
電波って何者?
電波とは、電気と磁気の振動が空間を伝わっていく現象で、光と同じ「電磁波」の仲間です。電線内を流れる電気そのものではなく、電気の振動によって生まれ、空間を波として広がります。物質が飛んだり流れたりするのではなく、池の波紋のように揺れが伝わるのが特徴です。人の目には見えませんが、光速で進み、通信や放送、Wi-Fi、スマートフォンなど現代社会を支えています。周波数により性質が変わり、適切に管理された電波は日常生活で安全に利用されています。
電波って何者?
――電気なのか? 飛ぶのか? 流れるのか? 見えない正体に迫る――
私たちの身の回りは、電波であふれています。スマートフォン、Wi-Fi、テレビ、ラジオ、カーナビ、電子レンジ。
しかし改めて「電波って何?」と聞かれると、意外と答えに詰まる人は多いのではないでしょうか。
・電気なの?
・空を飛んでいるの?
・水のように流れているの?
目に見えず、触れられず、それでも確実に存在している電波。その正体を、できるだけやさしく解き明かしていきましょう。
1.まず結論:電波は「電気」でもあり「光の仲間」でもある
いきなりですが、電波の正体を一言で言うとこうなります。
電波とは、「電気と磁気の振動が空間を伝わっていく現象」です。
さらに言うと、電波は光(可視光線)と同じ仲間です。
赤外線、紫外線、X線、ガンマ線――これらはすべて「電磁波」と呼ばれ、その中で波長が長いものを私たちは「電波」と呼んでいます。
つまり、
電波=特別なもの
光=別のもの
ではなく、実は同じファミリーなのです。
2.電波は「電気」なのか?
「電波は電気ですか?」という質問は、とても多い疑問です。
結論から言うと、
電波は“電気そのもの”ではありませんが、電気がなければ生まれません。
電線の中を流れている電気は、「電子」が金属の中を移動することで成り立っています。
一方、電波は電子そのものが空間を飛んでいるわけではありません。
ポイントはここです。
電線の中:電子が動く(電流)
空間の中:電気と磁気の“揺れ”が伝わる(電波)
送信アンテナでは、高周波の電気を流すことで電子が激しく振動します。
その振動が、周囲の空間に「電気の揺れ」と「磁気の揺れ」を生み出し、それが波のように広がっていく――これが電波です。
3.電波は「飛んでいる」のか?
では電波は、鳥やボールのように「飛んでいる」のでしょうか。
イメージとしては半分正解、半分間違いです。
電波は確かに、
アンテナから放射され
空間を進み
受信アンテナに届く
という意味では「飛んでいる」と表現できます。
しかし実際には、何かの粒が放物線を描いて飛んでいるわけではありません。
正確には、空間そのものが波打ちながら伝わっているのです。
よく使われる例えが「池の水面」です。
石を投げる → 水自体が遠くまで移動するわけではない
波紋が広がる → 揺れだけが伝わる
電波もこれと似ています。
空間が“揺れ”を伝えているのであって、物質が移動しているわけではありません。
4.電波は「流れる」のか?
「電波は流れている」と表現されることもありますが、これも注意が必要です。
水道の水のように、
一方向に
管の中を
連続的に
流れるものではありません。
電波は波として空間に広がるため、
前にも後ろにも
横にも
障害物があれば反射・回折しながら
進みます。
このため、同じ場所でも
強く届く所
弱くなる所
全く届かない所
が生まれます。
Wi-Fiが「部屋によって強さが違う」のは、この電波の性質によるものです。
5.なぜ見えない? なぜ触れない?
「そんなに身近なら、なぜ見えないの?」
これはとても自然な疑問です。
理由は単純で、人間の目が感知できる範囲が限られているからです。
人間の目が見えるのは、
波長 約380~780nm
つまり「可視光線」だけ
電波はそれよりはるかに波長が長いため、目では見えません。
しかし、見えない=存在しない、ではありません。
赤外線カメラや電波測定器を使えば、電波の存在ははっきり確認できます。
6.電波は速さを持っている
電波は、どれくらいの速さで進んでいるのでしょうか。
答えは驚くべきものです。
電波の速さ=光の速さ
約30万km/秒
地球を約7周半する速さです。
そのため、
スマホで動画を見る
リモコンでテレビを操作する
といった行為に、ほとんど時間差を感じません。
7.周波数で性格が変わる電波
電波には「周波数」という性格があります。
周波数が低い:遠くまで届く、回り込みやすい
周波数が高い:情報量が多い、直進性が強い
この違いにより、
AMラジオ:遠くまで届く
FMラジオ:音質が良い
Wi-Fi・5G:高速通信が可能
といった使い分けがされています。
8.電波は危険なのか?
「電波は体に悪い?」という疑問もよく聞かれます。
結論から言うと、
日常で使われている電波は、適切に管理されており、健康への影響は極めて小さいとされています。
ポイントは「強さ」と「種類」です。
レントゲンやガンマ線:人体に影響あり
通信・放送用電波:エネルギーが低い
日本では電波法により、厳しい基準で管理されています。
9.まとめ:電波は「見えないけれど確かな存在」
電波は、
電気から生まれ
光の仲間で
空間を揺らしながら伝わる
とても不思議で、とても身近な存在です。
もし電波がなければ、
スマートフォン
インターネット
放送
GPS
現代社会は成り立ちません。
見えないからこそ「謎」に感じますが、正体を知ると、電波は決して怪しいものではなく、人類の知恵が生み出した最高の道具だと言えるでしょう。
前田 恭宏
前田です
