
株式会社TMEIC(ティーマイク)の歴史と未来
株式会社TMEICは、東芝と三菱電機の産業システム事業が統合し誕生した、産業界の「隠れた巨人」です。2024年に社名を変更し、グローバルブランドとして新たな一歩を踏み出しました。 同社は産業の「心臓」であるモーターや、「脳」となるパワーエレクトロニクス技術を強みに、世界中の工場やインフラを支えています。現在は、世界最高レベルの省エネ技術でカーボンニュートラル社会の実現に貢献。「We drive industry」を掲げ、持続可能な未来へ向け産業を駆動し続けています。
産業界の「隠れた巨人」が新たなステージへ。 株式会社TMEIC(ティーマイク)の歴史と未来
私たちの生活を支える電力、製品を生み出す工場、海を渡る船舶。これらが止まることなく動き続けている背景には、ある企業の技術が存在しています。
その企業の名は、株式会社TMEIC(ティーマイク)。
日本を代表する総合電機メーカーである「東芝」と「三菱電機」。かつてライバルでもあったこの二大巨頭の産業メカトロニクス事業が統合して生まれた会社です。2024年、社名を新たに「株式会社TMEIC」へと変更し、さらなるグローバル・ブランドへの飛躍を誓った同社の、誕生の歴史と目指す未来について紐解きます。
1. 歴史:かつてのライバルが手を組んだ日
TMEICの歴史は、日本の産業史における大きな転換点から始まります。
■ 2003年:巨星たちの決断
2003年10月1日、日本の重電業界に衝撃が走りました。 株式会社東芝と三菱電機株式会社が、それぞれの産業システム事業部門を分社・統合し、新たな会社を設立したのです。
当時、経済のグローバル化が急速に進み、海外の巨大企業との競争が激化していました。「国内での競争」から「世界で勝つための協力」へ。両社は、それぞれの得意分野である**「モーター(東芝)」と「パワーエレクトロニクス(三菱電機)」**などの技術を持ち寄り、世界トップレベルの競争力を持つ企業を作る道を選びました。
設立時の社名は**「東芝三菱電機産業システム株式会社」。 東芝(Toshiba)と三菱電機(Mitsubishi Electric)の頭文字、そして産業システム(Industrial Systems Corporation)を組み合わせ、通称「TMEIC」**としての歩みがここからスタートしました。
■ 2024年:親離れし、独立したブランドへ
設立から20年を経た2024年4月1日、同社は大きな節目を迎えます。 長年親しまれた社名から「東芝三菱電機産業システム」という親会社の冠を外し、**「株式会社TMEIC」**へと商号を変更しました。
これは、単なる親会社の合弁会社という枠組みを超え、「TMEIC」という単独のグローバルブランドとして世界市場をリードしていくという、強い覚悟の表れでもあります。
2. TMEICは何をしている会社なのか?
TMEICの事業を一言で表すなら、**「産業の『心臓』と『脳』を作る会社」**です。
一般消費者の目に触れることは少ないですが、私たちが普段利用しているモノやエネルギーの裏側には、必ずと言っていいほどTMEICの技術が使われています。
産業の「心臓」:回転機(モーター・発電機) 工場でポンプやファンを回す巨大なモーターから、再生可能エネルギーを生み出す発電機まで。世界中のプラントやインフラを物理的に動かす動力を提供しています。
産業の「脳」:パワーエレクトロニクス 電気を「使う形」に変換し、コントロールする技術です。例えば、太陽光パネルで作った電気を家庭で使える電気に変換する「PVインバータ」では、世界トップシェアクラスを誇ります。また、データセンターのサーバーを守る無停電電源装置(UPS)も同社の得意分野です。
産業の「神経」:オートメーションシステム 製鉄所や製紙工場などで、ミクロン単位の精度で機械を制御し、高品質な製品を高速で作るための自動化システムを構築しています。
3. 目指す未来:カーボンニュートラルの実現へ
新生「株式会社TMEIC」が目指すところ、それは**「持続可能な地球環境の実現」**です。
現在、世界中の企業が「脱炭素(カーボンニュートラル)」への対応を迫られています。しかし、工場を動かしたり、データを処理したりするには、どうしても膨大なエネルギーが必要です。
ここでTMEICの出番となります。
「エネルギーを、極限まで効率よく使う」
TMEICの技術は、工場の省エネ化や、再生可能エネルギーの普及に直結しています。
グリーントランスフォーメーション(GX): 化石燃料ではなく、電気で動く設備への転換(電化)を推進し、CO2排出量を劇的に削減します。
高効率化による省エネ: 世界最大級の容量を持つモーターやインバータ技術により、エネルギーロスを最小限に抑えます。
かつて日本の産業を支えるために生まれた会社は今、**「We drive industry」**というコーポレートステートメントのもと、地球環境を守りながら産業を発展させるという、より高次なミッションに挑んでいます。
編集後記
東芝と三菱電機。日本が誇る二つのDNAを受け継ぎながら、TMEICは独自の進化を遂げました。
もし、街で太陽光発電パネルを見かけたり、スマホでクラウドサービスを使ったりする時があれば、思い出してください。その裏側では、TMEICの「産業システム」が、今日も静かに、しかし力強く社会を動かし続けていることを。
詳細な技術や最新の導入事例については、ぜひ公式サイトをご覧ください。
公式サイト: https://www.tmeic.co.jp/
前田 恭宏
前田です
