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電気設備の「kW」と「kVA」は何が違う?

電気設備の「kW」と「kVA」は何が違う?

26/01/29 15:16

kW(キロワット)は実際に仕事をする「有効電力」、kVA(キロボルトアンペア)は電源設備に必要な「皮相電力」を指します。ビールに例えるとkWは液体、kVAは泡を含めたジョッキ全体です。この差を生むのが「力率」で、モーターなどは力率が低く、同じ仕事量でもより大きな電源容量(kVA)を必要とします。計算時、単相は電圧×電流ですが、三相動力はさらに √3(約1.73)を掛ける必要があり、見落とすと容量不足等のトラブルに直結します。適切な設備選定とコスト削減には、この単位の違いと力率管理が不可欠です。

【保存版】電気設備の「kW」と「kVA」は何が違う?単相・三相の計算から力率の関係まで徹底解説

電気機器のカタログや発電機の仕様書、あるいは工場の電気設備図面を見ていると、電力の単位として**「kW(キロワット)」「kVA(キロボルトアンペア)」**の2つが混在していることに気づきませんか?

「どちらも電気の大きさだろう」と混同して計算してしまうと、ブレーカーが落ちたり、発電機が動かなかったりと、重大なトラブルにつながる可能性があります。

今回は、意外と知られていないこの2つの単位の決定的な違いについて、電気の「質」である力率(りつりつ)の関係性や、単相・三相での扱いの違いを含めて詳しく解説します。

1. そもそもkWとkVAは何を表しているのか?

まず、結論から言います。

  • kW(キロワット):有効電力

    • 実際に「仕事」をする電力(光る、回る、熱を発するなど)。

  • kVA(キロボルトアンペア):皮相電力(ひそうでんりょく)

    • 電源から送り出される「見かけ上」の電力容量。

これだけではイメージしにくいと思いますので、電気業界で最も有名な**「ビールジョッキの法則」**で例えてみましょう。

ビールで理解する「電力の3要素」

居酒屋で「生ビール」を注文したときのジョッキを想像してください。

  1. 液体部分(ビールそのもの)=【kW:有効電力】

私たちが実際に飲んで味わう部分です。電気で言えば、モーターを回したり、照明を点けたりするために消費される「実際に役に立つエネルギー」です。

  1. 泡(あわ)の部分 =【kVar(キロバール):無効電力】

ジョッキには必ず泡があります。泡だけではお腹いっぱいになりませんが、ビールを美味しく保つためには必要不可欠な存在です。電気の世界では、モーターやトランスを作るための「磁界」を作るために使われるエネルギーで、仕事はしませんが、電気機器を動かすために必要な「無駄だが不可欠な要素」です。

  1. ジョッキ全体の容量 =【kVA:皮相電力】

液体(kW)と泡(kVar)を合わせた、ジョッキに注がれた全体の量です。

私たちが電力会社に支払う電気代の多くは「飲んだビール(kW)」に対して課金されますが、電気設備(発電機やトランス)を用意する際は、「泡も含めたジョッキの大きさ(kVA)」で考えなければなりません。これが、2つの単位が存在する最大の理由です。

2. カギを握る「力率(りきりつ)」の正体

kWとkVAの関係を語る上で避けて通れないのが**「力率(Power Factor)」**です。

力率とは何か?

力率とは、「送り出した電力(kVA)のうち、どれだけ有効に使われたか(kW)」を示す割合のことです。ビールの例で言えば、「ジョッキ全体のうち、液体が何%入っているか」という数値です。

数式で表すと以下のようになります。

kW = kVA X力率

kVA = kW/力率

もし、泡が全くない(力率100%=1.0)の状態であれば、kW = kVA となり、単位の違いを気にする必要はありません。電熱器(ヒーター)や白熱電球などがこれに該当します。

しかし、モーター(電動機)や溶接機、変圧器など「コイル」を使う機器は、構造上どうしても「泡(無効電力)」を多く必要とします。一般的なモーターの力率は約80%(0.8)程度です。

なぜ力率が重要なのか?

例えば、100kWの仕事をさせたいモーター(力率0.8)があるとします。

  • 必要な有効電力: 100kW

  • 必要な電源容量(kVA): 100kW ÷ 0.8 = 125kVA

つまり、100kWのモーターを動かすためには、100kVAの発電機では足りず、125kVAの発電機が必要になるのです。「kWの数字だけ見て発電機を選んだら、容量不足で止まってしまった」というトラブルは、この力率計算を忘れていることが原因です。

3. 「単相」と「三相」での計算と違い

ここからは少し専門的な話になりますが、実務で非常に重要な「単相」と「三相」による計算の違いについて解説します。

電気には、家庭用のコンセントに来ている**単相(Single Phase)と、工場の動力などに使われる三相(Three Phase)**があります。

① 単相(単相2線式・単相3線式)の場合

一般家庭やオフィスの照明、パソコンなどで使われる電気です。

  • 基本式:

P(kW) = V(電圧) X Ⅰ(電流) X cosθ(力率)

S(kVA) = V(電圧) X Ⅰ(電流)

