
ORION フリークーリング型エコハイブリッドチラー
老朽化したクーリングタワーに代わり、ORIONの「フリークーリング型エコハイブリッドチラー」への更新は、省エネ・衛生性・省スペースを実現する最適解です。自然冷却を活用し最大72%の省電力、密閉循環により水処理不要、モジュール拡張も柔軟。SDGsやカーボンニュートラルへの貢献も可能です。冷却効率・運用コスト・保守性を総合的に改善でき、企業の持続可能な設備戦略として非常に有効な選択肢です。現地調査も承ります。
既設クーリングタワーから「ORION フリークーリング型エコハイブリッドチラー」への更新提案
1. 背景と課題 〜冷却設備の転換期における最適解とは〜
近年、製造業・研究施設・データセンター等、温度管理が重要なあらゆる分野で、冷却インフラの老朽化や環境負荷への対応が重要な課題となっています。特に、従来型の**クーリングタワー(冷却塔)**を利用した冷却システムでは、以下のような問題点が現場で顕在化しています。
スケール・藻類・レジオネラ属菌などの衛生・健康リスク
水処理薬品の継続的使用によるコスト・安全管理の負担
冷却効率の季節変動による安定性の低下
騒音・振動・設置スペースなどの制約
地球環境への配慮としての水資源の使用削減ニーズ
また、SDGsやカーボンニュートラルへの取り組みとして、「再生可能エネルギーの活用」や「省エネ機器への更新」が企業に求められており、冷却設備においてもその対象となっています。
このような背景を踏まえ、本提案ではオリオン機械株式会社の**「フリークーリング型エコハイブリッドチラー」(以下、エコハイブリッドチラー)への設備更新を通じて、運用コストの低減と環境配慮型運転の両立**を図る方法を紹介いたします。
2. ORION製 エコハイブリッドチラーの特長
2.1 製品概要
代表モデル:FCC15B / FCMC55A
冷却能力:37kW~
液温度設定範囲:5~35℃(FCMCは15℃以上)
使用周囲温度:–20℃~45℃(屋外設置対応)
制御精度:±1.0℃(フリークーリング時は±2.0℃)
冷媒:R410A など
モジュール拡張:最大10台(FCC)、最大32台(FCMC)
2.2 フリークーリング技術とは?
「フリークーリング」とは、外気の低温を冷却に利用する技術です。冬季や春秋など外気温が設定温度より低い場合、コンプレッサーや冷凍機を使用せずに自然冷却で循環水を冷やします。これにより、消費電力を大幅に削減することが可能となります。
FCCシリーズでは、下記の3モードを自動制御により最適運転します:
モード | 運転内容 | 主なシーズン |
モード1 | チラー単独運転 | 夏期(高外気温) |
モード2 | フリークーリング+チラー補助 | 春・秋(中間期) |
モード3 | フリークーリング単独 | 冬期(低外気温) |
2.3 衛生面・保守性の向上
従来のクーリングタワーでは、開放系による水の蒸発と汚染により、水処理薬剤、殺菌剤の使用が必須でした。ORIONのチラーは密閉循環系のため、レジオネラ属菌の発生リスクがゼロ。また、空冷式なので水の散布がなく、スケール・藻類の付着が発生しません。
2.4 屋外設置・省スペース・拡張性
防雪・防風設計で寒冷地にも対応可能
本体はコンパクトな一体型設計
モジュール方式で冷却能力の増減にも柔軟に対応
最大20台まで集中制御可能(FCMCモデル)
3. クーリングタワーとの比較と更新メリット
比較項目 | クーリングタワー | ORIONエコハイブリッドチラー |
冷却方式 | 水を蒸発・放熱 | 外気+空冷+冷媒制御 |
衛生管理 | 水質悪化、藻・菌対策必要 | 清水循環で衛生的 |
スケール対策 | 定期洗浄・薬品必要 | ほぼ不要 |
水使用量 | 大量使用 | 基本ゼロ(閉回路) |
エネルギー効率 | 外気温に依存、夏は効率低 | 年間最大72%節電効果 |
運転音・振動 | ファンや水流による大きな音 | 低騒音設計(夜間モード有) |
設置スペース | 高所・大型設置が必要 | 屋外地上設置可能 |
拡張性 | タワー追加困難 | モジュール増設が容易 |
4. 導入フロー(更新プロセス)
Step 1:現場調査とヒアリング
既設設備の冷却能力・負荷・運転時間の把握
設置スペース、水配管経路、電源容量等の調査
Step 2:製品選定と省エネシミュレーション
運転温度帯に応じた機種(FCC or FCMC)の選定
ORIONによる専用ソフトでの年間電力比較試算
Step 3:提案書・見積提出
製品構成・工事範囲・制御方法のご提案
導入効果(省エネ率、回収年数)の提示
Step 4:設置施工
屋外設置、凍結対策、均圧管設置(必要時)
現地試運転、オペレータ講習、保守契約
Step 5:運用と効果測定
月次・年次での省エネ実績モニタリング
異常検知・アラーム出力など自動監視機能も利用可能
5. 導入効果の具体例(想定シナリオ)
従来設備(クーリングタワー+冷却水ポンプ)
年間消費電力量:120,000kWh
年間水使用量:200トン
年間メンテナンス・水処理薬品費:50万円
エコハイブリッドチラー導入後(FCC15B×2台)
年間消費電力量:約50,000kWh(約58%削減)
水使用量:ほぼゼロ
メンテナンス費:年1回の点検程度
回収年数:およそ3〜5年(導入規模により変動)
6. まとめ 〜持続可能な冷却設備の選択〜
エコハイブリッドチラーは、以下の3点を高いレベルで実現する革新的な冷却ソリューションです。
1. 省エネ性
フリークーリングによる最大72%の省電力効果。特に年間通じて冷却を行う用途では大きな削減効果が期待できます。
2. 衛生性・保守性
密閉系・空冷型で、スケールや菌のリスクが激減。メンテナンス頻度も大幅に軽減されます。
3. 柔軟な拡張性
モジュール式構成により、増設や部分更新にも対応可能。初期導入のハードルが下がり、導入しやすくなっています。
おわりに
冷却設備の更新は、単なる機械の入れ替えにとどまらず、企業のエネルギー戦略・衛生対策・SDGsへの姿勢を示す重要な取り組みです。ORIONのエコハイブリッドチラーは、それに応えるだけの性能・信頼性・実績を備えています。
ご興味・ご関心がございましたら、現地調査・シミュレーションを含めた詳細なご提案も可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

前田 恭宏
練習