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Ogawaだより の記事

プレート・スイッチが語る時代

25/08/12 10:33
プレート・スイッチが語る時代

スイッチやコンセントなどの配線器具は、1918年の「アタッチメントプラグ」から始まり、安全性・施工性・デザイン性・スマート化の面で進化してきました。昭和の「埋込器具」や「フル端子」、平成の「コスモシリーズ」、令和のスマートスイッチやクラシックデザインなど、時代と暮らしに寄り添う技術が詰まっています。何気ない存在にも100年の技術と工夫が息づいているのです。

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昭和から令和へ──暮らしとともに進化した「スイッチとプレート」のものがたり

「スイッチ」や「コンセント」──毎日の暮らしの中で、意識することは少ないかもしれません。でも、実はこの“何気ない存在”にも、100年以上の進化の歴史があることをご存じでしょうか?

パナソニック(旧・松下電工)は、戦前の「アタッチメントプラグ」から始まり、時代とともに暮らしに寄り添う配線器具を数多く開発してきました。その技術とデザインの歩みをたどることで、私たちの生活の移り変わりが見えてきます。

◆ 大正〜昭和初期:コンセントがなかった時代の工夫

今では当たり前のように壁に並んでいるスイッチやコンセント。しかし大正時代には、住宅にコンセントそのものが存在しないのが当たり前。そんな中で誕生したのが、1918年に松下幸之助が考案した「アタッチメントプラグ」でした。

これは、電球ソケットに差し込むことで電源を取るための製品。当時の一般家庭では電球のソケットが唯一の電源供給口だったため、電球を外さずに家電が使えるこのプラグはまさに画期的なアイデア商品。後に100万個以上が出荷され、「一家に一つ」の定番品となります。

さらに1920年には、「2灯用クラスタ」を開発。1つのソケットで2つの機器を同時に使える工夫は、現在の「電源タップ」の先駆けとも言えそうです。

◆ 昭和30~40年代:壁の中へ、“埋込”が当たり前に

戦後、生活の電化が一気に加速。1950年代には「三種の神器」(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)ブームが起き、家庭内で使う電気製品が急増します。その結果、電気の“取り合い”状態になり、「タコ足配線」による事故も多発。

こうした課題に対応するため、電力会社やメーカーによる「適正配線運動」が全国で展開され、より安全で効率的な配線システムが模索されるようになります。

この頃、配線器具の歴史にとって大きな転機となるのが、1958年に登場した「埋込連用器具」。スイッチやコンセントを壁の中に美しく収める方式で、現在のようなスッキリした室内空間の基本がこの時代に形づくられました。

また、1960年代後半からは、より安全・確実な施工を実現するために、差し込むだけで結線できる「フル端子」や「速結端子」といった技術が次々に登場。職人さんの作業時間を大幅に短縮し、配線ミスも減らすという“地味だけどすごい”進化が、着々と進められていったのです。

◆ 昭和40年代:色とデザインの革新、「フルカラーモジュール」の誕生

1970年代に入ると、日本の高度経済成長とともに、住宅のデザインやインテリアへの関心も高まってきます。

それに応えるように誕生したのが、「フルカラーモジュール」。モダンなインテリアにもなじむよう、色・形・機能を統一し、美観と利便性を両立したシリーズです。この規格は業界全体に広まり、やがてJIS規格にも採用されることになります。

この時代には、暗い中でもスイッチの位置がわかる「ほたるスイッチ」や、一定時間後に自動でオフになる「タイマスイッチ」など、“暮らしをちょっと便利にする”製品が続々と登場。スイッチは単なるオンオフの装置から、生活をコントロールする「仕組み」へと進化していきます。

◆ 平成の幕開けとともに登場、「コスモシリーズ」と情報社会への対応

1985年、パナソニックは次世代のスタンダードとなる配線器具「コスモシリーズ」を発表します。丸みを帯びたプレート、軽い押し心地、押す面積が広い大形スイッチは、子どもから高齢者まで使いやすく、今でも多くの住宅で愛用されています。

そして1990年代に入り、インターネットやホームネットワークといった新たな生活インフラが登場。これに対応するために生まれたのが「マルチメディア対応配線システム」です。

情報コンセント、LAN配線、センサやタイマとの連携など、“住まいの情報化”を先取りした仕組みは、当時の先進住宅やオフィスビルで採用され、現在のスマートホームの原型となりました。

◆ 令和時代へ:スマート化とデザインの両立へ

最新のトレンドは、なんといっても「スマート化」。2020年代以降は、スイッチに無線通信機能が搭載され、スマートフォンやスマートスピーカーから家中の照明や家電を操作できる「リンクモデル」や「リンクプラス」が登場しています。

特に「リンクプラス」は、工事不要で、既存のスイッチと入れ替えるだけでスマート化が可能。タイマー設定、遠隔操作、音声操作など、ハイテク住宅のような機能が、一般家庭にも広がり始めています。

一方で、“あえてクラシックなデザイン”を楽しむという逆張りの流れも登場。2017年には、レトロなホーロー風プレートを用いた「クラシックシリーズ(CLA-CHIC)」が発売され、カフェ風のインテリアやヴィンテージ感のある空間に人気を博しています。

◆ プレートひとつにも「100年の技術」が詰まっている

配線器具の世界は、決して派手ではありません。しかし「安全性」「施工性」「美観」「操作性」──これらをバランスよく追求し続けてきた結果、私たちの暮らしは“当たり前に”快適になっているのです。

ふだん無意識に触れているスイッチやコンセントの裏には、100年にわたる開発者たちの創意工夫、そして住宅や家族のあり方そのものの変化が、そっと息づいています。

もし次に、壁のスイッチに手を伸ばしたときは、ほんの少しだけその歴史に想いを馳せてみてください。そこには、日本の住まいの進化、そして「暮らしを支える技術」の歩みが、静かに、そして確かに刻まれているのです。



(参考資料:パナソニック公式ストーリー技術年表図

Admin
前田 恭宏
練習
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