【解説】

単相の場合、計算はシンプルです。電圧(V)に電流(A)を掛ければ皮相電力(VA)になり、それを1000で割ればkVAになります。

例えば、100Vで10A流れるドライヤーなら、100V X 10A = 1000VA = 1kVA です。電熱線(ヒーター)は力率がほぼ1.0なので、これはそのまま1kWと見なせます。

② 三相(三相3線式)の場合

工場の大型エアコン、生産ラインのモーター、エレベーターなどで使われる「動力(どうりょく)」と呼ばれる電気です。ここでの計算には、魔法の数字**「√3(ルート3 ≒ 1.732)」**が登場します。

  • 基本式:

P(kW) = √3 X V(電圧) X Ⅰ(電流) X cosθ(力率)

S(kVA) = √3 X V(電圧) X Ⅰ(電流)

【解説:なぜルート3なのか?】

三相交流は、電気の波(正弦波)をタイミングをずらして3本送っています。これにより、単相よりも効率よく電力を送ることができるのですが、電圧と電流の関係を計算する際、ベクトル計算によって √3 倍する必要があります。

【具体的な計算例】

電圧200V、電流50Aが流れている三相モーターの場合:

  1. 皮相電力(kVA)を求める

1.732 X 200V X 50A = 17,320VA = 17.32 kVA

これが、トランスや発電機にかかる負担の大きさです。

  1. 有効電力(kW)を求める(力率80%の場合)

17.32 kVA X 0.8 = 13.86 kW

これが、実際にモーターが仕事として出力できるパワー(および電力会社から請求される電力量のベース)となります。

【注意点】

三相機器の容量計算をする際、単に V X Ⅰ で計算してしまうと、実際の容量より約42%(1.732 - 1 = 0.732 なので、倍率としては1.73倍の差が出る)も小さく見積もってしまうことになります。これは設備選定において致命的なミスとなります。「三相ならルート3」は必ず覚えておきましょう。

4. kWとkVA、どちらを基準にすべきか?

設備管理や機器選定の現場では、状況によって見るべき単位が異なります。

機器(負荷)を選ぶときは「kW」

「どれくらいの強さで冷やしたいか(エアコン)」「どれくらいの力でポンプを回したいか」といった仕事量を考えるときは、**kW(出力)**を見ます。

例:7.5kWのコンプレッサー、3.7kWのポンプなど。

電源(供給側)を選ぶときは「kVA」

その機器を動かすための「発電機」「変圧器(トランス)」「無停電電源装置(UPS)」を選ぶときは、**kVA(容量)**を見ます。

これらの供給機器は、「泡(無効電力)」も含めた全電流に対して熱的・磁気的な限界が決まっているからです。

【よくある失敗例】

「合計100kWの機材を使うから、100kVAの発電機を用意した」

間違いです。

機材の平均力率が0.8であれば、実際には 100kW ÷ 0.8 = 125kVA 必要です。さらに、モーターの始動時には定格の数倍の電流が流れるため、実際にはもっと大きな余裕率を見込んだkVA選定が必要になります。

5. 力率改善でコストダウン(進相コンデンサの役割)

「kVAの方が大きくなるのは分かったが、無駄な電気(無効電力)のために大きな設備を用意するのは損ではないか?」

そう思われた方は鋭いです。そこで登場するのが**「進相(しんそう)コンデンサ」**です。

工場のキュービクル(受変電設備)の中に、直方体の箱のような機器が入っているのを見たことはありませんか? あれがコンデンサです。

コンデンサには、遅れ力率(モーターなどで発生する無効電力)を打ち消して、力率を100%に近づける効果があります。

コンデンサを設置するメリット

  1. 電気料金が安くなる(力率割引)

電力会社との契約では、力率が85%を基準として、それを上回ると「基本料金の割引」、下回ると「割増」が適用される制度が一般的です(日本では力率1%ごとに基本料金が割引・割増されます)。

  1. 設備の容量を有効に使える

力率を改善すれば、同じkVAのトランスでも、より多くのkW(負荷)を接続できるようになります。


  • 例:100kVAのトランスで、力率0.8なら80kWまでしか使えませんが、力率1.0に改善すれば100kWまでフルに使えます。

  • 電力損失(ロス)の低減

無駄な電流が減るため、配線での熱損失が減り、省エネにつながります。

まとめ:単位の違いは「コスト」と「安全」に直結する

最後に要点をまとめます。

  • kW(キロワット):実際に仕事をする電力(中身のビール)。

  • kVA(キロボルトアンペア):設備容量として必要な電力(ジョッキの大きさ)。

  • 力率:kWとkVAをつなぐ係数。モーター類が多いと力率は下がる。

  • 計算の鉄則:三相の場合は必ず √3(1.732)を掛けることを忘れない。

電気設備を計画・管理する際、「kW」だけで計算していると、思わぬ容量オーバーやブレーカートリップを招きます。逆に「kVA」と「力率」を正しく理解し、適切にコンデンサなどで管理すれば、設備の安定稼働だけでなく、電気料金の大幅な削減にもつながります。

カタログの仕様欄にある小さな「kW」と「kVA」の違い。そこには、電気を安全かつ効率的に使うための重要なヒントが隠されているのです。

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前田 恭宏
前田です

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