
エアコンのブレーカー選定方式とは?失敗しない容量計算と正しい選び方を徹底解説
エアコン設置工事や分電盤改修において、「ブレーカーの選定」は安全性・信頼性を左右する非常に重要なポイントです。 ブレーカー容量を誤ると、頻繁な遮断・発熱・最悪の場合は火災事故につながる恐れがあります。 本記事では、住宅用から業務用エアコンまで対応できるブレーカー選定方式を、計算方法・早見表・注意点を交えてわかりやすく解説します。
エアコンに専用ブレーカーが必要な理由
エアコンは一般的な家電製品と異なり、以下のような特徴があります。
コンプレッサー起動時に突入電流が流れる
冷暖房運転中は長時間連続運転になる
室外機を含めた屋外設置負荷がある
このため、電気設備技術基準や内線規程ではエアコンは原則「専用回路」とすることが求められています。
他のコンセント回路と共用すると、ブレーカー遮断や配線の過熱リスクが高まります。
エアコン用ブレーカー選定の基本原則
電源方式(単相100V・単相200V・三相200V)
定格電流(A)
メーカー指定の推奨遮断器容量
消費電力だけで判断しないことが重要です。エアコンはモーター機器なので、起動特性も考慮する必要があります。
ブレーカー容量の基本計算式
(単相100V・200Vエアコンの場合)
消費電力(W) ÷ 電圧(V) = 電流(A)例:
消費電力:1,400W
電圧:100V
計算:1,400 ÷ 100 = 14A
⮕ 実際は余裕を見て20Aブレーカーを使用
目安:定格電流 × 1.25倍で選定します。
住宅用エアコン|容量別ブレーカー早見表
エアコン能力 | 電源 | 消費電力目安 | 推奨ブレーカー |
|---|---|---|---|
2.2kW(6畳) | 100V | 約600~700W | 15A |
2.8kW(10畳) | 100V | 約800~1,000W | 20A |
3.6kW(14畳) | 100V / 200V | 約1,200~1,400W | 20A |
4.0kW(18畳) | 200V | 約1,600~2,000W | 20A |
5.6kW(23畳) | 200V | 約2,200~2,800W | 30A |
※ 目安です。必ず機器銘板・仕様書で最終確認をしてください。
漏電遮断器(ELB)は必要?
結論:原則「必要」。エアコン回路には漏電遮断器付きブレーカーが推奨されます。
室外機は雨水・湿気の影響を受けやすい
冷媒配管付近で結露が発生する
感電・火災リスクの低減
項目 | 仕様 |
|---|---|
定格電流 | 20A~30A |
漏電感度 | 30mA |
業務用・三相200Vエアコンのブレーカー選定
業務用(パッケージエアコン等)は三相200V電源が主流です。
メーカー仕様書で定格電流を確認
定格電流 × 1.25倍以上
配線用遮断器(MCCB)を選定
例:定格電流 18A(200V三相)
18A × 1.25 = 22.5A → 30A MCCBを選定よくあるブレーカー選定ミス
消費電力だけで容量を小さくする
既存コンセント回路に増設する
100V機器なのに200V用ブレーカーを使用
室外機側の電流値を見落とす
これらのミスは現場トラブルの原因になります。注意が必要です。
法令・基準との関係性
電気設備技術基準
内線規程
経済産業省による電気安全制度
安全率を確保した設計・施工が事業者責任として求められます。
まとめ|エアコンのブレーカー選定で押さえるポイント
エアコンは必ず専用回路
定格電流に余裕率(約1.25倍)をかける
住宅用でも漏電遮断器付きが基本
業務用はMCCBを使用
メーカー仕様書を最優先
正しいブレーカー選定が、エアコンの性能を最大化し、長期的な安全運用につながります。
小原 一馬
経営企画室
