカスタム品両方、設計・図面作成支援ツールも完備で迅速化に注力

    国内ほぼ全域をカバー、品質試験や耐震性保証などで信頼性も高い

    内外電機

    工場4ヶ所・営業所多数で均衡型

    中規模であるが、標準品・カスタム両方対応。環境・省エネを訴求する文言あり

    多角化型(受電設備だけでなく制御盤・通信関連も)

    標準ラインナップを持ちつつ、仕様変更対応力が強い

    地域密着・営業所多数できめ細かい対応可能

    日本電機産業

    比較的小規模(従業員100名前後)だが、西日本・東日本営業部と堺工場を持つ。全国販売可能な体制。

    標準品の型式認定等品質保証あり。先端大規模工場よりも現場対応・コストパフォーマンスを重視

    専業型(キュービクル受電設備が主力)

    標準化が進んでおり、短納期対応・標準+αの仕様対応が大きな強み

    営業と技術の連携が強く、現場ニーズへの柔軟な対応が可能

    まとめ・展望

    以下、今後のキュービクル市場/これら各社がどういった方向で伸びていくか、またユーザーとしてどのような点を比較・重視すべきかをまとめます。

    1. 環境・サステナビリティ対応の重要性の増大
      日東工業の瀬戸工場の例のように、再生可能エネルギーの利用、工場の電力自給・グリーンローン活用、DXを取り入れたスマート生産システムなどが、製造コストのみならずブランド力・契約力に直結するようになっています。他の三社もこれら動向を見据えて設備投資・体制改善を進めているものと思われます。

    2. 標準化 vs カスタマイズ対応
      キュービクルは多数の型式基準(容量・形式・寸法など)があるため、標準品を持つことがコスト・納期面で大きな優位性となる一方で、設置場所・用途・気候環境などによって仕様変更が不可欠なケースも多いです。したがって、標準型のラインナップが豊富で、かつ仕様変更・オプション追加の対応力が高い会社を選ぶことが実用的です。日本電機産業が「標準+α」を前面に出しているのはこの文脈で有効です。

    3. 納期・物流体制
      大規模な箱体・重機器・付属部品を含む製品であるため、製造後の輸送や設置まで含めた納期見積もりの信頼性が重要です。河村電器のように全国に倉庫・物流ネットワークを持っていることは大きな強みです。設置現場の負担やコストを下げるためには、輸送距離・設置性(搬入・設置のしやすさ)の考慮が必要です。

    4. 品質・試験・規格対応
      耐震性・気候(雪・風・温度差)対応、JIS規格認定、非常用電源設備認定など、法令や業界基準対応がきちんとしていること。これらは設備の安全性・耐久性に直結します。日東工業が評価試験施設を有し、試験データを積み重ねていることはユーザーにとって安心材料です。

    5. コスト対/総合コスパ
      製品価格だけでなく、ランニングコスト(保守・修理・改修・更新等)、設置工事費・建築との兼ね合いなどトータルでのコストを考えること。大手・大規模メーカーは設備・信頼性・ブランドによる安心料も含まれることがあり、中小・専業メーカーの方がコストメリットが出るケースも。

Admin
前田 恭宏
練習

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